著者
小林 幸雄
出版者
北海道開拓記念館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

縄文時代の繊維質胎漆製品である"赤い糸"は、糸の製作技術、漆などの膠着材や彩色用赤色顔料などの素材、さらには工程全体に関わる技術などが体系的に具現化されている。それらの技術内容には、縄文時代の人々の生活や文化を復元する上で有効な情報が含まれている。本研究では、縄文時代の"赤い糸"を自然科学的手法によって具体的に検討し、製作技術に関わる材質や技法などの知見を得ることができた。
著者
巻出 健太郎 小林 幸雄 圦本 尚義
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.249-249, 2004

Acfer214中の酸素同位体組成は、個々のCAI中で均一であるが、異なるCAI間に16O-richから16O-poorに至る約50‰の巾に分布している(Kobayashi et.al,2003)。本研究は26Alの存在と酸素同位体組成の不均一の相関を明らかにするため、Acf214中の酸素同位体組成の異なる6つのCAIについて二次イオン質量分析計(Cameca ims-1270)を用いてAl-Mg年代測定を行った。結果すべてのCAIについて26Mgの過剰はなく、26Alの存在と酸素同位体異常の程度に相関はなかった。これらの結果は原始太陽系円盤進化に次のような制約を課す。(1)Al-Mgシステムが時計として働くのであれば、CAI形成は原始太陽系円盤において300万年以上継続しその間酸素同位体不均一が円盤内に残っていた。もしくは、(2) 26Alと酸素同位体の不均一が円盤内に存在してこの両者の分布は相関がなかった。
著者
伴野 明 岸野 文郎 小林 幸雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.636-646, 1993-03-25
参考文献数
12
被引用文献数
52

本論文では,画像処理を用いた視線検出手法をインタフェースの環境で実現することをねらいとして,特徴点である瞳孔を安定に抽出するための照明条件について明らかにし,また,アクティブステレオカメラを用いて特徴点の空間位置を求め,視線を検出する装置の試作について述べる.瞳孔の抽出では,照明の波長と瞳孔像の輝度の関係,瞳孔の2値化に必要な照明強度などについて求めた.また,パイプライン画像処理装置を用いて特徴点を実時間で抽出した.視線の検出では,瞳孔と顔の3点を特徴点として用い.これらの動きを追跡するようにカメラを駆動制御し,検出範囲の拡大と高精度化を図った.試作システムを用いて,指標ボードを注視したときの注視点を実験により求め性能を評価したところ,頭部の動きを許容して,視角誤差1度程度で,毎秒10回の検出が可能であった.また,瞼などによって瞳孔像が欠落すると,注視点の検出精度が低下するため,瞳孔をだ円近似する手法を提案し,精度の低下防止に有効であることを示した.