著者
原田 澄子 深井 康子 守田 律子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.117, 2011

<B>目的</B>:平成21~23年度日本調理科学会の特別研究「調理文化の地域性と調理科学―行事食・儀礼食―」の一環として、行事食の認知度や喫食状況などを調査することにより、富山県の地域性と調理文化を把握し行事食の伝承状況を明らかにした。<BR><B>方法</B>:富山に在住する富山短期大学の学生277名およびその親159名を対象に全国統一様式の調査用紙を用いて行事食の調査を行った。<BR><B>結果および考察</B>:富山県は、東日本と西日本の接点に位置し、関東と関西の両方の食文化を受けている。認知度が高い年中行事は、学生その親ともに正月、節分、上巳、端午、七夕、土用、月見、冬至、クリスマス、大晦日であった。認知度も経験も少なかった行事は、学生その親ともに重陽の節句であった。親が多く学生が少なかった行事は、盂蘭盆、春祭り、秋祭りで逆に親が学生より少なかったのは七夕であった。正月の屠蘇は、親50%に対し、学生が8%と少なかった。雑煮はいずれもほとんど食べており、調味は「清まし」、もちは「角餅」、調理法は「焼かない」が多かった。赤飯は正月料理では食べる習慣が少なかった。月見団子は学生その親ともに食べていたが富山県では小芋を食べる習慣がなかった。<BR>
著者
深井 康子 守田 律子 原田 澄子 稗苗 智恵子 中根 一恵
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, 2018

【目的】富山県に伝承されている家庭料理のなかで、主菜の特徴を明らかにすることを目的とした。<br>【方法】平成26~29年度に県内の6地区(朝日町、黒部市、滑川市、富山市、射水市、氷見市)で60歳代~70歳代のとやま食の 匠・伝承の匠の認定者及び食生活改善普及員の女性6名を対象に、昭和30年~40年代から作られていた家庭料理について聞き書き調査を行った。調査した料理から主菜に分類されるものを抽出した。また富山県の食文化関連の書籍や文献等を参考に、上記以外の主菜を検索し、主菜の特徴をまとめた。<br>【結果】富山県の主菜は、四季を通じて食べられる豊富な魚料理が特徴である。富山湾は、温暖な対馬海流と立山連峰からの伏流水が流れ込むため、水温が1~2度と低く、海洋深層水が層をなしている。海底には魚の餌となるプランクトンが豊富にあるため、魚種が豊富である。3月~5月が旬の滑川漁港で水揚げされる「ホタルイカ」は刺身、酢味噌和えにした。4月から11月には新湊漁港で獲れる「白えび」は干したり、から揚げや大門素麺のだしのつゆに用いた。かき揚げで食べるようになったのは20年ほど前からである。通年漁獲される「バイガイ」は旨煮にして、日常や正月に食べた。県内全域では魚の保存と昆布のうま味を生かした昆布じめを作った。昆布に魚を挟んだ独特の昆布料理で先人の知恵により受け継がれてきた。県境に近い宮崎海岸では「すけそう鱈」でたら汁にした。「真鱈」は昆布じめにしたあと、味付けした真子を和えて子付けにして日常や正月に食した。鱈は干し鱈として長期保存し、棒鱈の甘煮にした。氷見漁港で獲れる「ぶり」は刺身、ぶり大根にした。日常によく食べる「いわし」は酢を入れて醤油で煮たり、すり潰してすりみにして味噌汁にした。大衆魚の「イカ」は刺身、イカの鉄砲焼き、里芋とイカの煮物にしてよく調理した。
著者
原田 澄子
出版者
富山短期大学
雑誌
富山短期大学紀要 (ISSN:13462261)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.63-69, 2005-03-01
被引用文献数
1

女子短大生 (352人) に環境を考えた食生活の意識と行動についてのアンケート調査を行った。1. 「行動している」項目は、「ゴミの分別をきちんとする」、「食器の汚れの少ないものから洗う」で、逆に「考えていない」項目は、「エコマーク商品を選ぶ」、「買い物袋を持参する」であった。2. 行動別の6分類からみると、ゴミの減量、調理行動は高く、消費行動は低かった。3. 環境問題を意識し実践されていた項目は、「ゴミの分別をきちんとする」、「生ゴミは充分水をきって量を減らして捨てる」「食器は汚れの少ないものから洗う」、「油汚れの少ないものから洗う」であった。