著者
棟方 充
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.9-13, 2017 (Released:2017-02-17)
参考文献数
8
被引用文献数
1
著者
高橋 亨 棟方 充 大塚 義紀 佐藤 敦子 本間 行彦 川上 義和
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.723-727, 1995-07-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
14

特発性間質性肺炎 (IIP) の急性増悪症例におけるウイルス感染の関与を血清抗体価・喀痰封入体検査から検討した. 当科に入院したIIP 105名のうち急性増悪(1ヵ月以内に自覚症状の増悪, PaO2 10 Torr以上の低下, 胸部レ線像の悪化のすべてを満たすもの) を呈した症例を対象とした. 経過中にウイルス抗体価の4倍以上変動を認めたか, 喀痰ウイルス封入体を証明したかの, いずれかの例をウイルス関与ありとした. これらの症例につき, 関与したウイルス, 臨床像などを検討した. 急性増悪例は全IIP患者の27% (28例) であった. ウイルス関与ありは増悪例の39% (11例) であった. 関与したウイルスは Influenza: 6例, Parainfluenza: 1例, Adeno:1 例, Herpes simplex: 1例, RS: 1例, Cytomegalo: 2例であった. ウイルス関与群は非関与群に比べ, 増悪前の血清IgA値が有意に低値であった (p<0.05). これらの結果から, 急性増悪では血清IgA低値と関連したウイルス感染の可能性がある.
著者
本村 文宏 棟方 充 土肥 勇 南須原 康行 川上 義和
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.455-460, 1997-04-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
12

症例は48歳の男性. ウサギ飼育6ヵ月後に気管支喘息を発症し, 症状が改善せず, 胸部X線写真にて浸潤影も出現したため, 精査のため入院となった. 末梢血好酸球は軽度増加していた. 入院時には陰影は消失していたが, ウサギ毛のスクラッチ抗原による吸入誘発試験で二相性喘息反応とともに胸部CTに浸潤影が出現し, 同部位からの気管支肺胞洗浄と経気管支肺生検で好酸球浸潤を認めたためウサギ毛によるPIE症候群 (pulmonary infiltration with eosinophilia) と診断確定し, ウサギ飼育の中止, 環境の改善およびステロイド薬により4年来再発をみていない.
著者
佐藤 俊 渡邉 香奈 石田 卓 吉川 素子 金沢 賢也 斎藤 純平 大塚 義紀 棟方 充 鈴木 均 丸山 幸夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.2, pp.356-358, 2006-02-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

症例は47歳, 男性. 拡張型心筋症による発作性心房粗動に対しアミオダロンの投与を開始, 2年後に胸部X線写真にて異常陰影が出現. 肺胞洗浄, 肺生検所見などから総合的にアミオダロンによる薬剤性肺炎と診断した. 短期間のステロイド治療が奏功し, 現在まで再燃は認めない. 本症では肺胞洗浄液にて好酸球の著増を認め, 細胞毒性による肺障害と免疫学的機序を背景とした好酸球性肺炎の併発が考えられた.
著者
棟方 充 本間 行彦
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

卵白アルブミン(Ovalbumin,OA)皮下注および吸入感作ラットにOAを連続吸入させることにより、気道のリモデリングが形成されるか否かを検討し、以下の成績を得た.1.抗原濃度を0.1,1.0,5.0%とした1ヵ月間の慢性抗原暴露では、1.0,5.0%の群においてのみ、気道上皮及び気道壁の肥厚が形成された.2.今回のモデルで形成される気道のリモデリングは気道上皮および気道壁の肥厚に限られており、気道平滑筋の肥厚はいずれの群でも観察されなかった.3.気道上皮の肥厚は主に杯細胞の増生により生じていることが明かになった.4.In vivoでのメサコリン気道過敏症は気道上皮での杯細胞数と有意な相関を示し、気道過敏性形成における気道上皮リモデリングの重要性が明かになった.5.浸等圧ポンプによるβ2-刺激薬・副腎皮質ステロイド薬の投与では、β2-刺激薬連続投与により気道過敏性の更なる亢進が認められたが、気道形態にはいずれも有意な変化を及ぼさなかった.以上の結果から、気道のリモデリングは吸入抗原濃度が高いほど形成されやすいこと、気道上皮のリモデリングは平滑筋のリモデリングに先行する可能性があること、杯細胞増生を主体とする気道上皮のリモデリングは気道過敏性形成に重要であること、などが明かになった.