著者
篠崎 高志 下村 彰男 小野 良平 熊谷 洋一
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.721-724, 1999-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
11

大道芸は場所的, 時間的に観客を拘束せず誰もが気軽に楽しめるという魅力がある。本研究でば大道芸空間 (大道芸が行われている場) における行動を観察し, 空間的.時間的な変化に着目して行動特性を明らかにすることを目的とした。対象地点として線的.面的の2タイプの空間から2地点ずつ4個所を想定し, 各地点において演者が同一内容の大道芸を行い.高所に設置したビデオカメラにより人々の行動を記録した。得られた画像から大道芸空間において誘発される行動とその位置に関して分析し, また, 一人一人の行動を記録し, 行動区分した。その結果人と人との相互作用, 空間の性格演者からの距離により行動が決定付けられることがわかった。
著者
山本 清龍 下村 彰男 小野 良平 熊谷 洋一
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.735-738, 2000-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
12

本研究は, 日本の都市住民の多くが利用してきた銭湯に関して, 第一に, 戦後の都市拡張の中において行われた銭湯の立地の特性について把握し, 第二に, 銭湯周辺の物的空間構成から人々の生活行動に関わる空間秩序を読み取ることを目的とする。研究対象として, 東京都練馬区の銭湯65軒を抽出し, 道の階層性および住宅の集積との関係から立地特性の分析を行い, さらに銭湯周辺の商業施設の分布および商店の業態から空間構成の分析を行った。その結果, 銭湯は滞留時間の長い商業施設の中心に位置し, 都市拡張のフロンティアとして街並み形成に重要な役割を果たしていたことなどが明らかとなった。
著者
山本 清龍 下村 彰男 小野 良平 熊谷 洋一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.735-738, 2000-03-30
参考文献数
12

本研究は,日本の都市住民の多くが利用してきた銭湯に関して,第一に,戦後の都市拡張の中において行われた銭湯の立地の特性について把握し,第二に,銭湯周辺の物的空間構成から人々の生活行動に関わる空間秩序を読み取ることを目的とする。研究対象として,東京都練馬区の銭湯65軒を抽出し,道の階層性および住宅の集積との関係から立地特性の分析を行い,さらに銭湯周辺の商業施設の分布および商店の業態から空間構成の分析を行った。その結果,銭湯は滞留時間の長い商業施設の中心に位置し,都市拡張のフロンティアとして街並み形成に重要な役割を果たしていたことなとが明らかとなった。
著者
藤田 直子 小野 良平 熊谷 洋一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.417-420, 2005-03-31
参考文献数
45
被引用文献数
3 4

"Shasoh" is the peculiar forest spaces in Japan. The objective of our study is to make clear the meanings, significance, evaluations, and transition of Shasoh in a process of legislation of National Monuments. The period of research was from the Meiji Era to the early Syowa, and research method was using the journals named National Monuments to examine how they recognized the preservation system for national monuments. In the early period, it was observed that Shasoh was recognized not only as the forests with excellent scientific value but also as the space implying the combined value. Additionally, some of Shinto shrines were abolished and others were merged by government in this age. The research detected in those journals and other articles that SHIRAI Mitsutaro emphasized the value of Shasoh against that. However, the point of view to see the meaning of complicated values with Shasoh has vanished, on the other hand, Shasoh has become to be recognized as the place of botanical meanings.
著者
藤田 直子 熊谷 洋一
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.9-21, 2007-12-15 (Released:2011-08-17)
参考文献数
50
被引用文献数
4 4 2

近年, 空間配置やネットワーク概念によって都市緑地を捉えようとする動きが活発化している.このようなアプローチは, 従来の都市緑地の分析・評価に対して行われてきた緑被率や面積による判定では評価されない部分に対して価値を与えることを可能とし, 元来見逃されてきた緑地の潜在性を明らかにすることも可能であるため, 今後の緑地計画上大きな意義があると考えられる.このような視点で緑地の特徴を理解し, 都市緑地計画上に位置づけるためには, それらが各々の価値観に応じて配置されてきたことを理解し, それらの分布の特徴を把握する必要がある.その際, 緑地を画一的に取り扱うのではなく, 文化や歴史を培う基盤であり, 実際の空間と歴史性や場所性との間に連動性があることを理解した上で, 各々の配置されている特徴を空間的に理解する視点が重要である.以上をふまえ, 本研究では各々の歴史性や場所性を考慮して緑地を空間計画に生かすことを念頭に置き, 各々の立地場所そのものがそれらを示す指標であると考え, 各々の立地地点を比較してそれらの差異を明らかにし, それぞれの特性に応じた緑地の在り方や関係性を検討することを目的として研究を行った.研究対象地は東京都23区部とし, 「神社」「寺院」「公園」の分布形態の特徴と相違点を平面的分布形態と立体的分布形態から分析することにより, 3者の分布形態の特性及び地形との関係を明らかにした.その結果, 各々の立地分布の特徴は, 平面的分布形態では神社及び公園はランダム分布の傾向があり, 寺院は集中分布の傾向があることが明らかになった.一方地形との係わり合いを求めた立体的地形的特徴では, 神社が斜面地部に沿って線上に分布し, 寺院が斜面の下部の低地上や上部の台地上に集塊性を持って分布する特徴が認められた.このように神社・寺院・公園のタイプごとの分布形態の特徴と相違点を平面的分布形態と立体的分布形態から分析することにより, 神社の立地は凝集性を持たず全域にわたってランダムに分布しながら, 寺院や公園に比べて地形との結びつきが強いことが明らかになった.従って, 神社が集塊性を持たず局所的な分布の偏りが無くどの地域にも存在するため, あらゆる地域において緑地空間になり得る潜在的特性を持ち, なお且つ公園の立地と異なり, 地形の変化や自然性を考慮した緑地空間として評価できる空間に成り得る潜在的特性を持つことが示唆された.
著者
斎藤 馨 藤原 章雄 熊谷 洋一 塚口 馨介
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.689-692, 2002-03-30
参考文献数
7
被引用文献数
3 5

既設森林景観ロボットカメラによる映像記録を分析し,今後大容量の情報通信が可能な時代に対応した環境情報記録を検討し,ステレオ録音による環境音記録機能を付加し,画質精度向上のため最新映像記録方式を導入して改良カメラを開発した。同カメラを運用して得た動画像と環境音の記録には,野鳥昆虫の鳴き声や風雨音,木々の枝葉音等が記録され,従来の映像記録よりさらに詳細な環境情報が記録できることを明らかにした。鳥類専門家にヒアリングして音記録から同定できる鳥類を示し,音記録による環境モニタリングヘの応用を実証した。インターネットによる情報共有時に動画映像と環境音記録による同時多地点環境モニタリングの意義を展望した。
著者
藤田 直子 熊谷 洋一 下村 彰男
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.591-596, 2007-03-30
参考文献数
59
被引用文献数
3

The objective of this study is to make clear the difference of spatial conceptions of open spaces of Shinto shrines between "Shasoh" and its synonyms "Chinjyuno-mori" and "Shaji-rin". We approached the sides of qualitative changes and quantitative changes. By both side of research, we could make clear the meanings and their contexts considered with the social background of their words. As a result, we can mention similarities and differences between "Shasoh", "Chinjyuno-mori" and "Shaji-rin". From 1975 onward, the spaces of forest of Shinto shrines were attentioned for study site by various kinds of scientific fields. The spatial conception of "Shasoh" was intended for the space of forests only in Shinto shrines. This word was taken the Shintoism into their consideration. The spatial conception of "Chinjyuno-mori" was intended for image for gods or spiritual spaces "Geniusu Loci" in origin, and then intended for the valuable site for ecological and botanical study as space of native forest. The spatial conception of "Shaji-rin" was used by political stance at first, and then it was intended for the spaces involved in politics of forests and fields. This word wasn't distinguished between the space and image of Shinto shrine and Buddhism temple.
著者
大宮 直記 下村 彰男 熊谷 洋一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.429-437, 1995-03-29
被引用文献数
3 6

本研究は,個人を越えて社会に共通する風景の捉え方の集合意識を「景」とし,その存在と近代以降の変遷の特徴について考察を行ったものである。分析対象として近代以降の東京の名所図会・百景を取り上げた。その結果,作品間に共通した風景の捉え方,つまり「景」の存在することを確認できた。その変遷は(1)明治前期(明治20年代まで),(2)明治後期・大正期,(3)昭和戦前期,(4)昭和戦後期の4期に区分された。変遷の特徴の流れは,対象選択における価値基準の共有から個人の嗜好への「個人化」と,対象の捉え方における観念的捉え方から,客体として視覚優位の捉え方へ,そしてさらに活動場所自体を風景とする捉え方へと変化する「場所化」の二点にまとめられた。
著者
小野澤 寿志 持木 彫人 福地 稔 熊谷 洋一 石橋 敬一郎 石田 秀行
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.10, pp.2433-2437, 2015 (Released:2016-04-29)
参考文献数
14

症例は66歳,男性.胃癌U,Post,cType2,cT2,N0,H0,P0,M0,cStage IBの診断にて,腹腔鏡下胃全摘術,D2(-10)郭清術,Roux-en-Y再建術を施行.術後,第3病日より39度台の発熱を認め,第7病日に施行した上部消化管造影検査で,吻合部から腹腔内への造影剤流出を認め,縫合不全の診断となった.第8病日,透視下内視鏡下に経鼻胃管による経鼻経食道的腹腔ドレナージを開始.第22病日(ドレナージ開始後12日目)に膿瘍腔の消失を認めたため,胃管抜去しドレナージ終了した.その後は症状再燃なく,第38病日に退院した.胃癌術後の縫合不全により生じる腹腔内膿瘍に対し,経腹的アプローチが困難な症例でも,本治療法は低侵襲的に治癒可能であり,有用と考えられる.
著者
吉岡 太郎 熊谷 洋一 斎藤 馨
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.265-270, 1993-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
5
被引用文献数
1

コンピューターテクノロジーの進歩によって, 豊富な情報を可視化することが可能になり, 現在では, 非常に美しいフォトリアリスティックな森林風景を再現することもできる。しかしそれらは, 「そこにあるもの」を基本とし「そこに見えるもの」について考えられているものではない。最近の脳生理学の研究によって, 視覚情報は脳の中で (ニューロンレベルでも) 再構成され, それによって変化しているということが明らかにされている。したがつて, これからのCGは, 豊富な情報を分かりやすい形に再構成するという点も考慮する必要がある。本研究は, 日本画の手法を応用し, 我々が「見ている」形に視覚情報を再構成するという新たな試みである
著者
猪狩 公宏 藍原 有弘 落合 高徳 熊谷 洋一 山崎 繁
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.1708-1713, 2010 (Released:2011-01-25)
参考文献数
18
被引用文献数
3 1

目的:鼠径部ヘルニア手術に対する局所麻酔法と腰椎麻酔法との比較検討を行った.方法:対象は,当院で2008年5月~2009年11月の1年6カ月間に膨潤局所麻酔法にて局所麻酔下ヘルニア根治術を施行した25例27病変と,同時期に施行した腰椎麻酔下ヘルニア根治術46例50病変とを比較検討した.結果:局所麻酔群は男性22例,女性3例.平均年齢は64.4歳.片側ヘルニアが23例,両側ヘルニアが2例.ヘルニアのタイプは,外鼠径ヘルニアが22病変,内鼠径ヘルニアが5病変.施行術式はMesh-plug法が26病変,Marcy法が1病変.腰椎麻酔群と比較し,患者背景,手術時間,術後の疼痛コントロールにおいて有意差を認めなかったが,手術室在室時間は有意に短く,入院期間の短縮も可能であった.結論:局所麻酔下手術は術後の早期離床,早期退院が可能であり,医療経済も含め腰椎麻酔下手術より優れていることが示唆された.
著者
大越 美香 熊谷 洋一 香川 隆英
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.647-652, 2004 (Released:2005-12-12)
参考文献数
23
被引用文献数
8 6

The purpose of this study is showing relationship between the recognition of plants and animals and experiences in the nature. In this study, the recognition is regarded as the recollection in the childhood and the experiences is regarded as play and lifestyle in their childhood. First, the natural and social environments of Satoyama (including of forests, grasslands, ponds and streams) were gotten hold. As a result, the environment s were divided into times 3 types by playing spaces respond to the change of the times. Next, the kinds of plays in Satoyama and using plants and animals were cleared by the way that children asked their parents and grandparents about their childhood. The characters of the plays are catching animals, picking plants and gathering mushrooms and nuts, and that the character of the using is eating these. Finally, the results of examination of the relationship between recognition with experience are as follows. The recognition of insects are connected with catching and hearing chip, the recognition of birds are connected with catching, hearing chip and seeing, the recognition of small animals are connected with seeing, the recognition of plants are connected with picking, eating and seeing beautiful flowers.
著者
近谷 賢一 石橋 敬一郎 近 範泰 幡野 哲 天野 邦彦 石畝 亨 福地 稔 熊谷 洋一 持木 彫人 石田 秀行
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.167-175, 2019 (Released:2020-04-30)
参考文献数
11

【目的】実地医療における切除不能進行再発大腸癌に対するlate lineの治療成績を明らかにする.【対象・方法】2013年7月~2016年12月の間にlate lineとしてregorafenib,trifluridine / tipiracil(TFTD)の少なくとも1剤を使用した切除不能進行再発大腸癌41例を対象に,診療録からデータを抽出し,後方視的に解析した.【結果】Regorafenib先行群25例,TFTD先行群16例の間で無増悪生存期間,全生存期間ともに有意差を認めなかった.RegorafenibまたはTFTDのみが使用された22例より,2剤が使用された19例の方が全生存期間が延長していた(中央値20.8カ月vs.6.4カ月,p=0.02).【結語】大腸癌化学療法のlate lineにおいて,regorafenibとTFTDを使い切ることが,生存期間の延長に繋がる可能性が示唆された.
著者
塚本 俊介 下村 彰男 小野 良平 熊谷 洋一
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.709-712, 2000-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
12
被引用文献数
5

自己形成期に体験した心象風景 (現在でも印象深く思い出す風景) と, 居住空間の景観評価との関連性を探った。東京近郊在住者を対象としたアンケート調査によって, 自己形成期における心象風景を抽出した。被験者の風景想起当時の居住地によって心象風景を都市・郊外 (都市寄り)・郊外 (農村寄り)・農村の4タイプに分類し, 風景の記述を分析することでそれぞれの心象風景タイプの特徴を把握した。心象風景タイプごとに写真群を用いた景観評価実験を行った結果.1) 自己形成期の心象風景タイプに該当する居住景観の評価は, 郊外 (農村寄り) を除いて高い傾向にある, 2) 農村景観は心象風景タイプに関わりなく高い評価を得る, 等が明らかとなった。
著者
松本 浩 下村 彰男 熊谷 洋一 小野 良平
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.225-228, 1996-03-29
参考文献数
12
被引用文献数
7 3

本研究では,身近な自然が豊かな東京西部の野川流域において,環境問題を扱う市民団体の活動の変遷を明らかにし,今後の活動の展開について考察することを目的とした。野川流域に存在し,かつ野川流域の環境や開発に関心を持ち活動している市民団体を対象にし,ヒアリング,会報等の出版物をもとに,活動対象,目的を達成する手段としてみた住民との関わり,行政との関わりの3つの観点から検討を進めた。その結果,野川流域の市民団体の活動の変遷は,「行政要求型」の1種類だった活動のタイプが,「まち型」「浸透実践型」が加わり,3種類に多様化してきたことがわかった。
著者
斎藤 馨 熊谷 洋一 本條 毅 趙 東範 吉岡 太郎 筒井 一貴
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.197-200, 1995-03-31
被引用文献数
7 4

東京大学キャンパス樹木調査GISデータを用いて,建築物を含む樹木景観の現況把握・予測に必要な情報処理手法について検討した。GISデータから樹木・建築物の3次元データ生成・可視化するシステムを整備し景観シミュレーション画像を試作した。その結果,(1)既往樹木調査GISデータに植物成長モデルを適用して樹木景観を効率的かつリアルな予測,(2)市販GIS建築物データをベースにして設計CADシステムで景観予測に有効な建築物データの効率的な作成,(3)GISとCADとが相互にデータ共有して都市内樹木景観の現況・将来像の予測ができることを示し,今後の都市内における景観情報処理システムのプロトタイプを明らかにした。
著者
加納 潤吉 小野 良平 熊谷 洋一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.845-850, 2002-03-30
被引用文献数
2 1

本研究は,地域の自然環境をいかしたコミュニティ空間としての河川を対象に,コミュニティ内の生活と信仰からなる「空間構成」の原型を把握し,さらに近代以降の空間構成の変容過程と,その要因としての人為的環境変化を明らかにし,空間構成における河川の役割の変容について考察することを目的とした。そして,目黒川沿いに成立し,地形条件の異なる3神社の氏子のコミュニティにおける空間を対象とし,文献およびヒアリング調査を行った。その結果,河川により形成された地形によって空間の領域が規定される等の,複数の空間構成の形態を見出せ,近代以降における空間の変容をこれら空間軸と河川との関係の変化として捉えることができた。
著者
中間 大維 熊谷 洋一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.771-774, 2003-03-31
被引用文献数
1

This study aims at clarifying how the plunder of marine resources occurs in the Galapagos Islands, where recently, the plunder by local fishermen has become a big problem. It also tries to gain knowledge of what sustainable ecotourism should be like, for the benefit of future development of this type of tourism. The result from the questionnaire and interviews to the local and selected people show that, even though a large number of people immigrated to the Islands expecting to get a job in the tourism industry, in reality they only found the weak linkage between the tourism and the local, which does not supply them with much opportunity to work in the tourism industry. Thus, they had no choice but to become fishermen, which causes the plunder of marine resources. In contrast, other 3 sites chosen for comparison show the strong social and economical relationships between the sites and the locals and no signs of plunder. From this study, it is clear that in order to make ecotourism sustainable, it is essential not only to control the environment and nature strictly, but also to build strong social and economical linkage between the local and the tourism industry.