- 著者
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好川 聡
- 出版者
- 岐阜大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2015-04-01
本研究では、これまでの研究成果―中唐の異文化認識―を発展させて、唐代の異文化認識の全容を解明することを目指した。まず、初唐の詩人が、南方独特の風土に関心を示した詩を作りはじめ、盛唐になると杜甫によって、南方異民族の風俗にも着目した詩が数多く作られるようになり、それが中唐へと受け継がれていく流れを明らかにした。また、中唐の韓愈は、最初の左遷で異文化認識が変化したことが、二度目の左遷に際して、左遷の悲哀を克服するのに大きな役割を果たしたことを考察した。