- 著者
-
村岡 慶裕
正門 由久
富田 豊
藤原 俊之
- 出版者
- The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
- 雑誌
- リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.7, pp.453-458, 2000-07-18 (Released:2009-10-28)
- 参考文献数
- 11
- 被引用文献数
-
6
6
治療的電気刺激(TES)の作用機序を解明する目的で,脳卒中患者15名の前脛骨筋にTESを行い,その前後で,ヒラメ筋H波と前脛骨筋H波を指標とし,前脛骨筋とヒラメ筋間の2シナプス性Ia相反抑制を観測した.前脛骨筋Ia線維からヒラメ筋へのIa相反抑制は15名中6名が有意に増加し,一方,ヒラメ筋Iaから前脛骨筋へのIa相反抑制は,前脛骨筋にH波の誘発可能であった3名全ての患者が有意に減少した.TESは,電気刺激した筋肉の抑制介在ニューロンからその拮抗筋の運動ニューロンと抑制介在ニューロンへのシナプスの伝達効率を増強させ,それが,主動筋の随意性の向上,拮抗筋の痙縮の抑制に関与している可能性が示唆された.