著者
和田 直子 岡山 裕美 熊崎 大輔 大工谷 新一
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.41-44, 2012 (Released:2012-12-27)
参考文献数
8
被引用文献数
2

Limited range of motion in the knee joint is often observed in patients after total knee arthroplasty. Decreased extensibility of the skin is one of the factors limiting motion. The purpose of this study was to examine the extensibility of the skin over the knee during knee flexionat at angles of 0°, 30°, 60°, 90°, 120°, 150°, and maximal flexion as performed by 30 healthy subjects (15 males, 15 females). The skin covering the anterior area of the knee was divided into 4 sections: skin over the femur, the suprapatellar bursa, the patella, and the patellar ligament. The dimensions of each section at each flexion position were measured. The results indicate that the extensibility of the skin over the suprapatellar bursa and the patella in positions from 0° to 30° was significantly greater than that covering the femur and the patellar ligament (p<0.05). In addition, as the degree of knee flexion increased, the extensibility of the skin over the suprapatellar bursa and the patellar ligament was greater than that over the other areas. The results of this study indicate that evaluation of skin extensibility during physical therapy for patients with limited range of motion in the knee must include not only the area that shows limited motion but also the surrounding areas.
著者
岡山 裕美 鶴池 柾叡 大工谷 新一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.897-901, 2015 (Released:2016-01-09)
参考文献数
16

〔目的〕ダイナミックストレッチング(DS)の実施前後,実施10分後の股関節屈曲可動域と膝関節伸展筋力および筋活動の変化を比較検討することを目的とした.〔対象〕実験の趣旨説明に同意を得た健常男性23名とした.〔方法〕DS実施前後と10分後に股関節屈曲可動域と膝関節伸展のピークトルクを計測した.ピークトルクの計測と同期し,表面筋電図を計測した.〔結果〕股関節屈曲可動域と膝関節伸展のピークトルク,中間周波数はDS実施前より直後,10分後に有意に高い値を示した.〔結語〕DSは股関節屈曲可動域の拡大に関与するといえる.また,運動単位の動員数は変化しないが,発火頻度が集中するなどの質的な変化が生じることが示唆される.
著者
岡山 裕美 大工谷 新一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.499-503, 2019 (Released:2019-08-28)
参考文献数
23

〔目的〕歩行速度を増加させる際における腓腹筋内側頭と外側頭の筋活動について検討することを目的とした.〔対象と方法〕健常成人男性10名を対象とした.歩行中の腓腹筋内側頭と外側頭から表面筋電図を記録し,2.5 km/hから4.0 km/hに速度を上げる時期(加速時Ⅰ)および4.0 km/hから5.5 km/hへ速度を上げる時期(加速時Ⅱ)における筋電図積分値の相対値を比較検討した.〔結果〕筋電図積分値は,加速時Ⅰ・Ⅱともに内側頭が外側頭より有意に高値を呈し,双方の筋電図積分値は加速時Ⅰよりも加速時Ⅱにおいて有意に高値を示した(p<0.05).〔結語〕歩行の加速時における腓腹筋の筋活動量は,内側頭の方が外側頭よりも大きいことが確認された.
著者
岡山 裕美 大工谷 新一 黒澤 和生
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.623-633, 2019

<p>〔目的〕歩行速度を変化させた場合のPhysiological Cost Index(PCI)および表面筋電図の変化とそれらの関係性を明らかにすることとした.〔対象と方法〕対象は整形外科学的,神経学的に問題のない健常者35名とした.歩行速度は各被験者が快適であると感じる歩行速度(FWS)を基準とし,5種類の歩行速度で歩行させた.その際,心拍数および表面筋電図の計測を行い,PCI値,筋電図積分値(IEMG),中間周波数(MdPF),平均周波数(MPF)を算出した.〔結果〕PCI値はFWSにおいて-50%FWS,50%FWSより有意に低値を示した.歩行速度の増加に伴いIEMGは増大したが,MdPFとMPFは低周波から中周波帯域での活動を示した.〔結語〕歩行速度の増加に伴いPCIはFWSより速くても遅くても増大し,IEMGは増大することが確認された.</p>
著者
法所 遼汰 岡山 裕美 大工谷 新一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.253-256, 2016 (Released:2016-04-29)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

〔目的〕高齢者の円背姿勢を再現した胸腰部屈曲位における立ち上がり動作での下肢の筋活動と関節角度の特徴を明らかにする.〔対象〕健常成人男性10名とした.〔方法〕胸腰部屈伸中間位,胸腰部20°屈曲位および胸腰部40°屈曲位の条件下で,表面筋電計とビデオカメラを用いて立ち上がり動作を実施し,下肢筋の平均振幅の相対値と活動順序,体幹前傾角度と下腿前傾角度を算出した.〔結果〕胸腰部屈伸中間位と比較し,胸腰部40°屈曲位では前脛骨筋の平均振幅の相対値と体幹前傾角度および下腿前傾角度が有意に増加した.また胸腰部40°屈曲位では,前脛骨筋が他の筋よりも有意に早く活動を開始した.〔結語〕胸腰部屈曲角度の違いは,前脛骨筋の筋活動と下腿前傾角度に影響を与えていると考えられた.
著者
武田 広道 岡山 裕美 大工谷 新一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.229-232, 2015 (Released:2015-06-24)
参考文献数
8
被引用文献数
1 5

〔目的〕本研究は胸椎弯曲角度,腰椎弯曲角度,骨盤後傾角度が胸郭可動性や呼吸機能に影響を及ぼす程度を明らかにすることを目的とした.〔対象〕対象は健常成人男性14名とした.〔方法〕骨盤前後傾中間位,10°後傾位,30°後傾位,50°後傾位の端座位で呼吸機能,胸郭拡張差,胸腰椎弯曲角度を測定した.また胸郭可動性,呼吸機能と胸椎後弯角度,腰椎後弯角度,骨盤後傾角度の関係について重回帰分析を行った.〔結果〕胸郭可動性と呼吸機能は骨盤後傾角度の程度に最も影響された.次いで腰椎後弯角度,胸椎後弯角度が影響した.〔結語〕骨盤後傾角度の改善が胸郭可動性と呼吸機能を改善する可能性があることが示唆された.