著者
小保方 潤一
出版者
京都府立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

藻類を摂食するウミウシの中には、個体や卵の中で、藻類のmRNA配列に由来するcDNAが見いだされる場合がある。しかし、この特異な遺伝子水平転移の機構は分かっていない。一方、最近、蛍光発色団に結合するアプタマー配列を用いてRNA分子を蛍光標識する手法が開発された。本研究では、このRNA標識技術を用いて、藻類のRNA配列が捕食者中でどのように挙動するのかを検出する新規実験手法の開発にチャレンジした。研究期間の大半は、植物体中でのRNA蛍光標識法の開発に費やしたが、得られた蛍光強度は水平転移を検出するには不充分だった。現在引き続き、RNAの蛍光強度を高めるための検討を進めている。
著者
野崎 智義 洲崎 敏伸 坪井 敏文 守屋 繁春 津久井 久美子 松崎 素道 橘 裕司 石田 健一郎 小保方 潤一 橋本 哲男 金子 修 稲垣 祐司 井上 勲 永井 宏樹 黒田 誠 永宗 喜三郎
出版者
国立感染症研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

真核生物の進化、及び、オルガネラ(細胞内小器官)の進化は、生物学の最も重要な基本命題である。一般に葉緑体・ミトコンドリアなどのオルガネラは細菌の内部共生によって生まれ、真核生物に革新的な代謝機能を与えた。本研究は(1)オルガネラ進化につながる一次・二次共生関係を生物界から広く検出し、共生を可能とする仕組みを理解する、(2)進化過程にある共生・寄生オルガネラの機能と維持機構を解明する、(3)「内部共生体に駆動される真核生物進化」という新しいパラダイムを確立する、(4) オルガネラ移植等の細胞工学手法による試験管内生物進化に必要な技術基盤を確立することを目指し研究を展開し成果を生んだ。