著者
奥島 雄一
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.185-196, 2018-09-25 (Released:2019-10-10)
参考文献数
5

倉敷市立自然史博物館では,昆虫に強い興味を持つ小学5年生~高校生を対象とした教育普及プログラム「むしむし探検隊」を始めて17年になる.昆虫に対する興味を継続し,深めてもらい,将来,昆虫学を通じて社会に貢献できる人材の育成につなげることを目的としている.隊員は,1年間を通じて同じメンバーで活動し,野外探検(昆虫採集),飼育・観察や標本作製,雑誌への投稿,博物館での展示・普及行事への参加・発表会といった一連の体験を通して,同志たちと交流を深めつつ,昆虫に関する知識と技術を学ぶ.野外探検に保護者は同伴せず,隊長を務める昆虫担当学芸員とボランティアスタッフが同行する.これまでに総計83名が参加し,参加者の半数以上が2年以上隊員を継続している.高校生時に在籍した隊員は15名おり,その内の12名が生物系または環境系の大学へ進学している.さらに,内6名は社会人となった現在も仕事やアマチュア研究者として昆虫との関わりを継続している.
著者
山内 健生 高野 愛 坂田 明子 馬場 俊一 奥島 雄一 川端 寛樹 安藤 秀二
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.15-21, 2010-05-25 (Released:2010-06-25)
参考文献数
20
被引用文献数
1 3

タカサゴキララマダニ人体刺症の5例を記録した.感染地域は,兵庫県,岡山県,山口県,福岡県,および宮崎県であった.本報告で,タカサゴキララマダニ人体刺症が岡山県で初めて記録された.マダニが保有する可能性がある病原体についてDNA検索を行なったが,ボレリア,エーリキア,アナプラズマ,リケッチアのすべてが検出限界以下であった.
著者
奥島 雄一 岩田 泰幸
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲. ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.264-274, 2012-10-05

筆者らは,害虫防除業者によって駆除されたスズメバチの巣を用いて,自然史博物館の普及イベントの中でハチの巣の解体ショーを実施した.博物館と防除業者が連帯することによって,イベントを円滑に実施することができた.双方の連帯によって,博物館としては,一般市民の興味の高い素材の入手経路を確保できる点,防除業者としては廃棄物の有効的な利用法と啓蒙活動への参画となる点でメリットがある.イベントの実施は,大型の巣が入手しやすくなる9月以降に企画するのが理想的であり,計画的に確保しておく必要がある.また,自然史博物館におけるスズメバチ駆除虫のその他の活用事例も紹介した.