著者
安孫子 忠彦 飯島 英則 小山 明夫 上林 憲行 成田 徳雄
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.87(2003-EIP-020), pp.55-60, 2003-08-28

参与観察手法による入院患者の生活の一日観察を通して入院患者は時間を持て余している事,その家族は忙しい中毎日面会に来ている事などの調査結果を得ることができた.そこで入院患者の生活の質(QOL: Quality Of Life)の向上を目的としたサービスとして,ネットワークとマルチメディアを用いた遠隔コミュニケーションサービスを提案する.PCをベースとし,カメラ,マイク,スピーカ,音声チャットソフトなどを用いてシステムを構築し,利用者誰もが使えるような操作簡略化の工夫を凝らした上で,この遠隔コミュニケーションサービスが実社会の入院患者に対してどれだけ有効であるかを実際のフィールドで実験を行い検証した.
著者
本間 義孝 小山 明夫 バロリ・レオナルド
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.87, pp.109-116, 2003-08-28
参考文献数
8

近年,無線通信端末のみで一時的に構成されるアドホックネットワークへの注目が高まっている.これまでにアドホックネットワークのルーティングプロトコルとして様々なものが提案されているが,その性能はネットワークの規模や移動度に左右される.既存プロトコルの一つであるZRP(Zone Routing Protocol)は他のプロトコルに比べて高い柔軟性を持ち,多くの状況に対応できるプロトコルであるが,無駄な制御パケットの送信によりネットワークへの負荷が増加し,その結果ネットワークの性能を低下させてしまう.本稿では,過去に探索したノードへのルート再探索の際に探索方向を限定してネットワークへの負荷を減らす事ができるSBZRP(Selective-Bordercasting Zone Routing Protocol)を提案し,ZRPと比較してネットワークの性能を向上させる事ができる事を示す.Recently, a lot of research is going on in ad-hoc networks and many routing protocols for ad-hoc networks are proposed. But, the performance of these protocols depends on the scale and the frequency of network movement. One of known routing protocols for ad-hoc networks is ZRP (Zone Routing Protocol). The performance of ZRP is better than other protocols. However in ZRP, many useless control packets are sent in the network, thus the load of network is increased resulting in a decrease of network performance. In this paper, we propose a SBZRP (Selective Bordercasting Zone Routing Protocol) in order to reduce the network load by limiting the number of sending control packets when searching for a new route. The performance evaluation via simulations shows that the proposed SBZRP has a good behavior and a better performance compared with ZRP.
著者
程 子学 程 同軍 小山 明夫
出版者
会津大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

資源の割り当て問題は分散処理環境における重要な問題の一つとして知られており、多くの研究がなされています。また、ネットワーク環境の劇的な発展に伴い、様々な分散協調型のアプリケーションが開発されています。分散協調型のアプリケーションの上では、協調して動作するプロセスやユーザが一つのグループとして、動作するものとみることができます。複数のグループが同時にそれぞれなんらかの動作を行う場合、異なるグループに属するプロセス同士の間で資源競合が生ずる場合があり、そこで資源の割り当てが不適切に行われた場合、いくつかのグループの動作に支障がきたす危険性があります。そういった新たな形態の資源競合は、古くからある解決の手法では、十分に対処することができず、またその解決法に関する研究は、あまり十分には行われていませんでした。私どもは、従来の資源割り当て問題を拡張した「プロセスグループに対する資源割り当て問題」という問題を提起し、その分散的解決法に関する研究を行って参りました。本研究では、今までの研究結果を踏まえて、まず、資源の容量を超えない範囲で複数のプロセスによる資源の共向利用の時に、有効な割り当て手法として、割り込まれたプロセスに悪い影響を与えなく、全体的な効率が向上できる割り込みによる資源割り当て方法を提案しました。そして、予約済みや使用中の資源を他のプロセスに譲り合うために、別の利用可能な資源を予約・使用するという譲り合いによる資源割り当ての方法を提案し、資源を要求する複数プロセスの平均待ち時間を短縮する研究を行いました。さらに、複数のプロセスグループがあるタスクを平行に実行することを想定するグループ間の資源割り当てモデルを提案しました。最後に、提案された手法を実際のアプリケーションにどのように適用するかを検討するために、携帯電話のチャンネルの割り当てについて考察しました。開発された割り込み手法や譲り合い手法をプロセスグループに関するモデルに導入するために、いろいろと試みましたが、まだ十分な結果が得られていません。将来の課題として残されております。