著者
山下 英俊 寺西 俊一 大島 堅一 石田 信隆 寺林 暁良 山川 俊和 藤谷 岳 西林 勝吾 藤井 康平 浅井 美香 石倉 研
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

日本において、地域主体型の再生可能エネルギー事業を促進するために求められる政策を明らかにするため、全国の導入事例の中からコミュニティ・パワーの基準に該当する事業を抽出し、事業の意思決定、資金調達、利益配分などの実態を調査した。その結果、地元自治体との関係性が事業化の鍵となることが判明した。そこで、全国の基礎自治体を対象とした再生可能エネルギーに対する取り組みに関する実態調査を実施し、積極的に推進しようとしている自治体の特徴を明らかにした。特に、地域活性化の観点から太陽光発電以外の事業に取り組んでいる自治体の果たしうる役割は大きく、こうした自治体を支援する制度的枠組みの必要性が確認された。
著者
金城 達也 寺林 暁良
出版者
北海道大学大学院文学研究科
雑誌
研究論集 (ISSN:13470132)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.469-489, 2012-12-26

本稿は徳之島における生業活動の組み合わせとその変遷を整理し,そのな かでのソテツの位置づけを明らかにすることを目的とした。 歴史的に見た場合,徳之島の生業は稲作を主体に成り立っていた。同時に サトウキビの生産も重要な位置にあり続けた。また,イモや野菜類は自家用 の作物として栽培され,食糧が十分に手に入らない時代には主食のひとつと して重宝されていた。しかしながら現在においては水稲作付は自家用を除い てほとんど営まれなくなった。 そのような状況のなか,徳之島ではソテツの広がる景観が残されてきた。 畑地などの空間にソテツが配置されてきた意味も,こうした生業複合のなか で位置づけられる。同時に,徳之島におけるソテツの意義は現在の利用のな かでも位置づけなおすことができる。 その結果,徳之島の人々が歴史的に複合的に生業を組み合わせることで生 活をなりたたせてきたことが明らかになった。そのうえで,現在の徳之島に おけるソテツ景観が人々の多様な生業活動の結果として形成されてきたこと を指摘し,二次的生業(Second major subsistence)としてのソテツの可能性 について議論した。