- 著者
-
奥田 秀宇
- 出版者
- The Japanese Group Dynamics Association
- 雑誌
- 実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.1, pp.11-20, 1993-07-20 (Released:2010-06-04)
- 参考文献数
- 32
- 被引用文献数
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本研究は, 態度の類似性と対人魅力の関係が, 態度の重要性によって影響を受けるかという点に関して検討した。従来の研究によれば, 重要態度と非重要態度の類似度が異なる場合にのみ重要性の効果が生じ, それ以外の場合には態度の重要性は類似性と魅力の関係に影響を及ぼさないことが知られている。その理由として, 仮想類似性が対人魅力を媒介することが考えられる。男女大学生148名 (実験1) および女子看護学生68名 (実験2) は, 重要態度および非重要態度の類似・非類似な他者に対する対人魅力と仮想類似性について回答した。その結果, 対人魅力は重要類似条件において最も高く, 非重要類似条件において最も低かった。重要態度のみの条件と非重要態度のみの条件では対人魅力に差はなかった。同様の結果は, 仮想類似性についても得られた。しかし, 仮想類似性が対人魅力を媒介するという仮説は支持されなかった。