著者
伊東 正一 稲本 志良 加古 敏之 山路 永司 石川 行弘 丸山 幸夫 加賀爪 優 茅原 紘
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

本研究はアジアのコメ需要が減退しつつあり、このままでは生産縮小に追い込まれるという、アジア農業にとっては危機的状況が予想されることから、アジア各国及び世界のコメ需要、さらに、今後の見通しについて解析した。結論は下記の通りである。1.世界の一人当たりコメ消費量は2000年代は年平均0.6%の減少率で推移している2.この減少率が続くと世界の一人当たりコメ消費量は2050年には58.9kgに減少する(シナリオ1)3.この減少率が2倍(シナリオ2)及び3倍(シナリオ3)になると、2050年にはそれぞれ52.7kg、及び46.2kgにまで減少する4.世界のコメの総消費量は2050年においてシナリオ1,2,3ではそれぞれ5億3,500万t、4億7,900万t、4億1,800万tとなり、シナリオ3では現在の消費量から増加しない、ということになる5.シナリオ1の見通しは現在の減少率の維持という最も控え目な予測であるが、IRRI(国際稲作研究所)が2003年に見通したものはこれより7%多い(2025年の時点)ものとなっている。国際研究機関の過剰な予測が懸念される6.アジア各国におけるコメ消費動向に関する研究は日本を除いて非常に少なく、コメ消費減退の実情が理解されていない7.1960年代から現在までの間に、台湾の一人当たり消費量は160kgから50kgに激減し、日本も120kgから60kg余に半減した。中国では2000年代に入り、100kgのレベルから減少の速度を加速し、年2kgの減少を呈しているこうした減退しつつある世界のコメ需要に対し、コメの加工向け、飼料向けの利用開発が求められる。こうした動きはアジア全地域で取り組む必要があり、効果的な方法の一つとして、日本が発展途上国に提供しているODA予算に対しても、アジア向けのODAにはコメ消費拡大に向けたプログラムに援助するということもアジア地域の食料安全保障対策や国際食糧需給政策として重要である。
著者
佐藤 俊 渡邉 香奈 石田 卓 吉川 素子 金沢 賢也 斎藤 純平 大塚 義紀 棟方 充 鈴木 均 丸山 幸夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.2, pp.356-358, 2006-02-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

症例は47歳, 男性. 拡張型心筋症による発作性心房粗動に対しアミオダロンの投与を開始, 2年後に胸部X線写真にて異常陰影が出現. 肺胞洗浄, 肺生検所見などから総合的にアミオダロンによる薬剤性肺炎と診断した. 短期間のステロイド治療が奏功し, 現在まで再燃は認めない. 本症では肺胞洗浄液にて好酸球の著増を認め, 細胞毒性による肺障害と免疫学的機序を背景とした好酸球性肺炎の併発が考えられた.