著者
峯 徹哉 川口 義明 小川 真実 川嶌 洋平
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.2393-2402, 2017 (Released:2017-09-20)
参考文献数
54

従来の診断基準は日本消化器内視鏡学会で作成されたが,国内でも十分に活用されているとはいいがたい.外国でも診断基準は作られているが長い間改正されないので,現実的ではなくなっていると思われる.われわれの作成したガイドラインはEBMに基づいたものであり,世界を見回してもEBMに基づくERCP後膵炎ガイドラインは見あたらないと思われる.われわれは将来的にERCP後膵炎の診断基準を見直し,より早く治療を行い救命すると同時に如何に重症のERCP後膵炎を生じさせないかその予防法を検討する必要がある.
著者
小川 真実 森貞 亜紀子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.120, no.6, pp.398-408, 2002 (Released:2003-01-28)
参考文献数
26
被引用文献数
1

リバビリン(レベトール®)はC型慢性肝炎の治療にインターフェロンα-2b(IFNα-2b)と併用して使用される抗ウイルス薬である.本薬は主にRNAウイルスに対して幅広い抗ウイルス作用を示すことが報告されており,C型肝炎ウイルス(HCV)の代替ウイルスとしてウシウイルス性下痢症ウイルスを用いた感染細胞系において,IFNα-2bと併用することにより増強作用が認められた.本薬の作用機序として,宿主のイノシン一リン酸脱水素酵素の阻害作用,RNAウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)の阻害作用等が報告されていた.最近,リバビリンがHCVと同じRNAウイルスであるポリオウイルスのRdRpによりRNAに取り込まれ,新生RNAの鋳型となり,突然変異を誘導することが明らかにされた.更に,リバビリンにより誘導される突然変異のわずかな増加により,ウイルスの感染能が激減することが証明された.このRNAウイルスに対する変異原としての作用は本薬の新規機序であり,本薬は新しいクラスの抗ウイルス薬として分類されるものと考えられる.
著者
須賀 隆章 小川 真実
出版者
千葉大学大学院人文公共学府
雑誌
千葉大学人文公共学研究論集 = Journal of studies on humanities and public affairs of Chiba University (ISSN:24332291)
巻号頁・発行日
no.36, pp.198-209, 2018-03

[要旨] 文化財の保全は財政難にあえぐ自治体にとって、悩ましい問題である。地方創生の時代を迎えて、文化財の積極的な活用を通じた「観光資源」の掘り起こしが提言されている。文化財を用いた「観光立国化」に向けて、文化庁は平成27年度より「日本遺産」の認定を進め、日本遺産魅力推進事業を推進している。同事業では点在している個々の文化財を、そこに共通する歴史や文化を語る「ストーリー」を通じてパッケージ化し、積極的な文化財の活用を図ることで、新たな観光客や訪問者の回遊性ある行動を促し、地域の活性化に結びつけることをめざすものである。本稿は、負の側面が強い地域の歴史的資源の活用法を見直すことによって、地方創生時代の新たな「まちづくり」のモデルを提唱する佐倉市の文化財行政の意義を明らかにするものである。
著者
河村 卓二 趙 栄済 宮田 正年 酒田 宗博 河端 秀明 郡 靖裕 小川 真実 森川 宗一郎 芦原 亨
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.142-145, 2007 (Released:2008-10-31)
参考文献数
12

1988年8月から2004年8月までの16年間に, 当科において15歳以下の小児32症例に全大腸内視鏡検査47回を含む計143回の大腸内視鏡検査を施行した. 30例は鎮静剤の静脈投与を用いて内視鏡室で, 2例は全身麻酔を用いて手術室でそれぞれ施行した. 挿入および観察は無透視一人法で行った. 血便症例は22例で, 内視鏡施行により15例 (68.2%) で出血源の同定が可能であった. 全大腸内視鏡検査は試行した47回においてすべて可能であり, 回盲部までの平均到達時間は10分22秒であった. 成人と同様に腸管洗浄液を用いた場合は前処置の効果は良好となったが, 小児での腸管洗浄液に対する受容性は低かった. 塩酸ペチジンにミダゾラムを併用した前投薬の鎮静効果はおおむね良好であり, 3例の治療を含む全検査で偶発症を認めなかった. 小児に対する大腸内視鏡検査は適正な前投薬の使用で安全に施行可能であり, 診断および治療に有用である.
著者
河村 卓二 趙 栄済 宮田 正年 酒田 宗博 河端 秀明 郡 靖裕 小川 真実 森川 宗一郎 芦原 亨
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.142-145, 2007-03-01

1988年8月から2004年8月までの16年間に, 当科において15歳以下の小児32症例に全大腸内視鏡検査47回を含む計143回の大腸内視鏡検査を施行した. 30例は鎮静剤の静脈投与を用いて内視鏡室で, 2例は全身麻酔を用いて手術室でそれぞれ施行した. 挿入および観察は無透視一人法で行った. 血便症例は22例で, 内視鏡施行により15例 (68.2%) で出血源の同定が可能であった. 全大腸内視鏡検査は試行した47回においてすべて可能であり, 回盲部までの平均到達時間は10分22秒であった. 成人と同様に腸管洗浄液を用いた場合は前処置の効果は良好となったが, 小児での腸管洗浄液に対する受容性は低かった. 塩酸ペチジンにミダゾラムを併用した前投薬の鎮静効果はおおむね良好であり, 3例の治療を含む全検査で偶発症を認めなかった. 小児に対する大腸内視鏡検査は適正な前投薬の使用で安全に施行可能であり, 診断および治療に有用である.