著者
江村 隆起 古村 眞 渡辺 栄一郎 尾花 和子 佐藤 毅
出版者
埼玉医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

無用の長物として扱われてきた虫垂は、安易に切除される傾向にあったが、虫垂の免疫学的な重要性が報告され、虫垂を失うリスクが知られるようになった。そこで、虫垂炎を予防し、虫垂を残していくことが重要である。近年、急性虫垂炎の虫垂内は、口腔内細菌であるフゾバクテリウム属菌が優勢であることが報告された。腸管内へ移行し難い口腔内細菌が、虫垂細菌叢で優性となる原因の究明が、虫垂炎の病態解明につながる可能性がある。そこで、口腔内細菌叢と虫垂炎の関連について検討し、口腔内環境改善による虫垂炎の予防法について検討する。
著者
尾花 和子 土田 嘉昭 上井 義之
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

N-myc遺伝子の増幅は、神経芽細胞腫の予後を反映することが知られているが、その遺伝子産物であるN-Myc蛋白の発現を調べるために抗N-Myc抗体を精製した。N-Myc蛋白の既知のアミノ酸配列の中から二種のペプチドHGRGPPTAGSTAQSPG(codon.136-151)およびGVAPPRPGGRQTSGGDH(codon.223-239)を選び、これを合成し、lisine coreにmultiple antigen peptide(MAP)methodにより結合させ、抗原として家兎に免疫した。得られた家兎血清のIgG分画をアフィニティ・カラムにかけて精製した。精製されたIgGの特異性を検定したところ、抗GVAPPRPGGRQTSGGDH特異IgGは、N-myc遺伝子の発現が知られているヒト神経芽細胞腫の細胞株についてN-Myc蛋白と思われるバンドの発現を示したが、ヒト横紋筋肉腫細胞株や、ヒトユーイング肉腫細胞株では反応を示さなかった。また、免疫染色においても、抗GVAPPRPGGRQTSGGDH特異IgGによりN-myc遺伝子の発現が知られているヒト神経芽細胞腫の細胞株の核内に強い染色がみられ、抗GVAPPRPGGRQTSGGDH特異IgG(anti-17M)は抗N-Myc蛋白ポリクローナル抗体であると考えられた。さらにその他の神経芽細胞腫細胞株およびxenograft、神経節芽腫組織、正常副腎組織、横紋筋肉腫細胞株、ユーイング肉腫細胞株、肺小細胞癌細胞株を用い、上記抗GVAPPRPGGRQTSGGDH特異IgG(anti-17M)を用いてimmunoblotおよび免疫染色を行ったところ、N-myc遺伝子の増幅のある腫瘍においてのみ陽性の反応がみられた。