著者
林 純 柏木 征三郎 野村 秀幸 梶山 渉 池松 秀之 青山 俊雄 与儀 洋和
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.315-320, 1985-03-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
13
被引用文献数
1 or 2

B型肝炎ウイルスは家族内感染以外, 医療行為や性行為で伝播する事は良く知られているが, その他にHBsAg carrierが使用した歯ブラシやカミソリなどを介しての伝播の可能性も考えられている.著者らはcarrierとカミソリを共用したため, 劇症B型肝炎に罹患した1例を経験したので報告する.症例は沖縄県石垣市の中学校女子生徒 (14歳) で, 昭和58年1月HBsAg陽性の急性肝炎を発症し, その後意識障害の出現などから劇症B型肝炎と診断されたが, 血漿交換などにより治癒した.患者が通っていた中学校の全生徒341名のHBsAg陽性率は4.1%, anti-HBsは13.8%, anti-HBcは18.2%で, 当地区における一般住民の陽性率よりやや低い成績であった.この患者の感染経路を検討したところ, 発症2ヵ月前の修学旅行にて, 患者はHBsAg carrier (HBeAg陽性) の女生徒が美容のため下肢の剃毛に使用したカミソリをそのまま借用し, 同様に剃毛を行ったため感染したものと考えられた.HBsAg carrierへの対策として, 肝機能の面からだけでなく, 感染源としての指導, 教育を行う必要があると考えられた.
著者
望月 康弘 大久保 秀夫 秦 大資 吉田 晃 細木 義郎 神田 成夫 仁科 徳啓 秋山 真人 塩澤 寛治 林 道明 杉枝 正明 村上 正博
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.52-60, 1989-01-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
13
被引用文献数
0 or 1

昭和61年9月~62年7月の間に静岡県立総合病院小児科を受診した腹痛, 下痢患者499例について糞便中の病原細菌の検索を行い, 47例よりCampylobacter jejuniを分離した.下痢発症前の食事内容, 調理器具の取り扱いなどを調査し, 患児と同年齢で家族内に最近2週間以内に下痢症のない対照群と比較した結果, 患者群では生肉を取り扱う際のまな板, 包丁を必ず洗剤や石鹸で洗う割合が対照群よりも少なく, 有意差が認められた.同居者, ペット動物の保菌状態を調査し, 下痢患者の祖母1例, 父2例, 母5例, 同胞6例より本菌を分離したが, 家庭で飼育しているペット動物からは分離されなかった.鶏肉を調理したあと, 家族内で集団発生した例が3家族あり, うち2家族において, 患者が摂食した鶏肉が冷凍保存されており, C.jejuniが検出された.患者から分離された本菌の血清型は, Pennerの方法で2型が多く, 市販の鶏肉分離株との間に共通性がみられた.静岡市内の小学校で飼育されている動物について広範に調査し, 387のうち10検体 (2.6%) より本菌を分離した.追跡調査により通常は比較的速やかに菌の消失をみた.飼育環境の悪い例では, 150日以上排菌が続いていたが, 飼育担当者のなかに下痢を発症した者はなかった.これらのデータより, 静岡市のような我国の平均的都市部では, 本症の発症原因として, 家族内での人から人への感染やペット動物からの感染は比較的少なく家庭内で生の鶏肉を取り扱う際の, 調理器具や, 手指を介する他の食品の汚染が最も重要な危険因子であり, 調理者に対する衛生教育と鶏肉の細菌汚染防止対策についての研究を進める事が, 最も重要と思われた.
著者
平野 勝也 森 孝宏 奥村 雄三 林 純 野村 秀幸 宮永 修 吉松 博信 石橋 大海 柏木 征三郎 稲葉 頌一
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.388-392, 1988-04-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
14

27歳の健康な女性がB型肝炎ウイルスによる劇症肝炎を発症したが, 血漿交換を含む治療により救命し得た. 患者の過去3回の献血時の検査ではHBs抗原は陰性で, 輸血歴およびキャリアーの家族歴はないが, HBe抗原陽性のB型慢性肝炎患者の婚約者と発症2ヵ月前から親密な交際があったことから, 婚約者が感染源と考えられた.性行為に伴うB型急性肝炎の発症の報告はみられるが, 劇症肝炎の報告は稀であり, 将来も本例のような劇症肝炎の発症をみることが予想される. B型肝炎の予防対策の一環としてのキャリアーに対する教育上示唆に富む症例と思われたので報告する.
著者
小林 とよ子 渡辺 邦友 上野 一恵
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.66, no.12, pp.1639-1644, 1992-12-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
22

沖縄本島および南西諸島 (粟国島, 宮古島, 伊良部島, 多良間島, 石垣島, 小浜島, 西表島, 波照間島) の144地区における砂糖キビ畑を中心に採取した土壌290検体および黒砂糖の製糖工場において精糖工程から抜き取り採取した53検体についてボッリヌス菌と破傷風菌の分離を行った.ボッリヌスE型菌は沖縄本島の土壌135検体のうち, 北部地区の我地および安波と南部地区の豊見城の3ヵ所から検出された.ボッリヌスC型毒素は沖縄本島および粟国島, 伊良部島, 小浜島, 波照間島から証明されたが, 菌は分離されなかった.ボッリヌスA型菌は沖縄本島および南西諸島のいずれの土壌からも検出されなかった.破傷風菌の分布は地域により片寄りがみられ, 沖縄本島では北部より南部の方が高率に検出された.南西諸島では粟国島, 宮古島, 伊良部島, 多良間島, 西表島および波照間島の土壌から検出され, とくに伊良部島と多良間島では高率に検出された.黒砂糖工場における調査では, 波照間島の検体からボッリヌスC型毒素が証明された.破傷風菌は多良間島, 石垣島および小浜島の検体から検出された.しかし, 最終製品の黒砂糖からはボッリヌス菌, 破傷風菌は検出されなかった.
著者
海老沢 功 本間 れい子
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.701-707, 1985-07-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
6
被引用文献数
1 or 0

日本に於ける破傷風患者は減少し過去の疾患と考えられやすい. 日本の破傷風の実態を把握するために人口動態統計に基づく破傷風死亡率及び自験例を中心に破傷風致死率について検討した. 1947~1982年までの破傷風死亡総数は21,916人であり1947年の破傷風死亡率は人口10万対2.84であったが1955年に10万対0.98, 1982年に10万対0.02と著しく減少した. 新生児破傷風死亡率は1947年に生産児10万対36.1であったが1966年ごろより減少の速度をはやめ1979年には死者0となった. 破傷風死亡者の年齢別分布の推移をみると1955年ごろまでは新生児破傷風が40%以上をしめ次いで0~9歳の患者が20%近くをしめており若年患者が多く高齢者の割合が少なかった. 1966年ごろより著しく減少した新生児破傷風にかわって60歳以上の患者の増加がめだち破傷風患者の高齢化現象が認められた. この原因として施設内出生率の増加に伴う新生児破傷風の減少, DTP三種混合ワクチン普及による若年層患者の減少及び平均寿命の延びに伴う高齢患者の相対的増加等が考えられる. 自験例593人について破傷風の致死率の変遷を検討したところ1970年までは40%以上の患者が死亡したが1971年以後の致死率の低下はめざましく20%以下となった. 特にOnsettime48時間以内の重症例における1976年以後の致死率の低下が著しく, 集中治療の普及と進歩によるものと考えられた.
著者
友野 順章 城 裕之
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.613-618, 2008-11-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
15
被引用文献数
3 or 0

オセルタミビルはインフルエンザウイルスの増殖に関与するノイラミニダーゼを阻害する薬剤の一つであり, 罹病期間の短縮や肺炎などの合併症を予防することが知られている. 近年, 本薬剤の内服治療中に異常行動をおこすことが言われている. しかし異常行動が感染自体によるものであれば, 本薬剤が異常行動の発生を減少させる可能性が考えられる. 今回, 我々は本薬剤がインフルエンザ罹患時の異常行動の頻度を低下させるか検討した. 2006年12月から2007年3月までに異常行動を主訴に当院を受診しインフルエンザウイルス抗原迅速検査で陽性となった1歳以上の12例を異常行動群とし, 発熱を主訴に来院し異常行動を示さずウイルス抗原迅速検査で陽性となった1歳以上の335名を対照群とした. 平均年齢は異常群では825±322歳対照群では6.09±3.74歳と有意に異常行動群で高かった. (p=0.049). 両群問で, 性別, ウイルスタイプには有意な差は見られなかった. オセルタミビルは異常行動群では50.0%の患者が内服していたが, 対照群では779%が内服していた. (p=0.024) オセルタミビルはインフルエンザに伴う異常行動を抑制する可能性が示唆された.
著者
藤井 修照
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.64-69, 1986-01-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
8

1984年6月初めから2ヵ月の間に, 発熱を以って始まる特異な発疹性疾患103例を経験した.強い流行性を示し, 家族内伝播の傾向が著明であり, 殆んどが9歳以下の小児であったが, 患児の親にも感染は及んだ.材料の採取できた症例の90%にEchovirus type 16 (以下Echo 16と略す) が証明され, この疾患はBoston exanthemであると結論するに至った.本疾患は数日の発熱のあと, 特異な発疹が出現, 約1週間で消退し, 合併症もなく比較的軽症であるが, 類似する他の発疹性疾患との鑑別は比較的容易であると考えられる.Echo16の分離される頻度は極めて低いと云われるが, 今回観察された強い流行の原因についての解明が待たれる.
著者
齋藤 淑子 内藤 俊夫 久木野 純子 奥村 徹 関谷 栄 礒沼 弘 渡邉 一功 檀原 高 林田 康男
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.70-75, 2004-01-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
18
被引用文献数
1 or 0

We report a 32-year-old female with eating disorder whose body weight was only 20kg. She was admitted to the hospital with severe low nutrition, low proteinemia, liver dysfunction, hypokalemia and hypoglycemia. On the third hospital day, she had a high fever and Campylobacter fetus subsp. fetus (C. fetus) was isolated from the blood. After treatment with meropenem (1g/day) intravenous drip injection, her condition improved.C. fetus sepsis is not common disease in Japan. A review of 37 cases of this disease in Japan revealed that the age range of adult patients was 20 to 60 years old. The male-to-female ratio was 4.6 to 1.0. Seventy-eight percent of the patients had underlying diseases which were composed of 11 patients with liver disease, 6 patients with blood dyscrasia and some with diabetes mellitus, heart disease, other malignant tumor and collagen disease. There was no case with eating disorder. All apparent sources of infection in Japan originate from eating raw food. Gastrointestinal symptoms were observed in only 16% of the patients. Recent recommendations for the treatment of C. fetus sepsis are to use gentamicin, imipenem and meropenem. Some strains of C. fetus have resistance to erythromycin, ciprofloxacin. The mortality of this infection is 14% in Japan.
著者
川崎 幸彦 細矢 光亮 片寄 雅彦 鈴木 仁
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.104-109, 1999-02-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
19
被引用文献数
4 or 0

近年, 麻疹やRSウイルス (RSV) 感染症に対するビタミンA補充療法 (本療法) の有効性が報告されているが, 本邦のようにビタミンA欠乏が問題にならない国における本療法の治療効果に関する報告は少ない.今回, 私達は, 基礎疾患を有さず栄養状態の良好な麻疹患児108例とRSV感染症患児95例を臨床症状の重症度により中等症と重症の2群に分類し, 各群についてビタミンA投与群と非投与群で, その主要臨床症状の持続期間, 入院期間, 合併症の有無を比較検討した.ビタミンAは入院第1, 第2の両病日に各々10万単位を経口投与した.麻疹患児群ではビタミンA投与群において重症度にかかわらず咳噺の持続期間が有意に短縮したが, 発熱期問や入院期問および合併症の出現率に有意差はみられなかった.RSV患児では重症度においてビタミンA投与により陥没呼吸や瑞鳴の出現期間が短縮した.すなわち, ビタミンA補充療法は本邦における麻疹やRSV感染症において, 特に重症例ではその臨床症状を改善するものと考えられた.
著者
雨宮 一彦 田口 文章
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.177-182, 1994-02-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
13
被引用文献数
2 or 0

業務用に使用されているシャンプーとリンスの細菌汚染の実態を知ることを目的に, 無作為に抽出した理容店と美容店17施設から分与して貰った39検体の洗髪液について, 血液寒天培地を用いて, 細菌の分離試験を実施した. 原液を希釈して用いるシャンプーやリンス (希釈型, 21検体) と, ボトルから直接使用するもの (ポンプ型, 18検体) の細菌検出率は, 各々76.2%と33.3%であった. 細菌が検出されたシャンプーとリンス中の総細菌数は最少1.0×102CFU/mlから最大7.0 ×107CFU/mlであった. 分離菌は, Serratia marcescensが43.3%と最も多く, 他にEnterobacter aerogenes, Klebsiella pneumoniaeなどの腸内細菌とPseudomonas aeruginosaやPseudomonas cepacia などのブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌等日和見感染の原因となりうる細菌であった.<BR以上の結果は, 業務用シャンプーとリンスが細菌に汚染されている実態と, 洗髪剤の衛生的な取り扱いの必要性を明らかにした.
著者
荒木 和子 篠崎 立彦 入江 嘉子 宮澤 幸久
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.305-310, 1999-04-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
12
被引用文献数
1 or 0

Bifidobacterium breve YIT4064 (B.breve YIT4064) はマウスにおいて抗ロタウイルスIgA産生を増強し, ロタウイルス感染を防御することがすでに報告されている.今回は乳幼児にみられるロタウイルス感染に対する同菌体の防御効果の可能性について検討した.某乳児院内の乳幼児10例を投与群として, 1日1回, 50mg (菌数: 5×1010) のB.breve YIT4064を2日間連続投与し, 同室に在室していた乳幼児9例を対照群とした.試験期間中, 対照群の9例中2例からロタウイルスの排出が認められたが, 10例のビフィズス菌投与群からはロタウイルスの排出は認められなかった.試験期間を7日間ごとに4分割し, 両群のウイルス排出頻度とロタウイルス特異的IgA抗体陽性比率を比較した.その結果, days8~14において, 対照群のウイルス排出検体数は32検体中4検体であるのに比べ, 菌体投与群は38検体中0検体であった.ビフィズス菌投与群ではdays8~14において抗ロタウイルスIgA陽性例が増加しているのに対し, 対象群では調査期間を通じてIgA陽性数の有意な増加はみられなかった.以上のことからB. breve YIT4064の投与によりIgA抗体産生が増強され, ロタウイルスの排出頻度が有意に減少したと考えられた.
著者
寺田 喜平 尾内 一信 庵原 俊昭 岡田 賢司 沼崎 啓
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, pp.414-418, 2008-09-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
6

麻疹・風疹混合 (MR) ワクチン2回接種における安全性と有効性について検証を行った. 対象は約5年前1歳で接種したMRワクチン (ミールビック, 財団法人阪大微生物病研究会) 治験対象者うち了解の得られた75名であった. 方法は追加接種前後に採血して抗体価の変動を調べ, 接種後28日間の健康状態観察表から有害事象を調査した. その結果, 重症な有害事象は認められなかった. また発熱の頻度は1回目の接種時より有意に (p<0.05) 27.3%から14.9%, 発疹の頻度も122%から6.8%に減少したが有意差はなかった.接種部位の発赤や腫脹は, それぞれ7.3%から10.8%, 29%から&1%に増加したが, 有意差はなかった.有効性において, 追加接種前後で麻疹NT抗体 (2n) の平均±標準偏差は5.5±12から64±1.0に増加し, p<0.0001の有意差があった. 風疹HI抗体 (2n) の平均±標準偏差は4.5±1.3から6.3±0.9に増加し, 統計学的にはp<0.0001の有意差があった. 2回目接種後麻疹抗体はNT法およびEIA法で, 風疹抗体はHI法ですべて陽性となった. 接種後平均で2管以上の有意な増加を認めた接種前抗体価は, 麻疹NT抗体8倍以下, 風疹HI抗体16倍以下であった. 以上より, MRワクチン2回接種は安全で有効な方法と考えられた.
著者
山下 裕之 上田 洋 高橋 裕子 三森 明夫
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.306-309, 2012-05-20 (Released:2013-04-12)
参考文献数
17
被引用文献数
2 or 1

The patient was a 74-year old male who presented with a skin rash, cough, and impaired consciousness. Adiffuse, systemic, dark red rash was observed and he was admitted. Varicella infection was diagnosed based on the varicella-zoster virus (VZV)-IgM levels. The extremely high VZV- IgG levels observed were unlikely to be present inaninitial infection and the infection was thought to be a reoccurrence. Diffuse nodular shadows measuring ≤5mm indiameter were observed on chest computed tomography (CT) ; this was consistent with the typical imaging findings of varicella pneumonia. The cerebrospinal fluid (CSF) was positive for CSF VZV-IgM antibody, CSF VZV-PCR, and CSF antibody titer index. A diagnosisofvaricella meningitis was made. When both respiratory and neurological symptoms are observed inpatients with varicella infection, it is necessary to consider a combined diagnosis of varicella pneumonia and varicella meningitis/encephalitis and perform chest imaging and a CSF examination. Repeated asymptomaticre-infection isconsidered necessary in order to maintaina life long immunity to varicella ; however, the opportunities for asymptomaticre-infection are decreasing with the declining birth rate and trend toward small families. As a result, reoccurrences of varicella infection in the elderly are expected to increase with rapidlyincreasing longevity.
著者
福山 正文 今川 八束 原 元宣 田淵 清 伊藤 武 尾畑 浩魅 甲斐 明美
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.508-512, 1994-04-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
22

ヒトのVero毒素産生性大腸菌 (VTEC) 感染症に対する感染源や感染経路を究明する一環として, 1991年10月から1992年3月までの期間に相模原市, 横浜市および平塚市で飼育されていた健康な家畜 (ウシ, ブタおよびヤギ) の新鮮糞便を採取し, VTECの分離を試みたところ, ブタ105例中1例 (1.0%), ウシ55例中2例 (3.6%) およびヤギ13例中12例 (15.4%) からそれぞれVTECが認められた.特にヤギについてはわが国では初めての分離例であった.分離菌株の血清型と毒素 (VT) 型の組合わせはウシ由来株ではO116: H21 (VT2) とO163: H19 (VT2), ブタ由来株ではOUT: H19 (VT2vp), ヤギ由来株ではすべてOUT: H21 (VT1) であった.以上の成績からウシおよびヤギから分離されたVTECは, ヒト由来のVTECが産生するVTと同じ毒素型のVTを産生していることが明らかとなり, これらの家畜がヒトの感染源に関与していることが考えられた.
著者
岩田 敏
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.903-920, 1984-09-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
19
被引用文献数
21 or 0

抗生剤投与中の出血傾向は重要な副作用の一つであるが, 特に最近では, 新しいCephem系薬剤の使用に伴い問題視されている. そこで, 抗生剤投与中の小児について, ビタミンK欠乏の際特異的に出現する異常プロトロンビンであるProtein induced by vitamin K absence or antagonist (PIVKA II) を主な指標として血液凝固系の変動を調べ, 腸内細菌叢, 経口的食餌摂取, 下痢との関係, 及び抗生剤別, 年齢別, 疾患別の差異について検討した. その結果160例中37例 (23%) がPIVKAII陽性を呈した. このうち2/3以上の症例は. 抗生剤の投与開始後7日以内に陽性化した. 出血傾向は160例中11例 (7%) に認められ, 全例でPIVKAIIは陽性を呈した. 腸内細菌叢の変動は124例について検討したが, 腸内細菌叢が抑制された83例のうち, 23例 (28%) がPIVKAII陽性を呈し, さらに経口的食餌摂取量の減少が重なった23例については15例 (65%) が陽性を示して, 腸内細菌叢の抑制と経口的食餌摂取の不足により, 高率にビタミンK欠乏を生ずる可能性が示唆された. 年齢別の検討では, 乳児例においてPIVKAII陽性例が少なかった. 疾患別のPIVKAII陽性率は, 敗血症, 胎内感染, 中枢神経感染症例で高く, 尿路感染症例で低い傾向が認められた. 抗生剤別の検討では, LMOX, CMZ, CPZ等の3位に1-methyl-1-H-tetzazole-5-y1-thiomethyl基を有するCephem系薬剤にPIVKAII陽性例が多く認められ, この基とビタミンK依存性凝固因子の関係について, 今後検討の必要があると考えられる.以上より, 腸内細菌叢に大きな影響を及ぼす広域抗生剤, 特に新しいCephem系薬剤のような抗生剤を投与する際には, PIVKAIIも含めた血液凝固系の注意深い観察が必要であり, 新生児や経口的食餌摂取の不足している症例など, 症例によってはビタミンKの予防投与が必要である.
著者
増井 幸雄 板橋 愛宜 石井 暁 伴 文彦 井上 栄
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.81, no.6, pp.707-713, 2007-11-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
25
被引用文献数
1 or 0

Epstein-Barrウイルスのカプシド抗原 (VCA) に対するIgM抗体検査は, 主として伝染性単核症の病原診断に使われている.本論文では, 1999~2006年の8年間に全国の医療機関から1臨床検査会社に間接蛍光抗体法によるVCA-IgM抗体検査の依頼があった約18万件の血清検体の検査結果を集計・解析した. 集計結果は, IgM抗体陽性数の年齢分布は2峰性 (乳幼児期および青年期) を示した. 年齢により男女差があり, 乳幼児では男性が多く, 青年では女性が多かった. IgM抗体陽性数の月別変動を見ると, 青年層で春から秋にかけて増加が認められた. この検査室データは, 国内の青年層において伝染性単核症が発生していることを示唆している. 今後, 乳幼児期より症状が重い青年層での同症発生の実態を知るための疫学調査が必要であろう.
著者
那須 美行 野坂 嘉友 大塚 喜人 敦賀 俊彦 中島 道子 渡辺 泰宏 神 雅彦
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.77, no.10, pp.844-848, 2003-10-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
11
被引用文献数
3 or 0

We report a case of Paenibacillus polymyxa bacteremia in a patient with cerebral infarction. The patient was a 93-year-old female who was admitted to our hospital. On the 4 day after admitted, she had a fever 38.2°C. The result of the blood culture showed a gram positive spore bacillus in the blood culture bottle. As a result of performing 16SrDNA sequence analysis (500bp), it was a close relationship most by 99.26% P. polymlxa of coincidence was found. With a result using api 20E and api 50CH, this bacillus turned out to be P. polymyxa.The patient had a habit of weeding around her house daily. So we had to take her habit into consideration. We thought she could to get her hands injured. We assumed probably her habit might put her into high risk state of infection of this bacillus. We have supposed this bacillus might be infected with her through her blood.
著者
廣田 良夫 加地 正郎
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.1293-1305, 1994-11-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
31
被引用文献数
1 or 0

欧米ではハイリスク者 (老齢者を含む) に対するインフルエンザ予防接種を積極的に推進する方向にあるが, 我が国では予防接種への対応は消極的であり, 効果そのものを否定する見解もある. そこで, ワクチン有効性の評価を中心に疫学研究手法を考察した.1. インフルエンザ流行は時間と場所によって異なるので, 地域が異なる多施設の調査結果をプールして解析する時には注意を要する.2. 対象集団中で観察した急性呼吸器疾患の集団発生が, インフルエンザウイルスによるものかどうかを, まず議論せねぼならない.3. 接種・非接種の群間で差を検出できない最大の理由に, 非インフルエンザによる結果の希釈があげられる. 罹患調査に当たっては, (1) 観察期間を最流行期間に限定する, (2) strictcriteriaを適用する, (3) 流行規模が比較的大きなシーズンに実施する, の3項目が重要である.4. 自然感染により既に十分な抗体価を有する者の影響を考慮するためには, antibody efficacyを求める方法がある.今後は, インフルエンザと関連する個人の特性を明らかにして, バイアスや交絡などについても検討を深める必要がある.