著者
斉藤 正一 岡 輝樹
出版者
東北森林科学会
雑誌
東北森林科学会誌 (ISSN:13421336)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.94-98, 2003
被引用文献数
2

山形県におけるクマ有害駆除数に関連する要因について解析し,駆除数予測の可能性を検討した。春季有害駆除数は消雪日から回帰することができたが,夏秋季有害駆除数を予測するための因子は検出できなかった。しかしながら各年の有害駆除数の増減は堅果類の凶作指数の増減に応答する傾向があり,堅果類の豊凶を予測するシステムの充実が適正な被害防除法の確立に寄与するであろうと考えられた。
著者
大西 尚樹 玉手 英利 岡 輝樹 石橋 靖幸 鵜野 レイナ
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

日本のツキノワグマはアジア大陸から日本に渡来してきた後に、3つの遺伝グループに分岐し、各地域で遺伝的な分化が進んでいることが示唆された。こうした遺伝構造は、近年の大量出没においては一時的に崩れるものの、すぐに回復し維持されることが明らかになり、各地域の遺伝的なまとまりを保護管理ユニットとして適応出来ると考えられた。九州では1987年に捕獲された個体が本州由来であることが明らかになり、1957年以降捕獲がないことから絶滅の可能性が強くなった。