著者
石塚 盈代 大菅 洋子 乗京 逸夫
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.96-102, 1991-05-20
被引用文献数
1

標準的な家庭を想定し,熱源として電気とプロパンガスを使用した調理を行った結果,調理熱機器の効率,室内環境及び料理の品質等について次のような評価が言える。1.調理熱機器の消費熱量 電気調理機器は消費熱量は少なく,効率は高く,調理に必要な熱量は十分に供給されている。特に煮物のように,弱火で長時間の加熱の料理は電気の調理熱機器が優れている。2.調理熱機器の調理温度 揚物で見られるように,温度は一定の範囲で調整されている。特に,電磁調理器が良好であった。3.室内環境の影響 ガスコンロは二酸化炭素及び窒素酸化物が増加し,使用する時は,十分な換気対策が必晨であり,室内環境に留意しなければならない。4.料理の品質 料理の外観、歯ざわり及び味は,調理熱機器による差は認められず,やや良いと言う評価であった。特に揚物については,電磁調理器はカラッとした揚げ上がりの軽い料理が出来た。また,揚げ油の品質変化は食品衛生の見地から安全であることが確認された。