著者
落合 裕隆 白澤 貴子 島田 直樹 大津 忠弘 星野 祐美 小風 暁
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.452-457, 2010-12-28 (Released:2011-06-30)
参考文献数
28
被引用文献数
1
著者
北川 真希 田 啓樹 村國 穣 小風 暁 末木 博彦
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.325-332, 2021 (Released:2021-10-27)
参考文献数
20

鶏眼と胼胝は皮膚科領域で頻度の高い疾患であり,その臨床的特徴から区別されるが,同一の病態に基づく一連の疾患として扱われる.2008年から2018年の10年間にむらくに皮フ科を受診し,足底の鶏眼・胼胝と診断された患者2,133例を対象とし,診療録情報をもとに鶏眼・胼胝患者の年齢,性別,発生部位,発生数を中心に統計学的解析を加え,鶏眼・胼胝の疫学的事項につき共通点,相違点を明示することを目的とした.さらに生活習慣に関する問診事項から患者背景,発症誘因を検討した.その結果,以下の事実が明らかになった.鶏眼病変と胼胝病変はともに年齢層を問わず単発例より多発例が多い.鶏眼と胼胝を合わせた全体の男女比は1:2.1と女性に多い.対象者全体の34.4%に鶏眼と胼胝が合併し,合併例では鶏眼と胼胝が別部位に生じる症例より同一部位に混在する症例が多い.患者の年齢分布を鶏眼と胼胝で比較すると,男女を合算したピークはともに30歳代であった.男性の鶏眼は,高齢者では足底外側に,若年者では中間足趾に好発する(χ二乗検定事後解析,p<0.001).女性の鶏眼は,高齢者では中間足趾に,若年者では足底外側に好発する(χ二乗検定事後解析,p<0.001).女性の胼胝は,若年者の胼胝は第2, 第3中足骨関節部に多く発症する(χ二乗検定事後解析,p<0.001).ハイヒール使用群は非使用群と比較し第2, 第3中足骨関節部で有意に胼胝を多発する(χ二乗検定事後解析,p<0.001).以上より鶏眼と胼胝の好発部位は年齢層,性別により異なるため,属性別に発症のリスク因子を解析し,それぞれの再発予防策を検討する必要があると考えた.
著者
小風 暁 木庭 新治
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々はこれまでに長寿関連ミトコンドリアDNA 5178C/A(Mt5178C/A)多型とコーヒー飲用との高血圧リスク、高LDLコレステロール血症リスク、貧血リスクおよび肝障害リスクへの交互作用について報告した。また、Mt5178C/A多型と血清電解質濃度との関連についても報告した。今年度はMt5178C/A多型とコーヒー飲用との血清電解質(ナトリウム、塩素、カリウム、カルシウム)濃度への交互作用について検討した。1999年から2000年にM市の某病院の人間ドックを受診した602名のうち、女性、糖尿病患者、データ欠損がある人を除く男性402名(53.9 ± 7.8歳)を解析の対象とした。Mt5178C/A遺伝子型の判別は制限酵素AluIを用いたPCR-RFLP法によった。コーヒー飲用については、1日1杯未満、1日1-3杯、1日4杯以上、の3群に分けた。また、血清塩素濃度低値が心血管系疾患の危険因子として報告されている(De Bacquer et al. J Cardiovasc Risk, 1998)ことから、血清塩素濃度100mEq/L未満を血清塩素濃度低値とした。Mt5178C型においてコーヒー飲用が増えるほど血清ナトリウム濃度および血清塩素濃度が上昇した(順にP for trend = 0.033, 0.001)。また、コーヒー飲用杯数が増えるほど血清塩素濃度低値のリスクは低下した(P for trend = 0.032)。なお、百寿者に多いとされるMt5178A型においてはコーヒー飲用と血清電解質濃度との関連は認められなかった。Mt5178C/A多型はコーヒー飲用による血清ナトリウム濃度および血清塩素濃度への影響を修飾する可能性が示唆された。