著者
宮田 真人
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.231-235, 2020 (Released:2020-07-29)
参考文献数
11
被引用文献数
2

Motility is a major characteristic of living things. We categorized all motilities reported so far based on the structure of the force-generating unit, and revealed that they can be classified into 18 types. Furthermore, we have proposed the origin and evolution of these 18 motilities on a phylogenetic tree constructed from new genomic information.
著者
宮田 真人
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.176-181, 2010-03-01 (Released:2011-08-17)
参考文献数
39

日本人におけるヒト肺炎の原因の約 10% を占める病原菌,‘マイコプラズマ’は動物細胞表面にはりつき,はりついたままに動く“滑走運動”を行なう.そのメカニズムはこれまでに調べられてきた生体運動とは根本的に異なる.最速種,Mycoplasma mobile を用いた一連の研究により,その装置と構成タンパク質,さらにはメカニズムが明らかになりつつある.
著者
豊永 拓真 宮田 真人
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.270-272, 2023 (Released:2023-11-25)
参考文献数
9

魚病原菌であるマイコプラズマ・モービレの滑走運動は,ATP合成酵素から進化したと考えられるモーターによって駆動されている.私たちはその特殊なモーターを単離し,電子顕微鏡解析によってその三次元構造を明らかにした.その構造はATP合成酵素の二量体が鎖状に連なったような新奇なものであった.
著者
小林 昂平 古寺 哲幸 田原 悠平 豊永 拓真 笠井 大司 安藤 敏夫 宮田 真人
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.67-71, 2019-08-30 (Released:2019-09-07)
参考文献数
27

Mycoplasma mobile(以下モービレ)は,ペプチドグリカン層を持たない,魚の病原細菌(単細胞の生物)である.モービレは固形物表面にはりつき,はりついたまま滑るように動く滑走運動を行う.滑走メカニズムにおいて,モービレの細胞表面にあるタンパク質でできた“あし”が,宿主細胞表面のシアル酸オリゴ糖を引き寄せ,菌体を前に進める.この滑走運動は,細胞内部にあるモーターがATPを加水分解することにより駆動されるが,ATPの加水分解によりモーターがどのような構造変化を起こすかは明らかになっていない.そこで本研究では,高速原子間力顕微鏡(以下高速AFM)を用いて,細胞内部におけるモーターの動きを可視化することを目的とした.ガラス基板表面に貼り付けた細胞表面を高速AFMでスキャンすると,内部モーターと思われる粒状の構造がシート状に並んでいる様子が見られた.さらに,個々の粒子は滑走方向に対して右方向に8.2 nmシフトする動きを示した.
著者
宮田 真人
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

ヒト肺炎の原因菌などとして知られるマイコプラズマは菌体の片側に"滑走装置"を形成し、固形物表面を滑るように動く、 "滑走運動"を行う。これまでの研究代表者らの研究によりこの運動のメカニズムのアウトラインが最速種、Mycoplasma mobile(マイコプラズマ・モービレ、以下モービレと略)について明らかになっていた。本研究では、これまでよりさらに踏み込んだ実験を行い、メカニズムの本質に迫った。また、最速種で得られた知識や技術をヒト肺炎病原菌である、Mycoplasmapneumoniae(マイコプラズマ・ニューモニエ、以下ニューモニエと略)に応用した。