- 著者
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宮原 義雄
- 出版者
- 日本応用動物昆虫学会
- 雑誌
- 日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.1, pp.21-27, 1990-02-25 (Released:2009-02-12)
- 参考文献数
- 22
- 被引用文献数
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コブノメイガ,シロオビノメイガについて,寄主植物の生育しない海岸植生上に休止する成虫を,捕虫網で採集し,雌雄別個体数と雌成虫は交尾率を調べた。両種とも夏秋季を通じて採集され,採集虫の性比は,雌雄の偏りはなく,交尾率はコブノメイガ8.0∼20.9%,シロオビノメイガ9.4∼19.6%と低く,卵巣未発育で,かつ,翅の傷みの少ない個体で占められた。両種成虫は日没後半時間で飛び立ち,翌日になると,再び同じ場所に休止する成虫がみられ,移動中の一時的着地と考えられた。次に,シロオビノメイガについて,寄主植物の豊富な畑地内で同様に調べた。野生寄主イヌビユ上の成虫は,採集日により交尾率が著しく変動したが,イネ科雑草上の成虫は,秋季を通じ81.5%の高い交尾率で産卵中の個体群と考えられた。これら移動行動にみられる共通した特徴から,シロオビノメイガもコブノメイガ同様,移動性昆虫と考えられた。