著者
小島 克則 門磨 義則 山内 淳一
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.316-321, 1997-07-25
被引用文献数
9

アセトンに6-〔N-(ビニルベンジル)プロピルアミノ〕-1, 3, 5-トリアジン-2, 4-ジチオン(VBATDT)を単独あるいは10-メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(MDP)とともに溶解させた歯科用金属接着性プライマーを試作した.試作プライマーで表面処理した金属にコンポジット系レジンセメントのパナビア21を接着させ, 接着強さを調べた.その結果, VBATDT単独よりMDPと併用することにより貴金属のAg, Pt, Pdや卑金属のCr, Tiでは接着増強効果が認められた.VBATDTとMDPを併用したプライマーを塗布し, 乾燥させる処理では, MDP濃度が1.0wt%の場合, VBATDT濃度が5.0wt%よりも0.1または0.5wt%の方が高い接着強さが得られた.さらに, VBATDTを0.5wt%としてMDP濃度を変化させた結果からは, 好ましいMDP濃度は0.2〜0.5wt%程度であることが示唆された.
著者
山内 淳
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.25-36, 2005

ルイ12世は、前王シャルル8世と同様、イタリア遠征に執念を燃やした。だが当時のイタリアは、ヨーロッパ強国による利権争奪の地となっており、混沌とした状況が続いていた。一方、フランス国内では、国王夫妻の長女クロードの結婚問題が浮上していた。宮廷の大方は、王位継承第一位のフランソワ・ダングレームとの縁談を望んでいたが、ブルターニュ公国の再度の自治権確立を目指す王妃アンヌは、神聖ローマ帝国の後継者との縁組を画策していた。フランス国王夫妻は、娘の結婚問題で対立することになる。本論は、ブルターニュ公国の女公爵アンヌ・ド・ブルターニュについての考察の続きである。
著者
大串 隆之 高林 純示 山内 淳 石原 道博
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

植物-植食性昆虫-捕食者からなる多栄養段階のシステムを対象にして、フィードバック・ループの生成メカニズムとしての植物-植食者相互作用の重要性を実証し、その高次栄養段階に与える影響とメカニズムの生態学的・化学的・分子生物学的基盤を明らかにした。さらに、植食者の被食に対する植物の防衛戦略とその結果生じる間接効果についての理論も発展させた。これまでの3年間の総括を行い、間接効果と非栄養関係を従来の食物網構造に組み込んだ新たな「間接相互作用網」の考え方を提唱した(Annual Review of Ecology, Evolution, and Systematics 36:81-105)。さらに、「間接相互作用網」の生態学的意義とその概念の適用について世界に先駆けて単行本の編集を行った(Ohgushi, T., Craig, T. & Price, P.W. 2006. Ecological Communities : Plant Mediation in Indirect Interaction Webs, Cambridge Univ. Press)。本プロジェクトの成果の多くは、すでに国際誌に公表されている(研究発表リストを参照)。これらの成果に基づいて、植物の形質を介した間接効果が植物上の昆虫群集における相互作用と種の多様性を生み出している重要なメカニズムであることを指摘し、間接相互作用網に基づく生物群集の理解のための新たなアプローチを確立した。このように、本プロジェクトは陸域生態系の栄養段階を通したフィードバック・ループの実態解明と理論の確立に大きな貢献を成し遂げた。