著者
宇田川 元一
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.15-28, 2015-12-20 (Released:2016-06-29)
参考文献数
72
被引用文献数
1

本研究の目的は,1980年前後に登場した社会構成主義に基づく組織論研究が,初期の研究からどのように現代の研究へとつながっていったのかを明らかにすることにある.WeickとMorganの研究を初期の代表的な研究として,Batesonの理論からその意義を考察し,その課題点として流転・連鎖・媒介のパースペクティヴを示す.その上で,現代の研究を4つ取り上げ,それらにおいてこの3つのパースペクティヴが加わって展開されていることが明らかになった.
著者
宇田川 元一 黒澤 壮史 佐々木 将人
出版者
埼玉大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究はナラティヴ・アプローチの視点を応用し、イノベーション・プロセスに対して新たな視座を提供し、その解明に寄与することにある。ナラティヴ・アプローチとは、語りに媒介されて現実が生成する過程を描き出す研究視座である。この知見は、医療や臨床心理の領域において展開されている。本研究を通じて、イノベーション・プロセスは、語りに媒介されていることが明らかになると同時に、媒介されることを通じて、次のプロセスがまた生成してくるというイノベーション・プロセスの連鎖的な過程が明らかになった。