著者
金子 恵美子
出版者
会津大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

当初の予定通り、前期後期の二回にわたり、対象群、実験群の学生それぞれ20名程度の発話を、13回程度の訓練の前後で録音し、それを書き起こした後、複雑さ、流暢さ、正確さの変化を測定した。その結果、前期においては大きなタスク効果(発話を引き出すために使用された質問が、学習者の発話に影響を与えること)が出てしまい、作動記憶効率化訓練の効果はタスクによる影響を取り除いたという想定のものとにしか結論づけることができなかった。一方、後期は作動記憶効率化訓練を行った学生の発話の変化を詳細に分析した。学生の構文的複雑さや長さが向上しても、流暢さ劣化することはなかったが、間違い数が増加した。つまり、複雑さと正確さのトレードオフ現象が観察された。また流暢さの伸びと、訓練当初の流暢さには負の相関関係がみられた。このことは、訓練開始時にすでに流暢に話せる学生は、作動記憶効率化訓練を行っても流暢さが伸びるわけではないことを示す。昨年度の結果から、極端に発話スピードが遅い学生には、このような訓練が有効であることがわかった。
著者
青木 滋之 吉田 茂生 伊勢田 哲治 戸田山 和久 熊澤 峰夫 渡邊 誠一郎 矢島 道子
出版者
会津大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

これまでの科学哲学ではあまり中心的に扱われてこなかった、地球惑星科学の歴史・哲学に関する基盤研究を行った。第一班:地球惑星科学の方法論、第二班:地球惑星科学の科学史、第三班:科学の科学、という3つの班による研究成果は、Nagoya Journal of Philosophyの10号,11号に論文集として公刊された。
著者
陳 文西
出版者
会津大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

この研究の主な成果は3つの点を挙げられる。(1)ユーザ端末(ベッドサイドボックスとセンサボード)の開発長期にわたって睡眠時の心拍数を全自動的に収集できる計測手法の開発と装置設計、試作。計測装置はベッドサイドボックスとセンサボードから構成されている。センサボードは枕の下又はマットの下に置き、睡眠時の心臓拍動に由来する微弱振動を感知する。ベッドサイドボックスはこの振動信号を増幅し、AD変換を行い、データベースサーバに送信する。(2)自動解析アルゴリズムの開発とパフォーマンスの評価隠れマルコフモデルなどデータマイニングアルゴリズムを開発し、日頃睡眠時の連続心拍数から生理周期を自動的に推定する手法を提案し、パフォーマンスを評価した。さらに、枕の下とマットの下に3箇所(背、臀、小腿)、それぞれセンサボードを設置し、異なる部位の計測パフォーマンスを検討し、最適の計測部位を特定した。(3)ネットワークデータベースサーバシステムの構築と自動解析アルゴリズムの実装ユーザ端末からネットワーク経由で睡眠時の心拍数を自動的に収集するためのデータベースサーバシステムを構築し、(2)で開発したアルゴリズムをサーバ上で実装し、総合的な性能評価を行った。
著者
渡部 有隆
出版者
会津大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

プログラミング学習支援システムにおいて、ピクチャによる表現手法を用いたビジュアルプログラミング言語を対応させることを検討した。研究期間において、本ビジュアルプログラミング言語の拡張、レガシィシステムのサービス指向アーキテクチャに基づく再構築、ハイブリッドビジュアルプログラミング言語開発のためのアーキテクチャの開発を行った。昨今のWEB技術における言語やフレームワークの急速な技術移行等により、研究期間内に安定したサービスの一般公開には至らなかったが、研究成果により、プログラミング教育やソフトウェア開発に応用できる新しいビジュアルプログラミング言語及びその環境の開発がより円滑に行えるようになった。
著者
劉 勇
出版者
会津大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

バランスのとれたアンサンブル学習法は負の相関学習から構築された。バランスのとれたアンサンブル学習法は、弱い学習モデルを作成することができる。本研究で用いた学習誤差関数は、ターゲット値をシフトすることによって変更することができます。そのようなシフトの学習機能は、訓練のニューラルネットワークアンサンブルの複雑さを制御するのに役立ちます。また、分類の精度を向上させることができます。負の相関学習は、多くの場合、強力な学習モデルを生成します。これは、1つの学習プロセスの学習には負の相関を学習移行バランスアンサンブルに興味深いものになる。学習モデルの複雑さは、遷移期間中に制御することができる。
著者
神谷 徳昭 鈴木 大郎 森 和好
出版者
会津大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

非結合代数系からのG(3),F(4) D(m,n)型の構成が端的な概要です。この構成は数理物理学と非結合的代数学の融合分野の研究です。それは歴史的に述べれば19世紀の末のカルタン、キーリング,フルビッツに起源をもつと考えます。勿論現代の数学として4元数、8元数、交代代数、ジョルダン代数の立場からルート系を用いないジャコブソン的な構成方法でフロイデンタールの伝統をうけつぎながら幾何学とリー代数に特に超リー代数の特徴ずけです。三項系代数系の分類とパース分解と南部恒等式の特徴を研究しました。
著者
荊 雷
出版者
会津大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、無拘束常時手指装着型装置の応用展開において、資源制約のある状況に適用可能な充電方式と即時認識手法の基礎研究を行った。充電方法について、太陽光、体温、運動や無線電波などを含め、複数の環境発電手法を指輪サイズ、極端に小型な装置に評価実験を行いた。ジェスチャー認識手法について、連続ジェスチャー入力手法と即時認識手法を研究提案した。本研究が、極端に資源制約された装着型装置に、共通した充電と認識などの課題を解決することにより、ウェアラブルコンピューティングを基礎研究から応用研究へ進むことを促進する。
著者
王 軍波
出版者
会津大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

既存のInternet of Things (IoT)・M2Mの研究では、ユーザに近いローカル側では状況認識と管理、タスクの最適化的な分配の手間を省くが、大量データの送受信による混雑、サービスレスポンスの遅延等の問題がある。これらの問題を解決するため、本研究は、(1)ユーザの状況を管理や認識するアルゴリズム、(2)ユーザに近いデバイスを利用し、タスクの最適化的な配分する方法、(3)災害時ユーザやネットワークの状況により通信ネットワークを最適化する方法などを開発しました。開発した技術を利用し、高齢者ケアサービスや災害時効率的に連絡手段として、活用することを期待してます。
著者
BRINE John ヴァジェニン アレクサンダー 岡本 清美 モズゴヴォイ マキシム
出版者
会津大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、コンピュータ理工学の学生が複雑な専門的文章を読む際に助けとなる、モバイルデバイス上での読解注解ツールを開発した。WikiGlossは学生が文書をインプットして、読解の話題と関連するWikipediaにリンクし、情報を増加する。タブレット上で注解が読解内の選択した文章上で立ち上がり、学生に文脈内の意味を与えて理解を助ける。モバイルデバイス上で使用中、読解文章に付随したWikiGlossツールは、文章と他のアプリケーション、例えば意味検索の辞書等との置き換えを回避することができる。
著者
程 子学
出版者
会津大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

本研究では、個々の学習者の状況を正確且つ全面的に把握し、その状況に応じた適切な学習支援を行うことを目的としている。ユビキタスラーニング環境においては、学習者は、実世界において実際のオブジェクトを観察・接触・操作することにより、学習することができる。また、学習支援は学習者の状況をアウェアし、リアルオブジェクトに埋め込んだ処理機能によって、適時適地に状況に適応するように行われることを目指している。今年度では、前年度の研究結果を踏まえ、学習者の状況を定義し、検出するプラットフォームとして、 SDML(Situation Description Markup Language)を提案し、室内に敷かれるユビキタスタイルというセンサーネットワークを開発し、個体(人やモノ)の位置と識別子を一括して取得することが可能になり、それに基いて、室内の学習者と周りの人やモノからなる状況を検知し、適切な支援を行う。特に、児童に対して、危険の状況を認識させ、安全意識の向上の教育に応用した。また、身体に装着するジャイロセンサーノードによって、学習者の活動の状況を把握する方法をも試みた。さらに、 U-Petというバーチャルキャラクタを設計し、センサ等で把握した学習者の実世界における学習活動の状態に基づき、ユビキタスペットの様態や支援の内容が変更し、学習者ヘフィードバックする。その特徴として、学習カーブの各フェース(順調、停滞、低下)に応じて異なる支援戦略をもって学習者に学習支援を提供できる。 U-Petは、自分の学習状態と成長率をもち、学習者の学習状態に適していきながら、一定の違いを持ち、練習しすぎた学習者に休憩を呼びかけたり、怠けた学習者に努力を喚起したりする支援を行い、学習活動を円滑に行うようにする。
著者
GOUTAM Chakraborty
出版者
会津大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

研究の結果本年度では、前年度に引続き,柔らかい知的分散ネットワークに取り組み、次の研究を行ないました。(1)ユーザレベルプロトコルに基づいたマルチメディア通信のための柔らかいネットワークアーキテクチャ,(2)ユーザの要求に応じる柔らかいリソース・リザヴィーション・プロトコル,(3)ファジ-理論を用いたユーザの要求に反映する知的なメタレベルのインタフェース,(4)ユーザの要求の知的表現に適するプロトコルの合成法特に,前年度の研究結果を踏まえて,ユーザレベルプロトコルとそれに基づいたマルチメディア通信のための柔らかいネットワークアーキテクチャの提案それに基づくシステムの構成法,ファジ-論理に基づいた利用者の自然な要求を表現する形式的な方法などを改善したとともに,ユーザの自然要求をなるべく満たし,且つ,最小限にネットワーク資源を使用する資源のReservation方法とそれをサポートするネットワークルーチングアルゴリズムを開発しました。それを使用すれば,サービスの質(QoS)は、なるべく小さいコストで利用者の許容の範囲内で柔軟に保証することができる.それらの結果をまとめて、国際会議や論文誌に発表、掲載しました。その詳細は、別紙の論文リストを参照されたい。
著者
程 子学 程 同軍 小山 明夫
出版者
会津大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

資源の割り当て問題は分散処理環境における重要な問題の一つとして知られており、多くの研究がなされています。また、ネットワーク環境の劇的な発展に伴い、様々な分散協調型のアプリケーションが開発されています。分散協調型のアプリケーションの上では、協調して動作するプロセスやユーザが一つのグループとして、動作するものとみることができます。複数のグループが同時にそれぞれなんらかの動作を行う場合、異なるグループに属するプロセス同士の間で資源競合が生ずる場合があり、そこで資源の割り当てが不適切に行われた場合、いくつかのグループの動作に支障がきたす危険性があります。そういった新たな形態の資源競合は、古くからある解決の手法では、十分に対処することができず、またその解決法に関する研究は、あまり十分には行われていませんでした。私どもは、従来の資源割り当て問題を拡張した「プロセスグループに対する資源割り当て問題」という問題を提起し、その分散的解決法に関する研究を行って参りました。本研究では、今までの研究結果を踏まえて、まず、資源の容量を超えない範囲で複数のプロセスによる資源の共向利用の時に、有効な割り当て手法として、割り込まれたプロセスに悪い影響を与えなく、全体的な効率が向上できる割り込みによる資源割り当て方法を提案しました。そして、予約済みや使用中の資源を他のプロセスに譲り合うために、別の利用可能な資源を予約・使用するという譲り合いによる資源割り当ての方法を提案し、資源を要求する複数プロセスの平均待ち時間を短縮する研究を行いました。さらに、複数のプロセスグループがあるタスクを平行に実行することを想定するグループ間の資源割り当てモデルを提案しました。最後に、提案された手法を実際のアプリケーションにどのように適用するかを検討するために、携帯電話のチャンネルの割り当てについて考察しました。開発された割り込み手法や譲り合い手法をプロセスグループに関するモデルに導入するために、いろいろと試みましたが、まだ十分な結果が得られていません。将来の課題として残されております。
著者
平田 成
出版者
会津大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

小惑星イトカワの探査データを, 不規則形状小天体の解析のための地理情報システム(GIS)で取り扱い可能なマッピングデータとして整理した, また, 本ソフトウェアを用いて小惑星イトカワ上に存在する衝突地形の抽出を行うとともに, 小惑星上でのクレーター形成過程についての研究を進めた.また, クレーター形成と連動して生じる表層の物質移動と宇宙風化の進行度との関係についての研究も進めた. これらの研究成果をもとに, 小惑星イトカワの進化履歴が明らかになったほか, 小惑星の地質学的プロセスについての理解が進展した.