著者
平田 渉 中島 淳 小山 彰彦 乾 隆帝
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.17-22, 2023-07-11 (Released:2023-07-11)
参考文献数
7

これまで鹿児島県の1 ヶ所の生息地しか知られていなかったサツマキバナガミズギワゴミムシの 2 ヶ所目の生息地を発見した.これは熊本県からの初記録となる.また,両産地での生息環境を調査し,その環境構造の特徴を記録した.
著者
小山 彰彦 乾 隆帝 伊豫岡 宏樹 皆川 朋子 大槻 順朗 鬼倉 徳雄
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.191-216, 2022-03-17 (Released:2022-04-20)
参考文献数
55

堤体高 15 m を越えるハイダム撤去に対する河口域の生態系の応答を調査した事例は世界的に限られている.本研究では荒瀬ダム撤去前に該当する 2011 年から撤去後の 2018 にかけて調査を行い,球磨川水系の河口域の底質と生物相の変化を評価した.調査期間の秋季と春季に調査を計 14 回実施し,球磨川と前川に設置した 178 定点が調査された.このうち,本研究では 138 定点を解析に使用した.底質変化の指標として,調査定点のシルトと粘土の割合を算出した.結果,2012 年の春と 2014 年の春にそれぞれ粗粒化が認められた.これらの粗粒化は主に 2010 年の荒瀬ダムゲートの開放と 2011 年の大規模出水と関連すると考えられる.底生生物群集の変動を解析した結果,定点ごとの生物相の変動は,特定の調査時期,あるいは季節性に基づかないことが示唆された.この結果から,ダム撤去が河口域の底生生物群集に与えた影響は決して大きくなかったと考えられる.一方,球磨川と前川の両河川では内在性種が 2012 年の秋季から 2013 年,あるいは 2014 年の秋季にかけて顕著に増加した.同時期に,内在性種のアナジャコとニホンスナモグリ,およびこれらの巣穴を利用する共生種の出現定点数の増加が認められた.アナジャコとニホンスナモグリは砂泥質,および砂質環境に生息するため,底質の粗粒化が本種らの生息地の拡大を促進した可能性が示唆される.しかしながら,本調査を開始する前には河口域で底質のかく乱が既に観測されている点,本調査域では河川改修や自然再生事業に伴い直接的な土砂の投入が行われている点などから,本研究で観察された底生生物の出現パターンの変化が荒瀬ダム撤去とどの程度直接的に関係しているのかは十分に検証できていない.この関係を明らかにするために,今後,荒瀬ダムの堆積土砂の動態を評価すべきであろう.
著者
鹿野 雄一 山下 奉海 田中 亘 小山 彰彦 菅野 一輝
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.43-53, 2017-04-25 (Released:2018-06-01)
参考文献数
41
被引用文献数
1

The current distribution of the Japanese eel Anguilla japonica and giant mottled eel A. marmorata were surveyed in 1120 inland water bodies on mainland Kyushu and the Nansei Islands, southern Japan. Anguilla japonica occurred at 8 and 2 sites on Kyushu and the Nansei Islands, respectively, the low catch rate apparently reflecting its cryptic life style. The likelihood of occurrence of A. japonica in stream habitats on the Nansei Islands was significantly lower than on mainland Kyushu. Anguilla marmorata occurred at 46 sites (mostly streams) on the Nansei Islands. Accordingly, low stream occurrence of A. japonica on the Nansei Islands may have resulted from interspecific competition. An informal verbal survey of 359 local respondents indicated that A. japonica had formerly been plentiful in Nansei Islands paddy fields, although a similar survey on mainland Kyushu found the habitat of A. japonica to be streams, rivers and/or estuaries. Local names of A. japonica on the Nansei Islands, including “paddy-dwelling eel” and “mud-dwelling eel”, also indicated adaptation of A. japonica to a paddy environment, the use of “stream-dwelling eel” for A. marmorata further suggesting habitat segregation of the two species. The paddy environment appears to be the primary habitat of A. japonica on the Nansei Islands. However, such paddy fields have decreased significantly in extent due to a recent crop change to millet. Restoration of the paddy environment is essential for future A. japonica conservation on the Nansei Islands.