著者
藤田 誠 小泉 章夫 飯島 康男 播 繁 樋口 聡 原田 浩司
出版者
日本建築学会
雑誌
学術講演梗概集. C-1, 構造III, 木質構造, 鉄骨構造, 鉄骨鉄筋コンクリート構造 (ISSN:1341447X)
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.267-268, 2003-09

愛媛県武道館の構造材料には愛媛県産スギによる集成材とともに、樹齢数百年のスギ原木を円柱加工したスギ円柱材(径620㎜)が使用されている。このスギ円柱材の長さは約5~13m、末口径800㎜以上の原木を八角形に製材、熱気乾燥後、円柱に加工され、最長約29mまで木ダボにより縦継ぎされている。これらスギ大断面円柱材の材内には、乾燥工程で生じる含水率傾斜の存在が危惧される。そのため、木ダボの引抜性能に及ぼす被着材の含水率の影響を実験的に検討するとともに、木ダボにより縦継ぎされたスギ円柱材の曲げ性能を評価した。
著者
孟 慶軍 平井 卓郎 小泉 章夫
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.281-288, 2008-09-25 (Released:2008-09-28)
参考文献数
18
被引用文献数
9 21

この研究では,現在情報の不足している木材と各種構造用面材との摩擦係数測定を実施した。針葉樹合板,広葉樹合板,OSB,MDF,火山性ガラス質複層板(VSB),鋼板について,木材および面材の繊維方向(強軸方向)のすべての組み合わせについて,摩擦係数を測定し,以下のような結果を得た。1.静止摩擦係数は0.2から0.4で,概観的にMDF>針葉樹合板>広葉樹合板>VSB>鋼板>OSBの順となった。2.動摩擦係数の静止摩擦係数に対する比は0.6から0.9で,平均値ではVSB>鋼板>広葉樹合板>OSB>針葉樹合板>MDFの順となった。3.摩擦係数は木材の比重と負の相関を持つことがわかった。4.木材の繊維に直交方向の摩擦係数は繊維に平行方向の摩擦係数より大きかった。合板表板の繊維方向についても,同様な傾向が見られたが,定量的な差は少なく,またOSBのストランド配向方向の影響はごくわずかであった。
著者
武藤 吾一 小泉 章夫
出版者
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション
雑誌
北海道大学演習林研究報告 = Research bulletin of the Hokkaido University Forests (ISSN:13470981)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.113-122, 2007-09 (Released:2011-01-28)

アオダモ(Fraxinus lanuginosa)は、バット用材としての生産を北海道の天然林に依存しており、蓄積資源の減少が懸念されている。アオダモの人工育成技術確立に寄与するため、北海道内8地域で採取したアオダモ、アメリカ合衆国5地域で採取したホワイトアッシュ・シュガーメープル、プロ野球・大学野球で使用され折損したバットを供試材料とし、各種強度試験を行った。試験結果から、造林適地の選定において重要となるアオダモの強度特性の地域間差を明らかにした。また、アオダモの成長速度と強度指標の間に顕著な関係が見られなかったことから、人工育成において速い成長速度と優良な材質の両立が可能であることがわかった。さらに、近年、バット用材としてのシェアを広げている北米材のホワイトアッシュ・シュガーメープルについてアオダモとの強度特性の違いを明らかにした。最後に、プロ野球・大学野球使用バットの結果から、現在バット材として重要視されている強度指標を明らかにした。
著者
小泉 章夫 澤田 圭 平井 卓郎
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

緑化樹の耐風性を定量的に評価する方法について検討し,評価手順を提示した。樹冠にかかる風圧力を推定するために,屋外で風速と樹幹の曲げたわみを連続的に測定することで抗力係数を評価する方法を開発した。得られた抗力係数を用いて,風速から樹幹や根鉢に作用するモーメントを算出できる。樹幹の曲げ耐力を求めるために,不整な樹幹の断面係数を非破壊的に評価する手法を開発した。また,緑化樹の引き倒し試験を行って,胸高直径と根返りモーメントの回帰式を決定した。