著者
村田 潤 山形 茂生 古本 節子 村田 伸 大山 美智江 坂田 栄二 北谷 典丈 谷 都美子
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.59-63, 2013 (Released:2013-10-08)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

本研究は,美顔器使用による顔面の機能や形態的な変化について解明することを目 的として行った。対象は,発症後1年以上経過した慢性期脳卒中片麻痺患者6名であった。 運動機能評価として口を閉じる筋力とまばたき回数を計測し,感覚機能評価として触圧覚 閾値と二点識別覚を測定した。また,同時に顔面の形態的変化を画像解析により評価した。 美顔器を使用しない期間にみられる各測定項目の変化量をコントロールデータとし,その後の美顔器介入期間にみられる変化量と比較した。美顔器プログラムは1試行9分間,朝夕1日2回行わせた。その結果,コントロール期間の変化量と比較して,介入後の触圧覚閾値や2点識別覚の間隔距離の変化量が有意に減少した。しかし,運動機能に関しては有意な変化は認められなかった。一方で,形態的な顔面の左右差は介入期間後に減少した。 本研究結果は,美顔器の刺激が顔面の感覚機能や形態の変化に影響することを示唆した。
著者
村田 伸 村田 潤 大田尾 浩 松永 秀俊 大山 美智江 豊田 謙二
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.509-515, 2009 (Released:2009-09-24)
参考文献数
42
被引用文献数
3 1

〔目的〕高齢者を対象にウォーキングによる運動介入を行い,その介入が身体・認知・心理機能に及ぼす効果について,無作為割付け比較試験によって検討した。〔対象〕地域在住高齢者69名(平均年齢72.0±4.4歳)である。〔方法〕ウォーキングによる運動介入の前後に,身体・認知・心理機能を評価し,比較検討した。〔結果〕週3日,1回につき30分のウォーキングを12週間継続できた介入群25名の測定値は,介入後6分間歩行距離が延長し,主観的健康感,生活満足度,生きがい感といった心理面の向上が認められた。一方,その他の指標とした上下肢筋力や立位バランスなどの身体機能,および認知機能には有意差は認められなかった。なお,統制群29名におけるすべての測定値に有意差は認められなかった。〔結語〕ウォーキングによる運動介入は,地域在住高齢者の介護予防や健康増進に有用である可能性が示唆された。ただし,身体機能や認知機能を向上させるためには,本研究における介入の期間や頻度,および運動強度などの検討がさらに必要であることが明らかとなった。