著者
尾形 真実哉
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.49-66, 2012-03-20 (Released:2022-08-27)
参考文献数
38
被引用文献数
9

本稿の目的は,若年就業者の組織適応課題とされるリアリティ・ショック(reality shock)に焦点を当て,それが若年就業者の組織コミットメントや組織社会化,離職意思にどのような影響を与えているのかを理解することにある.本稿では,若年ホワイトカラーと若年看護師を対象として得られた質的/量的データを用いて比較分析を行った.分析の結果,組織コミットメントや組織社会化,離職意思に影響を与えているリアリティ・ショックは,それぞれ異なることが示された.
著者
尾形 真実哉
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.55-68, 2015-03-20 (Released:2015-06-19)
参考文献数
21

本稿の目的は,新卒採用活動(以降,採用活動)に焦点を当て,そこで重要な役割を果たす自社が求める人材が多く集う良質な応募者集団を形成するために必要な組織内部の要因(組織要因と部門要因)は何かを検討することにある.調査は日本の上場企業に対するインタビュー調査と質問票調査の双方を用いて得られたデータを基に分析を行った.分析結果は,日本企業の新卒採用活動に関する理解を促進するものである.
著者
勝原 裕美子 ウィリアムソン 彰子 尾形 真実哉
出版者
一般社団法人 日本看護管理学会
雑誌
日本看護管理学会誌 (ISSN:13470140)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.30-37, 2005 (Released:2018-12-28)
参考文献数
15
被引用文献数
5

本研究の目的は,新人看護師のリアリティ・ショックの実態を明らかにし,その類似性に着目して類型化を試みることである.データ収集時期は,就職直前の3月と,就職後2~3か月の時点との二時点で,同一対象者に個別面接調査を実施した.面接内容は許可を得て録音した後,記述データに変換し,組織参入前後における認知のズレから生じる否定的な感情を拾って整理した.その結果,リアリティ・ショックには7つの型があることがわかった.それらは,「医療専門職のイメージと実際とのギャップ」「看護・医療への期待と現実の看護・医療とのギャップ」「組織に所属することへの漠然とした考えと現実の所属感とのギャップ」「大学教育での学びと臨床実践で求められている実践方法とのギャップ」「予想される臨床指導と現実の指導とのギャップ」「覚悟している仕事とそれ以上にきびしい仕事とのギャップ」「自己イメージと現実の自分とのギャップ」であった.結果から,就職後の仕事内容が予測されているにもかかわらず,看護師にリアリティ・ショックが起きるのは,学生から看護師への移行期に組織社会化と専門職への社会化の双方が求められるためであること,程度の差こそあれ看護師なら誰にでもリアリティ・ショックが起きうることを前提としたうえで新人研修等の計画を立てる必要があることなどが示唆された.
著者
尾形 真実哉
出版者
The Japanese Association of Administrative Science
雑誌
経営行動科学 (ISSN:09145206)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.91-112, 2012

In recent years, Japan has witnessed new phenomena such as early turnover among young workers and the proliferation of "freeters" and "NEETs." These phenomena denote the social problems faced by young workers when adapting to the workplace. Resolving these rising problems is important to Japanese companies and their management. In this study, the factors that promote young workers' organizational adaptation are analyzed and examined. Specifically, this study focuses on anticipatory socialization, the superior, the colleague, the peer, and the workplace. This study defines them as organizational adaptation agents. In order to understand the role of such agents, the authors conducted a comparison analysis on data collected through questionnaire surveys from young white-collar workers (N=227) and nurses (N=237). The results revealed the existence of a variety of organizational adaptation agents, and that different agents influenced early affective commitment, organizational socialization, and turnover intentions. This study's results can facilitate young worker's organizational adaptation and preclude early turnover.