著者
牧野 耕次 比嘉 勇人 甘佐 京子 山下 真裕子 松本 行弘 山本 佳代子
出版者
滋賀県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

境界とは、二つ以上のものを区切る時のさかい(境)となるものであり、人間に関しては、身体的、心理的、社会的、霊(スピリチュアル)的境界があると言われている。本研究では、精神科における看護師の境界の調整に関する技術的要素を抽出し、その技術をどのように獲得してきたのかを明らかにした。さらに、総合病院の患者-看護師関係における境界概念に関するモデルを抽出した。
著者
山本 佳代子 稲木 光晴 山根 正夫
出版者
西南女学院大学
雑誌
西南女学院大学紀要 (ISSN:13426354)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.66-71, 2005-02-28
被引用文献数
1

人は動物から様々な恩恵を受けている。動物介在療法/活動はハンディキャップを持つ人に心理学的、身体的、社会的に望ましい効果を与える。我々の国では、動物介在療法/活動は高齢者や障害者の福祉施設において行われている。しかしながら、動物介在療法/活動が体系的に行われている施設は少なく、それ故に動物介在療法/活動の効果に関する研究も少ない。我々は動物介在療法/活動の一つである乗馬療法の効果について研究している。本稿において我々は、乗馬療法の歴史・目的・手順に加えて最近の研究で報告された乗馬療法の効果についてレビューする。
著者
牧野 耕次 比嘉 勇人 山本 佳代子 甘佐 京子 山下 真裕子 松本 行弘
出版者
滋賀県立大学人間看護学部
雑誌
人間看護学研究 (ISSN:13492721)
巻号頁・発行日
no.10, pp.101-108, 2012-03

背景 看護におけるinvolvement (かかわり) は患者との関係を構築し患者のニーズに沿った看護を行う上で重要な概念である。他方、involvementの他の訳語である「巻き込まれ」は、患者との関係においてストレスになることが示唆され、問題として警告されてきた。involvementは我が国においてなじみのない概念であり一つの概念としてほとんど認識されてはおらず、両価的な評価をそれぞれ反映し、かかわりと「巻き込まれ」として認識されていると言える。 看護におけるinvolvementを概念として理解せず、かかわりの技術 (skill) を修得しないまま臨床で働く看護師は、巻き込まれすぎて精神的に落ち込んだり、患者に近づけず、深くかかわることができなかったりするなどの問題に直面した時に、振り返って解決する糸口を見つけにくいと考えられる。 目的 看護におけるかかわり (involvement) を意識化し、適度な距離を持って患者とかかわることができるようになることを目指した「看護におけるかかわり研修」を看護師に実施し、その効果を検討する。 方法 関西圏の700床以上の総合病院に勤務する看護師23名を対象に、看護におけるかかわり研修を実施し、その前後のOver-involvement尺度 (OIS) およびUnder-involvement尺度 (UIS) を測定し、前後の因子および尺度得点を比較した。 結果 研修終了約1ヵ月後に、OIS高群の得点合計が49点 (P=0.027) 、因子「被影響性」の得点合計が20点 (P=0.027) 、さらに因子「気がかり」の得点合計が20点 (P=.020) と有意に低下した。同様に、UIS高群の因子「不関与」が13点 (P=0.047) 低下し、さらにUIS低群の因子「不関与」が11点 (P=0.026) 、有意に増加した。 結論 本研修がover-involvementの傾向をより強く示す対象者に対して、選択的にその傾向を緩和する可能性が示唆された。また、患者との心理的距離を近づけることがより難しい対象者に関して、患者の内的世界にかかわろうとしない傾向が緩和されたことが示唆された。さらに、患者との心理的距離を近づけることに、より困難を覚えていない対象者について、患者の内的世界にかかわり過ぎる傾向が緩和されたと推察できる。
著者
山本 佳代子
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学社会福祉学部紀要 (ISSN:1341044X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.53-63, 2007-03-20

The purpose of this study is to clarify the status of learning support for children in residential care, using the interview for workers. It is found that they have a lot of difficulties such as a shortage of workers, lack of supporting time and poor study circumstances. There findings suggest that it necessity for protection of learning rights of the children and skill for living, which is based on relationship between children and workers.