著者
清水 誠治 多田 正大 川本 一祚 趙 栄済 渡辺 能行 川井 啓市
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.27, no.8, pp.1663-1669, 1985

オリンパス光学K.Kにおいて開発されたOES内視鏡写真撮影システムはOESファイバースコープ,光源装置CLV-10,データ写し込み装置DS,内視鏡カメラSC16-10よりなるが,これらを臨床の場で試用する機会を得た.CLV-10は光量の増加,露光精度の向上とともに非常灯も装備されている.DSは患者データを入力・記憶・表示しフィルムに写し込むことができ,またSC16-10のファインダー内に日時,経過時間,撮影部位等の英数字データを表示し内視鏡写真に写し込むこともできる.SC16-10は軽量化が計られ,拡大率の異なる3種類のマウントアダプターが用意され大画面で撮影することが可能である.OESシステムを用いることにより検査中の操作が容易になり,観察ならびに読影上見やすい画像が得られる上,内視鏡写真にデータ記録としての客観性を導入することが可能となり,特に部位同定の指標に乏しい食道や下部消化管検査における有用性を確認した.
著者
早雲 孝信 東 健 中島 正継 安田 健治朗 趙 栄済 向井 秀一 水間 美宏 芦原 亨 水野 成人 平野 誠一 池田 悦子 加藤 元一 徳田 一 竹中 温 泉 浩 井川 理 青池 晟 川井 啓市
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.88, no.8, pp.1539-1544, 1991 (Released:2007-12-26)
参考文献数
19
被引用文献数
2

ras遺伝子は, そのpoint mutation により活性化される癌遺伝子として知られている. 今回, われわれは oligonucleotide hybridization assay を用いて,大腸癌86例における K-ras codon 12, 13のpoint mutation の有無について検索した. その結果, codon 12に32例, codon 13に1例の33例 (38%) に point mutation を認めた. 変異の比率を腫瘍の存在部位, 組織型, 深達度, リンパ節転移, ステージ分類別に検討したが, 有意な関係は認められなかつた. しかし, 深達度mやsmといつた早期の癌においても高頻度に変異が検出され, ras遺伝子の point mutation が癌の進行過程というよりも発癌の過程に関係していることが推察された.
著者
河村 卓二 趙 栄済 宮田 正年 酒田 宗博 河端 秀明 郡 靖裕 小川 真実 森川 宗一郎 芦原 亨
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.142-145, 2007 (Released:2008-10-31)
参考文献数
12

1988年8月から2004年8月までの16年間に, 当科において15歳以下の小児32症例に全大腸内視鏡検査47回を含む計143回の大腸内視鏡検査を施行した. 30例は鎮静剤の静脈投与を用いて内視鏡室で, 2例は全身麻酔を用いて手術室でそれぞれ施行した. 挿入および観察は無透視一人法で行った. 血便症例は22例で, 内視鏡施行により15例 (68.2%) で出血源の同定が可能であった. 全大腸内視鏡検査は試行した47回においてすべて可能であり, 回盲部までの平均到達時間は10分22秒であった. 成人と同様に腸管洗浄液を用いた場合は前処置の効果は良好となったが, 小児での腸管洗浄液に対する受容性は低かった. 塩酸ペチジンにミダゾラムを併用した前投薬の鎮静効果はおおむね良好であり, 3例の治療を含む全検査で偶発症を認めなかった. 小児に対する大腸内視鏡検査は適正な前投薬の使用で安全に施行可能であり, 診断および治療に有用である.
著者
河村 卓二 趙 栄済 宮田 正年 酒田 宗博 河端 秀明 郡 靖裕 小川 真実 森川 宗一郎 芦原 亨
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.142-145, 2007-03-01

1988年8月から2004年8月までの16年間に, 当科において15歳以下の小児32症例に全大腸内視鏡検査47回を含む計143回の大腸内視鏡検査を施行した. 30例は鎮静剤の静脈投与を用いて内視鏡室で, 2例は全身麻酔を用いて手術室でそれぞれ施行した. 挿入および観察は無透視一人法で行った. 血便症例は22例で, 内視鏡施行により15例 (68.2%) で出血源の同定が可能であった. 全大腸内視鏡検査は試行した47回においてすべて可能であり, 回盲部までの平均到達時間は10分22秒であった. 成人と同様に腸管洗浄液を用いた場合は前処置の効果は良好となったが, 小児での腸管洗浄液に対する受容性は低かった. 塩酸ペチジンにミダゾラムを併用した前投薬の鎮静効果はおおむね良好であり, 3例の治療を含む全検査で偶発症を認めなかった. 小児に対する大腸内視鏡検査は適正な前投薬の使用で安全に施行可能であり, 診断および治療に有用である.