- 著者
-
桜井 みち代
本間 行彦
- 出版者
- 一般社団法人 日本東洋医学会
- 雑誌
- 日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
- 巻号頁・発行日
- vol.62, no.1, pp.38-44, 2011 (Released:2011-07-08)
- 参考文献数
- 11
難治性の中高年の女性にみられた第1,2度の酒皶の10症例に,漢方治療を行い,著効を得たので,報告する。患者の年齢は,46歳から81歳までで,平均年齢は60.6歳,発病から受診までの期間は1カ月前から5,6年前までで,平均期間は約2.2年であった。奏効した方剤は,大柴胡湯と黄連解毒湯の併用が7例,葛根紅花湯が3例であった。後者のうち,1例は葛根紅花湯のみ,1例は始め葛根紅花湯で治療し,のち白虎加人参湯と加味逍遙散の併用に転方した。残りの1例は桂枝茯苓丸と黄連解毒湯で開始,のち葛根紅花湯に転方した。本病に大柴胡湯と黄連解毒湯の併用,または葛根紅花湯が治療の第一選択として試みる価値がある。