著者
松本 浩 下村 彰男 熊谷 洋一 小野 良平
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.225-228, 1996-03-29
参考文献数
12
被引用文献数
7 3

本研究では,身近な自然が豊かな東京西部の野川流域において,環境問題を扱う市民団体の活動の変遷を明らかにし,今後の活動の展開について考察することを目的とした。野川流域に存在し,かつ野川流域の環境や開発に関心を持ち活動している市民団体を対象にし,ヒアリング,会報等の出版物をもとに,活動対象,目的を達成する手段としてみた住民との関わり,行政との関わりの3つの観点から検討を進めた。その結果,野川流域の市民団体の活動の変遷は,「行政要求型」の1種類だった活動のタイプが,「まち型」「浸透実践型」が加わり,3種類に多様化してきたことがわかった。
著者
山下 結 伊藤 弘 小野 良平 下村 彰男
出版者
Japanese Institute of Landscape Architecture
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.677-682, 2012
被引用文献数
2

This study aims to clarify the changes of the relationship between green spaces and residents on Tamagawa Josui Green Way and to get hints on green preservation method. Changes of the relationship are considered by Policy changes, place changes and residents' consciousness changes. As the result of the study, from Edo era to 1950, Green Way was not intimate and was only visited for seeing cherry blossoms because Tamagawa Josui is at the edge of the villages. From 1950 to 1970, new community was created around Green Way through urban expansion. Green Way was very appreciated as a natural spot with images of Musashino by the immigrants. From 1970 to 1990, Green Way lost natural charm by artificial park construction and Tamagawa Josui drain. Residents started preservation activities. Since 1990, the image of Musashino with copses and canals revived on Green Way. In recent years cafes and concert houses appear along Green Way. Residents are enjoying Green Way in their daily life by designing their gardens or houses to melt into Green Way. As a result, it is suggested that the Tamagawa Josui scenic zone using the image of Musahino kept Green Way. When green space connects surround, residents tend to appreciate green spaces and to have daily relationship with green spaces.
著者
國村 周平 伊藤 弘 小野 良平 下村 彰男
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.845-848, 2009
被引用文献数
3

道路の高架下空間は従来その管理上の観点から、原則として、広場、公園、駐車場などの公共性の高い利用のみなされており、しかも周辺環境を必ずしも考慮せずに設置されてきたものが少なくない。過密な都市環境の中で高架下は現在においてもその空間の活用が一定度行なわれ、そこには公園や広場も存在する中で、その設置状況や利用の実態については把握されていない。これに関連しては鉄道の高架下に関しての研究があり、都心から15km圏内で盛んに活用され、都心から離れるに従って用途が変化していくことなどが知られている。また、道路では、高架下公園の構造上のタイプ分けに関する研究がある。しかしいずれにしても公園の具体的な利用状況には触れていない。そこで、本研究では調査対象地選定のために首都高高架下への公園等の設置状況を把握した後、地域住民による利用のされかたの特徴を明らかにし、特殊な空間である道路高架下環境とそこでなされる活動の関係を明らかにし、今後高架下の活用を考える際の一助としたい。
著者
加納 潤吉 小野 良平 熊谷 洋一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.845-850, 2002-03-30
被引用文献数
2 1

本研究は,地域の自然環境をいかしたコミュニティ空間としての河川を対象に,コミュニティ内の生活と信仰からなる「空間構成」の原型を把握し,さらに近代以降の空間構成の変容過程と,その要因としての人為的環境変化を明らかにし,空間構成における河川の役割の変容について考察することを目的とした。そして,目黒川沿いに成立し,地形条件の異なる3神社の氏子のコミュニティにおける空間を対象とし,文献およびヒアリング調査を行った。その結果,河川により形成された地形によって空間の領域が規定される等の,複数の空間構成の形態を見出せ,近代以降における空間の変容をこれら空間軸と河川との関係の変化として捉えることができた。