著者
宇仁 義和 櫻木 晋一 岸本 充弘 田島 佳也 谷本 晃久 石川 創
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

日本の近代捕鯨の沿岸時代について、東洋捕鯨の社内文書や株主総会資料、同時代の写真などから明らかにした。国内の事業場と捕鯨船の8割を得た東洋捕鯨は、黄海と千島に事業場を新設し事業を拡大し、事業場の一体運用や役割分担が見られ、人員と捕鯨船を通年で効率的に運用したことが史料的に裏付けられた。捕鯨船によっては年度内に台湾から北海道の網走、黄海へと回航していた。ノルウェー人砲手の着業は1930年代初めに終わり、その割合は朝鮮では高く、本州や北海道では低くかった。シロナガスクジラとナガスクジラの呼称は、東洋捕鯨の社内名称が定着したものである。
著者
宇仁 義和 岡部 孝大 今井 康貴
出版者
日本セトロジー研究会
雑誌
日本セトロジー研究 (ISSN:18813445)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.23-25, 2014 (Released:2019-12-04)

2013年7月5日、知床半島西側の岸近くでセミクジラが観察された(北緯44度15分、東経145度12分)。これは1968年サハリン島南沖で日本が調査捕獲して以来、初めてとなるオホーツク海南部での確実な観察記録である。
著者
宇仁 義和
出版者
日本セトロジー研究会
雑誌
日本セトロジー研究 (ISSN:18813445)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.9-16, 2017 (Released:2019-12-04)

1900年前後にヘンリク・メルソムが撮影した極東のガラスネガ50枚余りがノルウェーの博物館に保存されていた。これらのなかから、朝鮮半島沿岸の捕鯨に関連する写真13枚について、撮影地や被写体を調べて比定した。写真には、蔚山の長生浦捕鯨事業場や長箭湾と金剛山、ロシア太平洋漁業会社の捕鯨船ギヨルギー号と乗組員や長崎捕鯨に傭船されたメイン号、長崎の世界文化遺産の小菅修船場などが含まれていた。20世紀初頭の朝鮮半島沿岸の捕鯨に関した写真はめずらしく、良好な画質はとくに貴重である。