著者
松川 寛二 定本 朋子 梁 楠 中本 智子 加島 絵里
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

日常生活で行う軽度~中程度の随意運動でみられる心循環調節にとって,運動筋受容器反射よりも高次中枢から発するセントラルコマンド(central command)によるfeedforward制御が重要である。特に,屈曲運動において,このcentral commandによる心循環調節は強く現れる。一方,覚醒状態のヒトや動物では,筋機械受容器反射および筋代謝受容器反射は抑制されている。睡眠あるいは麻酔に伴って生じる高次中枢活動の低下は筋機械受容器反射および筋代謝受容器反射を促通し,この筋機械受容器反射の修飾には脳内5-HT1A受容体が関わる。
著者
定本 朋子
出版者
奈良女子大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

【目的】日常生活における食事の中には、嗜好品としてコーヒーや紅茶のようにカフェインを含む食物がたくさんあり、スポーツ選手も容易にカフェインを摂取するこができる。しかし、カフェインは運動中の糖質および脂質代謝を変動させ、持久性種目の持続時間を延長させるというドーピング作用を持つことが知られてきている。さらに、カフェインが中枢神経を覚醒させることから、中枢神経の興奮水準の相違により大きくパフォーマンスが変わる、重量上げなどにおける力発揮にもドーピング作用を持つのではないのかと注目されてきている。本研究の第1の目的は、種々の強度の力を繰り返し発揮させた際におけるカフェイン摂取が力発揮に与える影響について検討し、力発揮に及ぼすカフェインの影響が交感神経活動を代表する心拍数及び動脈血圧にみられるカフェイン摂取に伴う変動とどのように対応するのかについて検討することである。さらに、筋交感神経活動を実際に計測し対応関係を明きらかにすることを第2の実験目的とした(しかし、数名の被験者について筋交感神経活動を記録したが、プリアンプの性能に問題があり、ノイズの混入を回避できなかった。このため、再現性のある信頼できるデータの収集ができなかったので、第2の実験結果については省略する)。【方法】健康な成人女子15名を被験者とし、静的握力発揮による随意最大筋力(MVC)を測定し、その25%、50%、75%、100%MVCに相当する握力を被験者の主観的感覚尺度により分けて出力させる。4段階の握力を5分間にわたり20秒間隔で8回繰り返し発揮させた。このような力発揮を同一被験者にたいし、体重あたり6mgのカフェインをコーヒーとして摂取した場合とカフェインを含まないコーヒーを摂取した場合とにおいて繰り返し実験を行った。【結果】(1)100%MVCのように高い張力の発揮時には、カフェインの摂取により発揮される握力が有意に増大することが示された。(2)繰り返し発揮される力の減衰を見てみると、カフェイン摂取時の握力が摂取しない時よりも高い(疲労し易い)にも拘らず、摂取しない条件よりも常に高い力が維持できることが示された。カフェインの摂取は疲労感を軽減するのではないかと推察された。(3)(1)の結果にみられる握力の増大と、カフェイン摂取にともなう心拍数と動脈血圧の上昇との間には正の相関が示された。