著者
長内 厚 土屋 裕太郎 大野 貴弘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.401-408, 2023 (Released:2023-05-01)
参考文献数
34

従来のユーザ・イノベーションは,ユーザの情報発信力は限定され,個別のユーザの情報は企業が集約して拾い集めることを前提として,ユーザを巻き込みながらも,製品や製品に関する情報は企業が統制し,市場に提供するという形態であった.しかし,ソーシャルメディアが個人の発信力を強化し,ユーチューバーが職業として成立するように個人の発信が収益化を伴うビジネスになると,製品情報の統制は企業の専有物ではなくなり,企業のコントロールの効かないところで個人が発信し,個人が発信した情報が収益化に結びつく状況になっている.ソーシャルメディアの普及に伴い,ユーザ・イノベーションは必ずしも企業の収益に結びつくとは限らず,ユーザ・イノベーションが企業の利害と対立する状況があるのではないかということが,本研究の大きな問いである.この問いを検討するため,ロバート・インの個別事例研究法を用い,資生堂とアルビオンの化粧品開発事例の定性分析から探索的な問いを求めた.
著者
金井 圭介 大野 貴弘 石塚宏紀 伊藤花乃子 澤 義和 三尋木織 戸辺 義人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.141-148, 2008-02-27

生活を支援するという点で一番身近であることからオフィス,ホームがユビキタスコンピューティングの対象として取り上げられることが多かった.今後は,生活空間の延長である都市全体をすっぽりと包んで,屋内と屋外とがシームレスにユビキタスコンピューティングで自由に行き来できる世界を構築したいと我々は考える.それに伴い,コンピュータで処理できる情報を取得する過程で必要とされるセンシングも,都市全体をカバーする領域へと拡大する.我々はこれをアーバンセンシングと呼ぶ.本稿では,アーバンセンシングの第一歩となる取組みについて述べる.Offices and Homes have been a main target for ubiquitous computing because these are the closest to our daily lives. We hope to construct a world of ubiquitous computing in the city in such a way that we can move back and forth between indoor and outdoor seamlessly. To achieve that goal, we need to extend sensing to the whole area of a city, which is referred to as urban sensing. In this paper we describe the first step towards urban sensing.