著者
蓑輪 圭祐 下村 匠 川端 雄一郎 藤井 隆史 富山 潤
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.134-149, 2021 (Released:2021-10-20)
参考文献数
15
被引用文献数
2

温湿度,降雨,日射の環境作用がコンクリートの乾燥収縮に及ぼす影響を把握するため,同時に作製した角柱試験体を全国 4 地点で屋外暴露し,水分量と収縮量の経時変化を測定した.その結果,各地の一年間の収縮量はほぼ同等であったが,季節ごとの収縮の進行が異なることが明らかとなった.温湿度の変動・日射・降雨の影響を考慮できるコンクリートの水分移動および収縮に関する数値解析法を用いた検討により,湿度の変動と降雨が収縮量に及ぼす影響が大きいことを明らかにした.湿度の変動と降雨の影響を考慮する係数を平均湿度と降雨時間割合から算出し,平均湿度に乗じた見かけの相対湿度を乾燥収縮予測式に用いることで,屋外におけるコンクリートの収縮を簡易的に予測できることを示した.
著者
蓑輪 圭祐 下村 匠 川端 雄一郎 藤井 隆史 富山 潤
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.134-149, 2021
被引用文献数
2

<p> 温湿度,降雨,日射の環境作用がコンクリートの乾燥収縮に及ぼす影響を把握するため,同時に作製した角柱試験体を全国 4 地点で屋外暴露し,水分量と収縮量の経時変化を測定した.その結果,各地の一年間の収縮量はほぼ同等であったが,季節ごとの収縮の進行が異なることが明らかとなった.温湿度の変動・日射・降雨の影響を考慮できるコンクリートの水分移動および収縮に関する数値解析法を用いた検討により,湿度の変動と降雨が収縮量に及ぼす影響が大きいことを明らかにした.湿度の変動と降雨の影響を考慮する係数を平均湿度と降雨時間割合から算出し,平均湿度に乗じた見かけの相対湿度を乾燥収縮予測式に用いることで,屋外におけるコンクリートの収縮を簡易的に予測できることを示した.</p>
著者
佐伯 竜彦 富山 潤 中村 文則 中村 亮太 花岡 大伸 安 琳 佐々木 厳 遠藤 裕丈
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.98-108, 2020

<p> 本研究は,同一の薄板モルタル供試体を用いて,日本各地の101か所において暴露試験を行い,飛来塩分環境を評価した.暴露供試体への塩化物イオン浸透量をコンクリートの表面塩化物イオン濃度に換算し,標高,風向,波エネルギーの影響を考慮して離岸距離を補正した,「補正距離」によって,地域によらず一律に表面塩化物イオン濃度を評価できる推定式を提案した.</p>
著者
須田 裕哉 富山 潤 斎藤 豪 佐伯 竜彦
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.71-78, 2020
被引用文献数
1

<p>本研究は、セメント硬化体の炭酸化に及ぼす相対湿度の影響を評価する目的で、20℃環境下のもと相対湿度11%、43%、66%、85%における炭酸化による収縮挙動と組織構造の変化に着目し検討を行った。その結果、乾燥時の相対湿度の違いにより炭酸化収縮の進行程度は異なり、相対湿度43%において収縮量が最も大きくなった。一方で炭酸化による水酸化カルシウムの残存量は相対湿度66%が最も少なく、炭酸カルシウム生成量と収縮量の関係は炭酸化時の湿度によって異なる傾向を示した。この傾向を明らかにする目的で、粉末X線回折、窒素吸着試験および熱力学的相平衡計算を実施した結果、炭酸化時の湿度の違いにより水酸化カルシウムとC-S-Hの炭酸化挙動が異なることが明らかとなった。</p>
著者
富山 潤 須田 裕哉 崎原 康平 山田 義智 堀口 賢一 岡部 成行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.11-23, 2019
被引用文献数
2

<p> 琉球大学では,点検に多くの制約を受ける離島架橋に対して戦略的イノベーション創造プグラム(Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program:SIP)インフラ維持管理・更新・マネジメント技術の開発技術のひとつであるひび割れ画像解析技術の実証実験を行い,目視点検の結果と良い相関を得た.この結果は橋梁管理者に評価され,本技術が実橋梁の点検業務の一部に利用された.本技術の実証実験に対する沖縄での取り組みは,新技術を地域実装に導いたひとつの実装モデルといえる.</p><p> 本論文では,本技術が実証実験から地域実装に至った取り組み,経緯および課題について考察する.さらに,新技術のコストメリット,効率性および高度化についても考察する.また,新技術の地域実装を通して新しい技術開発が行われた事例についても紹介する.</p>