著者
小野 亨 城所 隆 小山 淳
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.55, pp.176-179, 2004-12-15 (Released:2011-08-11)
参考文献数
4

ニホンアマガエルとトウキョウダルマガエルの捕食能力について, ツマグロヨコバイを餌種として実験的に解析した. 試験容器は, 腰高シャーレと網掛けしたポット植えイネ株とした. 絶食直後の腰高シャーレにおける両種の捕食量は, 2g以下の個体では体重にほぼ比例して増加したが, 2g以上の個体では体重の割に少なく, 頭打ちとなる傾向がみられた.また, 継続する5日間の日当たり捕食量は, 体重の重いグループでは2日目以降に減少したが, 体重の軽いグループでは5日間の捕食量にほとんど変化がみられなかった. ポット植えイネ株における捕食能力は, 両種とも腰高シャーレ内の捕食数と比べて少なかったが, その程度はトウキョウダルマガエルの方が大きく, イネに上ることができないことが理由と考えられる.
著者
西島 功 小畑 慎也 小山 淳 土田 真史 友利 隆一郎 猪谷 克彦 池村 綾 宮城 和史 比嘉 信喜 伊波 潔
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.534-538, 2017-06-30 (Released:2017-06-30)
参考文献数
20

目的:迅速対応システム(Rapid response system:RRS)を導入する施設が増えているが,その起動が困難で,また本邦でのエビデンスが希薄である。修正早期警戒スコア(Modified early warning score:MEWS)は,患者急変を予知できるツールであり,RRS起動基準として有用ではないかと考えた。方法:2012 年10 月,MEWS が高値となり急変する可能性の高いWZ(Warning Zone)に入った患者に対して,主治医・ICU 看護師が迅速に対応する,MEWS-RRSを導入した。研究1としてMEWSの点数別院内心停止(in-hospital cardiac arrest:IHCA)率を比較,研究2としてMEWS-RRSの起動件数を評価し,研究3としてMEWS-RRS はIHCAを減少させるか検討した。結果:<研究1>MEWS の点数別IHCA 率は,6点0.18%,7点1.40%,8点1.75%,9点以上3.57%で,6点に比べ7点・8点・9点以上では有意にIHCA 率が高かった(p<0.05)。<研究2>新入院1,000人当たりのMEWS-RRS の起動件数は,WZをMEWS 6点以上とした第1 期では99.8 件,WZをMEWS 7点以上とした第2 期では46.6件と有意に減少するも(p<0.01),IHCA 率は1.50 vs 2.30と有意差はなかった。<研究3>MEWS-RRS 導入前の第0 期と,第1 期・第2期において,新入院1,000人当たりの月別IHCA率を比較すると,5.21 ± 3.47 vs 1.50 ± 1.07 vs 2.30 ± 1.43とMEWS-RRS導入後有意に低下した(p<0.01)。考察・結論:WZをMEWS 7点以上としたMEWS-RRSは,適正なRRS起動件数が得られ,IHCAの減少に寄与する有用なシステムである。
著者
小山 淳 城所 隆
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.55, pp.173-175, 2004-12-15 (Released:2011-08-11)
参考文献数
5

水田内のニホンアマガエルとクモ類の保護・活用を目的に, 水管理の違いと米糠施用の有無が, これらの捕食性天敵類の生息密度に与える影響を調べた. その結果, 稲の活着直後から幼穂形成期の7月20日まで常時湛水状態 (水深5cm以上) を継続すると, 間断かん水を行い, 中干しを実施した場合に比べて, ニホンアマガエルとキバラコモリグモの生息密度が高まった. 米糠施用の有無による両種の生息密度の有意な差は認められなかった.
著者
矢澤 貴 大竹 悟史 赤澤 直也 小山 淳 柹田 徹也 土屋 誉
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
雑誌
学会誌JSPEN (ISSN:24344966)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.122-127, 2019 (Released:2020-02-05)
参考文献数
22

【目的】介護老人保健施設(以下,老健と略)における入所者の喫食状況や血中ビタミン濃度に関する報告は極めて少なく,その実態は十分に分かっていない.そこで,老健で食事内容と喫食率の調査を行い,さらに栄養補助食品を提供した場合の影響を検討した.【方法】参加に同意を得ることができた入所者18名を対象とした.食事に加え,28日間,1日1本,ビタミンB1,ビタミンB2,ビタミンB6(以下,VB6と略),ビタミンD(以下,VDと略)を強化した栄養補助食品を追加提供し,介入前後の各種血中ビタミン濃度について前後比較を行った.【結果】喫食率は90%以上であり,ビタミンの食事からの摂取量は十分であったにも関わらず,VB6で6名(33.3%),VDで18名(100%)が基準値を下回っていた.介入後,それらは有意に高値となり,基準値未満の入所者は,VB6で1名(5.6%),VDで5名(27.8%)まで減少した.【考察】VB6およびVDは食事からの提供量を増量することが望ましいと考えられ,その手法として栄養補助食品の提供が有用であると考えられた.
著者
小山 淳
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.92, no.10, pp.746-755, 1997-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
10

昭和52年に全国的規模の市販清酒調査が国税庁鑑定企画官室と各国税局鑑定官室によって開始されてから平成8年で20年を経過した。調査結果はその都度発表され, 消費者が購入する時点での酒質を知る貴重なデータとして活用されてきた。今回は, 級別制度が廃止された平成4-7年度のデータを中心に, 主力製品, 吟醸酒, 純米酒, 本醸造酒ごとに紹介していただいた。今後の清酒の商品設計を考えるうえで, 貴重な基礎デ地タであり大いに活用できる内容と思われる。
著者
児玉 典子 守安 正恭 小山 淳子
出版者
神戸薬科大学
雑誌
神戸薬科大学研究論集 : Libra = The journal of Kobe Pharmaceutical University in humanities and mathematics (ISSN:13452568)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.55-76, 2012-03-30

著者らは、学力向上の1つの支援方法として上級生による下級生への個別学習支援を薬学教育支援制度(pharmaceutical educational support system:PESS)として立ち上げ、実施した。その結果、本制度を利用した学生のうち、留年生や学習不安を抱える学生の多くは学習意欲の低下や上級生への依存傾向が認められることがわかった。そこで、著者らは学力向上には学生の学習意欲や自律性をもつことが重要であると考え、さらにPESS を効果的に行なう方法として、精神面と学習面での支援を同時に行なうtwo step 学習支援としてpsychological and technical educational support system (PTESS) を企画・実施した。PTESS ではstep 1 として学生の自律性を促し、学習意欲の向上を目指した心理カウンセリングを行い、step 2で自分に合った学習方法を見出すためのPESS による学習支援を試みた。step 2ではPESS に加え、著者らによる「声かけ」や「励まし」などの見守り支援を行い、彼らの学習態度や心情の変化を観察した。このように個々の学生の特性を把握し、それを考慮したPTESS による学習支援を行った結果、学習意欲の向上には精神面での支援の重要性に加え、PESS における上級生と下級生とのペアマッチングの重要性が明らかとなった。