著者
宮川 清
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.25-30, 1990-06-30 (Released:2017-10-20)
著者
笹野 仲史 榎本 敦 細井 義夫 白石 憲史郎 宮川 清 勝村 庸介 中川 恵一
出版者
一般社団法人 日本放射線影響学会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集 日本放射線影響学会第50回大会
巻号頁・発行日
pp.233, 2007 (Released:2007-10-20)

エダラボン(商品名:ラジカット)はフリーラジカルスカベンジャーとして知られており、脳梗塞の治療薬として臨床的に広く使われている薬剤である。今回の我々の実験では、エダラボンの放射線照射後のMOLT-4細胞のアポトーシスに与える影響をin vitroで研究した。アポトーシスについては、色素排除試験、Annexin_V_-PI染色、caspaseの分割により解析した。エダラボンにより、X線照射によるアポトーシスが有意に抑制されることが分かった。細胞内フリーラジカルをCM-H2-DCFDAにより、解析した。細胞内フリーラジカルの産生量は、照射によりほぼ完全に抑制されていることが分かった。p53の蓄積、リン酸化およびp21WAF1の発現は、エダラボンにより抑制されていることが分かった。以上より、フリーラジカルスカベンジャーのエダラボンは、p53経路の抑制を介して、MOLT-4の照射によるアポトーシスを抑制していることが分かった。
著者
芳原 敬士 宮川 清
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.282-285, 2004-09

DNA損傷に対し,相同組換え修復においてRad51と協調しているRad51 paralogの1つであるXRCC3の機能解析を行った. 遺伝子ターゲティングによりヒト大腸癌細胞(HCT116)からXRCC3遺伝子欠損細胞を作製し,作製したXRCC3欠損細胞に,野生型XRCC3 cDNA,および乳癌や膀胱癌などの発症リスクに関与することが報告されている遺伝子多型(T241M)を有するXRCC3 cDNAを発現することによって相補性実験を行った. その結果,XRCC3は,Rad51依存性の相同組換え修復に重要な役割を果たすとともに,DNA複製にかかわるRPAの機能を制御することによって複製の開始点をも調節していることを証明した. 更に遺伝子多型は,修復能は正常であるが複製調節能には異常をきたしていることも明らかになった. これらは,相同組換え修復はDNA複製機構と密接に連関し,その異常は発癌のリスクに関与する可能性を示唆するものと考えた. この実験は被爆者に置き換えると,被爆後のDNA障害に対する細胞内応答現象の1つを説明する事が出来るモデルであり,原爆後遺症としての発癌に関係する染色体不安定性の分子機構の1つとして考えられた. ノックアウトの作製は従来はCHOあるいはDT40等の脊椎動物細胞での報告があるが,我々は,HCT116細胞を用い,機能解析を行った. この細胞は,ミスマッチ修復異常を有する欠点を持っているが,それゆえに相同組換え頻度が相対的に高くノックアウトが比較的容易であり,p53が正常であるために細胞周期の研究に有用であると思われた.