著者
山本 司 盛岡 通 尾﨑 平 北詰 恵一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.II_89-II_98, 2012
被引用文献数
3

本研究では,人口減少および低炭素社会への移行の中で,ごみ焼却施設を更新していくシナリオの構築に基づき,広域化とエネルギー回収を評価する手法を開発した.兵庫県を対象に2010年から2030年のコスト,CO<sub>2</sub>排出量,総発電量,リサイクル率,最終処分量を算定した.広域化シナリオは,Bauシナリオよりも収集コストは増大するものの,施設運営・管理にかかるコストを低減できるため,両シナリオには差がないことを明らかにした.また,発電の効果を売電収入およびグリーン電力としてCO<sub>2</sub>削減に計上すると,わずかに広域化シナリオの方が優位となった.総発電量に限って言えば,広域化シナリオでは,Bauシナリオの2倍近い発電量が得られ,地域エネルギー供給施設の拠点となり得ることが示唆された.
著者
山本 司将 中村 健太郎 山口 雄一郎 松浦 尚志
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.135-142, 2019 (Released:2019-05-02)
参考文献数
11

目的:本研究の目的は超高速MRI装置を用いて咀嚼運動時における顎関節部の撮像を行い,咀嚼運動時における下顎頭と関節円板の動態を読影するとともに,下顎頭および関節円板が移動した距離を測定できるかどうかを分析することである.材料と方法:被験者は健常有歯顎者の成人男性歯科医師1名とし,高速撮像が可能なMRI装置を用いて,顎関節部の習慣性開閉口運動ならびに被験食品(ガムとカマボコ)の咀嚼運動について撮像を行った.撮像によって得られたDICOMデータからDICOMビューア上で顎関節部の動態を読影し,下顎頭と関節円板の移動距離を計測した.考察:顎関節部を超高速MRI装置で撮像を行うことで,従来行われてきた顎関節の形態や開閉口運動の読影のみではなく,咀嚼運動時における下顎頭と関節円板の運動(顎関節部の動態)を読影することができた.結果として咀嚼運動時における下顎頭と関節円板の移動距離を計測することが可能であり,その移動距離がわずかであることがわかった.結論:咀嚼運動時の顎関節を超高速MRI装置で連続撮像することで下顎頭と関節円板の運動(顎関節部の動態)を読影することができ,同時に下顎頭と関節円板の移動距離を計測することが可能となった.
著者
石井 淳子 山本 司郎 吉村 元 藤堂 謙一 川本 未知 幸原 伸夫
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.165-170, 2015 (Released:2015-03-17)
参考文献数
26
被引用文献数
2 5

症例は82歳女性.呼吸困難で入院し,白血球17,700/μl,好酸球52%(9,204/μl),好酸球増多をおこす基礎疾患をみとめず,特発性好酸球増加症候群(hypereosinophilic syndrome; HES)と診断した.第6病日に左上下肢麻痺が出現し,頭部MRIで両側大脳半球分水嶺領域・小脳に散在性多発微小脳梗塞をみとめた.心エコーで左室壁全周性に血栓をみとめ,Löffler心内膜心筋炎合併による左室内血栓からの多発脳塞栓症であると考えた.抗凝固およびプレドニゾロン内服開始後,脳梗塞の再発はなかった.HESの合併症として脳梗塞を呈した際は,心内膜心筋障害を評価し早期治療介入が必要である.