著者
南 憲明 山田 芳郎 田崎 三郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.54, no.8, pp.1219-1222, 2000-08-20

高度情報化社会の進展にともない, マルチメディア情報の著作権保護などを目的とした画像データへの付加情報埋め込み方法がいくつか提案されている.筆者らは既に画像における標本化格子の2次元位相変調の概念に基づく付加情報の埋め込み方式を提案した.本論文では, この方式における符号化信号処理手法について, 静止画符号化(JPEG)に対する耐性を通して, 復号誤り率の観点から検討を行っている.その結果, スプライン補間および帯域制限補間による符号化処理は, その処理量は増加するものの, 双1次補間による処理よりも付加情報の復号誤り率を小さくできることを明らかにしている.たとえば, 標準画像"Zelda"の場合, JPEG圧縮比3.6, 位相シフト量a=0.1において復号誤り率を双1次補間の場合の約1/5にまで低減できることを示している.
著者
芳野 重俊 田崎 三郎 都筑 伸二 山田 芳郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27
被引用文献数
4

最近、高密度ディジタル記録においてビタビ検出技術は、PR(Partial Responce)技術と結びついて重要な役割を果たしている。このビタビ検出での問題点は、ACS操作の複雑さと、トレリス線図上の生き残りバスを遡りマージ状態を探索するために多くの処理時間が費やされることである。本稿では、バス形状マトリクスを使用した代数的探索法のバス形状マトリックスをロザリオ型に変更することで、より単純で高速化が可能な探索法を得たので提案する。
著者
都築 伸二 山田 芳郎
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

漏電ブレーカの誤動作問題と従来のN-L (コンセントのN (Neutral)とL (Live)端子を用いる) 伝送時の信号減衰問題の両方を回避できる方式として、PE端子(Protective Earth, コンセントの3番目のアース端子)とN端子間に信号を注入するN-PE伝送方式をまず提案した。しかしこのN-PE方式でも、ビルのフロア間通信は困難であった。そこで、フロア間を縦断するケーブル(1線のみでよく、信号の帰路は大地を用いる)をインダクティブカプラでクランプして、PLC信号をシングルエンド型で伝送する一線式PLC伝送方式も開発した。
著者
山田 芳郎 和気 一博 田崎 三郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.14, no.55, pp.33-38, 1990-10-24

Capability of the progressive reproduction is a factor desirable for embedded data compression scheme in image database systems. This paper presents an image data compression scheme based on a hierarchical bicubic spline interpolation and vector quantization. In our method, input images are decomposed hierarchically into a decimated image and some decimated residual images with various decimation ratios, e.g. 8 : 1,4 : 1 and 2 : 1. In order to remove redundancy among samples, an adaptive decimation method is introduced. And then the decimated samples are quantised by the tree search vector quantizers. Simulation experiments are done for the three-stage hierarchical decimation/interpolation and the four-dimensional eight-bit tree search vector quantization.
著者
田崎 三郎 高島 隆雄 山田 芳郎 都築 伸二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.16, no.72, pp.7-12, 1992-11-12
被引用文献数
4

本稿においては,従来形3値記録符号の一形式に属する3B-2T符号及び4B-3T符号に対して各種PRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式を適用し,状態推移行列とシンボル推移行列を考慮して,ビット誤り率特性を計算機シミュレーションによって求めている.その結果,検討したPRMLとの組合せの内で,PR(1,0,-1)MLとの組合せにおいて両符号とも,最も良い性能が得られ,ビットバイビット検出に比べて誤り率が10^<14>を達成するのに必要な読みだし点でのSNRは,3B-2T符号で約2.3dB,4B-3T符号で約2.2dB改善された.また,PR(1,0,-1)方式の際にk_1制約を考慮することにより,両符号ともさらに0.4dBの改善があった.
著者
都築 伸二 山田 芳郎
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

従来の電力線通信(PLC)は100ボルトの電力線間に通信用信号を重畳する方式である。一方本研究では100ボルトの線とグランド間にも同時に注入(ファントムモード注入と呼ぶ)する新しい通信方式を検討した。ファントムモードで注入した高周波信号は、空間に微弱ながら信号を放射する。従って、複数の電力線が配線されている閉空間では微弱電磁界で満たされ、無線通信が可能となる。こうした形態で行うPLCを"有線・無線融合型PLC"と呼ぶ。本研究では、室内の移動体の位置を高精度に特定できる、つまり通信と測位を同時に実現できるような有線・無線融合型PLC方式を検討した。主な成果は以下の2点である。(1)微弱無線通信技術:本研究では、ファントムモード信号の注入・抽出器、及び効率良くアンテナとして励振するために必要なアンテナカプラを開発した。また電力線の配線形態によってアンテナ効率が著しく変動する問題に対しては、PLCモデムに使用されるACコードをシールド付きのものにすることによって解決した。これらの成果は特許としても出願した。(2)高精度位置特定技術:ホームロボットのナビゲーションを行うことを想定し、可聴音DS-CDMによる屋内高精度位置推定法およびその精度を検討した。(1)の微弱無線により、マイクとスピーカを同期させ、室内のように障害物の多い環境下でも数cmの精度で測位できる技術を開発した。ただし、(a)障害物に隠れていても回折波で測定できるものの精度が劣化すること、及び(b)移動体の測定においてはドップラー効果の影響が懸念された。(a)については測定精度の検定方法を提案した。(b)に対しては、チップ長1023チップのM系列を用いる場合、許容される移動体速度は1m/sec以下であることを明らかにした。本研究で得られた成果は国際会議で3件発表し、招待論文や解説記事としても出版した。