著者
半田 宏 伊藤 拓水 安藤 秀樹
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.134-140, 2014-07-10 (Released:2014-11-10)
参考文献数
9

Half a century ago, the sedative thalidomide caused one of the worst notorious drug disasters in history, with more than 10,000 babies born with deformities. The drug is now used in the treatment of multiple myeloma. Recently new thalidomide derivatives called immunomodulatory drugs (IMiDs) have been developed. Among them, lenalidomide and pomalidomide have excellent anti-cancer activity. However, the use of them is limited due to its potent teratogenic activity. The mechanism by which IMiDs including thalidomide induce birth defects and therapeutic effects was a long-standing question. Using an affinity beads technology we originally developed, we have identified cereblon(CRBN)as a primary target of IMiDs. CRBN forms an E3 ubiquitin ligase complex. IMiDs alter the activity and induce various biological effects such as teratogenicity, anti-cancer and immunomodulation.Understanding IMiDs and CRBN may lead to uncover new therapeutic pathways for overcoming refractory cancer diseases.
著者
伊藤 拓水 安藤 秀樹 半田 宏
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.819-824, 2011-12-01 (Released:2012-12-01)
参考文献数
31

およそ半世紀前に鎮静剤として開発されたサリドマイドは,1960年代始めに催奇性が発覚し,一度,市場からの撤退を余儀なくされた.しかし,ハンセン病や血液癌の一種である多発性骨髄腫といった難病に対して著しい効果を有することから再び脚光を浴び,現在は厳しい統制を受けながらも,その処方が認可されている.このようにサリドマイドは,半世紀以上の歴史を有するきわめてよく知られた薬剤であるが,その催奇性メカニズムは長い間不明であった.最近になり,磁性ナノ微粒子(半田ビーズ)を用いたアフィニティ精製により,サリドマイド催奇性における主要な標的因子であるセレブロン(cereblon,CRBN)が単離・同定され,その分子機構が解明された.
著者
伊藤 拓水 安藤 秀樹 半田 宏
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.819-824, 2011

およそ半世紀前に鎮静剤として開発されたサリドマイドは,1960年代始めに催奇性が発覚し,一度,市場からの撤退を余儀なくされた.しかし,ハンセン病や血液癌の一種である多発性骨髄腫といった難病に対して著しい効果を有することから再び脚光を浴び,現在は厳しい統制を受けながらも,その処方が認可されている.このようにサリドマイドは,半世紀以上の歴史を有するきわめてよく知られた薬剤であるが,その催奇性メカニズムは長い間不明であった.最近になり,磁性ナノ微粒子(半田ビーズ)を用いたアフィニティ精製により,サリドマイド催奇性における主要な標的因子であるセレブロン(cereblon,CRBN)が単離・同定され,その分子機構が解明された.
著者
鹿志村 芳範 安藤 秀樹
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.19-26, 1995 (Released:2010-02-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1
著者
稲垣 貴範 塩谷 亮太 安藤 秀樹
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.388, pp.37-45, 2012-01-19

データ・プリフェッチを実現する方法の1つに命令の先行実行がある.過去に我々は,単一スレッド環境で命令の先行実行を実現する手法として仮想リオーダ・バッファ(VROB:virtual reorder buffer)方式を提案した.この手法を用いれば,多くのロード命令のレイテンシが短縮され,大きな性能向上を達成できることを示した.しかし,VROB方式ではプロセッサ内に多くの先行実行命令を保持する必要があるため,素朴な実装では重要な資源(リオーダ・バッファ,レジスタ・ファイル,発行キュー,ロード/ストア・キュー(LSQ:load/store queue))のサイズを大きくする必要があり,クロック・サイクル時間に悪影響を与える.過去の研究では,この問題について,LSQ以外では解決されていたが,LSQだけは解決されていなかった.本論文では,先行実行ロードに対するin-flightストアへの依存を無視することにより,先行実行のために必要であったLSQを削除し,クロック・サイクル時間への悪影響を除去することを提案する.メモリ・インテンシブなプログラムが多いSPECfp2000ベンチマークを用いて評価を行った結果,十分に大きなLSQを持ち,正しく依存を守る場合に比べ,性能低下をわずか1%に抑えられることがわかった.情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC). v.2012-ARC-198, n.9. 2012, p.1-9 (c)情報処理学会
著者
有松 優 塩谷 亮太 安藤 秀樹
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.388, pp.47-53, 2012-01-19

発行キューを拡大することは,命令レベル並列(ILP:instruction-level parallelism)の利用において重要である.しかし,大きな発行キューは電力を多く消費するという問題があり,また,拡大に対する性能向上率はしだいに低減する.よって,単純な拡大は電力効率が悪い.本論文では,大きな発行キューが必要となるL1データ・キャッシュ・ミス時に拡大を行うことでペナルティを隠蔽し,高いIPCを達成しつつ、一方で,そのようなイベントがない定常状態では電力効率を重視し,可能なだけ発行キューの縮小を行う動的リサイジング手法を提案する.SPEC2000ベンチマークを用い本手法の評価を行った結果,128エントリの発行キューを持つプロセッサに対し,SPECint2000では,約0.3〜1.5%の性能低下で,約50〜67%の発行キュー・サイズの削減率を,SPECfp2000では,約3〜7%の性能低下で,約50〜65%の発行キュー・サイズの削減を達成した.情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC). v.2012-ARC-198, n.10. 2012, p.1-7 (c)情報処理学会
著者
小林 良太郎 小川 行宏 岩田 充晃 安藤 秀樹 島田 俊夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.349-366, 2001-02-15
参考文献数
25
被引用文献数
7

近年のマイクロプロセッサは,スーパスカラ・アーキテクチャにより,より多くの命令レベル並列(ILP: Instruction-Level Parallelism)をプログラムより引き出し高性能化を図ってきた.しかし,この方法は,スーパスカラ・プロセッサが引き出すことのできる命令レベル並列の限界や,ハードウェアの複雑さの増加により,限界が見え始めてきた.これを解決する1つの方法は,ILPに加えスレッド・レベル並列(TLP: Thread-Level Parallelism)を利用することである.本論文では,レジスタ値の同期/通信機能を備え,複数のスレッドを並列に実行するSKYと呼ぶマルチプロセッサ・アーキテクチャを提案する.SKYは,非数値計算応用で高い性能を達成することを目的としている.このためには,細粒度のTLPを低オーバヘッドで利用することが要求され,SKYでは,命令ウィンドウ・ベースの同期/通信機構と呼ぶ機構を新たに導入した.この機構は,従来のレジスタ・ベースの同期/通信機構と異なり,受信待ちの命令に後続する命令の実行を可能にするノンブロッキング同期を実現している.これにより,TLPとILPを同時に最大限利用することを可能とする.SPECint95を用いた評価により,8命令発行の2つのスーパスカラ・プロセッサにより構成したSKYは,16命令発行のスーパスカラ・プロセッサに対して,最大46.1%,平均21.8%の高い性能を達成できることを確認した.Current microprocessors have improved performance by exploiting more amount of instruction-level parallelism (ILP) from a program through superscalar architectures.This approach, however,is reaching its limit because of the limited ILP available to superscalar processors and the growth of their hardware complexity.Another approach that solves those problems is to exploit thread-level parallelism (TLP) in addition to ILP.This paper proposes a multiprocessor architecture, called SKY,which executes multiple threads in parallel with a register-value communication and synchronization mechanism.The objective of SKY is to achieve high performance in non-numerical applications.For this purpose, it is required to exploit fine-grain TLP with low overhead.To meet this requirement,SKY introduces an instruction-window-based communication and synchronization mechanism.This mechanism allows subsequent instructions to waiting instructions for receiving registers to be executed unlike previously proposed register-based mechanisms.This capability enables fully exploiting both TLP and ILP.The evaluation results show that SKY with two eight-issue superscalar processors achieves a speedup of up to 46.1% or an average of 21.8% over a 16-issue superscalar processor.
著者
地代 康政 出岡 宏二郎 塩谷 亮太 安藤 秀樹
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2016-ARC-219, no.14, pp.1-6, 2016-03-17

特性の異なる複数の実行系を単一コア内にそなえ,それらを使い分けることによってエネルギー効率を向上させる Tightly-Coupled Heterogeneous Cores(TCHCs) が提案されている.TCHCs の一つであるコンポジット・コアでは,インオーダとアウト・オブ・オーダのバックエンドを備えており,両者を切り替えて使用する.しかしコンポジット・コアはバックエンド切り替えペナルティや切り替えアルゴリズムの問題により,十分に消費エネルギーを削減できていない.この問題を解決するため,本研究では我々が提案してきた TCHC である Front-end Execution Architecture(FXA) をベースとして,低消費電力な実行モードを追加した Dual-Mode Front-end Execution Architecture(DM-FXA) と,そのためのモード切り替えアルゴリズムを提案する.提案手法を評価した結果,通常のアウト・オブ・オーダ・スーパスカラ・プロセッサと比較して 96.8%の性能を維持しつつ,平均 38.8%のエネルギー削減を達成した.