著者
今井 佐恵子 松田 美久子 藤本 さおり 宮谷 秀一 長谷川 剛二 福井 道明 森上 眞弓 小笹 寧子 梶山 静夫
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.112-115, 2010 (Released:2010-04-26)
参考文献数
9
被引用文献数
5

2型糖尿病患者を対象に,野菜を米飯の後に摂取した場合と米飯の前に摂取した場合の,摂取後の血糖値および血清インスリン値を無作為クロスオーバー法により調べた.野菜から先に摂取すると,米飯から先に摂取した場合と比較して,30分後の血糖値は217±40 mg/dlから172±31 mg/dl(p<0.01),60分後は208±56 mg/dlから187±41 mg/dlと低値を示した.インスリン値も30分後,60分後共に有意に抑制された.「食べる順番」を重視した容易な教育方法が食事指導に重要であると考える.
著者
新宅 賀洋 宮谷 秀一 岡田 真理子 甲田 光雄 奥田 豊子
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 (0xF9C2)社会科学・生活科学 02 社会科学・生活科学 (ISSN:03893456)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.49-59, 2000-08
被引用文献数
2

低エネルギー, 低タンパク質の完全菜食がヒトの健康にどのような影響をおよぼすのかを検討した。対象はある医師の指導のもとで玄米, 野菜, 豆腐を中心とした完全菜食を45日間摂取したボランティア (菜食者) であった。完全菜食摂取前と摂取6週問後に食事調査, 体格, 体組成の測定, 血液検査などを行い, 非菜食者の成績と比較した。完全菜食の栄養学的な特徴は低エネルギー, 低タンパク質ではあるが, ビタミン, ミネラルや食物繊維を多量に摂取していたことである。完全菜食では摂取エネルギーの不足を, 体脂肪を燃焼させて補い, 体脂肪・体重が減少した。完全菜食の摂取脂肪酸組成は非菜食者のものと大きく異なり, 飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸の割合が少なく, リノール酸の割合が高かった。またn-6/n-3比も高くなっていた。しかし, 血漿脂質の脂肪酸組成は非菜食者と差が認あられなかった。血液性状からみて低栄養状態, 貧血症状は認あられなかった。以上の結果より完全菜食は低エネルギー, 低タンパク質の食事で, 摂取脂肪酸組成も大きく異なっているが, 脂肪酸代謝に大きな影響を与えず, 生理学的な面での問題点は認められなかった。