著者
福田 誠治
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.192-203, 2008-06

教育政策は、国を越えた活動主体によって規定される時代に入った。生涯学習は、個人の自立を目指し、国民形成から個人の能力育成へと教育目的を変えるように促すが、同時にまた、グローバルな教育産業の活動領域を整備し、教育界を能力争奪の経済的・政治的な舞台に変えることも意味している。今日すでに、高等教育は、このように国家利益を越える段階に入っている。あるいはまた、国際的な教育指標の確定、とりわけ国際学力調査は、競技場(アリーナ)を国際化するので、国の教育政策に少なからぬ影響を及ぼすようになってきている。技術革新や世界的な産業構造の変化は、伝統的・固定的な職業専門性の育成という教育システムを崩しつつあり、知識量や技能の正確さ・スピードという学力規定は考える力や学び続ける力へと重心を移さざるを得なくなっている。多文化・多民族・多言語の共存・協調へと向かうEUは、OECDを舞台にして教育制度・教育理念を組み替えつつあり、日本もこれと無縁ではない。
著者
坂井 優美 木村 智博 福田 誠 橋本 治 岡田 勝也 伊藤 真理 川原 潮子 岩波 基
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.31-44, 2010 (Released:2011-09-14)
参考文献数
23
被引用文献数
2 2 1

兵庫県南部地震以降,廃棄物学会を中心に,地盤工学領域では応用地質学会や日本粘土学会等が災害廃棄物の調査を行うようになった.本研究では2007年新潟県中越沖地震を例に,廃棄物行政の実態を俯瞰し,住民に求められる危機管理の方向性を現地調査やアンケート等で明らかにした.また,東京都等の震災廃棄物対策を参照しつつ,地盤材としての有効性を検討した.この一連の流れで,徹底した分別回収がなされたこと,家族や住民間の協力で非常時の自主防災の成否につながったこと,膨大な廃棄物でも適正処理により環境影響を低減出来る可能性が筆者らの調査で示唆された.さらに廃棄物に内在する重金属にも言及し,新潟県内海岸部での調査結果や処理技術の現状も参考のために概観した.
著者
福田 誠治
出版者
都留文科大学大学院
雑誌
都留文科大学大学院紀要 (ISSN:18801439)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.67-85, 2005
著者
福田 誠治 遠藤 忠 岩崎 正吾 袴田 邦子 関 啓子 松永 裕二
出版者
都留文科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、これまでの経験の蓄積をもちながらすでに変化を始めているロシアをフィールドとして、教育の多様化・個別化を総合的に検討しながら、英才教育の歴史的展開の研究、今日の学校多様化の実地研究、学校多様化の制度モデルの構築を行うことである。初年度はモスクワ、ヤロスラブリ、カザン、また次年度はモスクワ、サマーラ、ノボシビルスクの現地調査を行った。これによって政策、実施状況、実施上の問題点などを明らかにしてきた。これと関連して、2003年3月には「ロシアにおける英才教育と学校の多様化・個性化に関する総合的調査研究-中間報告」を、および2004年9月には「ロシアにおける英才教育と学校の多様化・個性化に関する総合的調査研究-中間報告2」を編集し、刊行した。また、ロシアにおけるエリート教育の国内研究として月1回の研究会と年1回の合宿を継続した。これは、研究分担者がそれぞれの専門性を発揮して研究を進め、毎月、国立教育政策研究所を会場にして研究会を開催するものである。とりわけ、今年度は、ロシアからの行政関係者ならびに研究者を招聘した国際会議を開催し、会議資料を編集・刊行した。国際会議は、2004年11月22日に、国立教育政策研究所(東京都目黒区)にて開催された。川野辺敏「あいさつ」に引き続いて、モスクワ市教育政庁普通教育局長オリガ・ジェルジツカヤ氏が「モスクワ市における英才教育の実践と課題」を報告し、質疑応答に入った。続いて、ロシア連邦教育科学アカデミー心理学研究所ナタリヤ・シュマコーワ氏が「英才を育てる、『星座』の実践から」を報告し、質疑応答を行った。さらに、ジェルジツカヤ、シュマコーワ、福田誠治でパネルディスカッション「ロシアの英才教育」を行った。参加者は、国立教育研究所などの研究員と、関東近県のスーパーハイスクールの教員、国内ロシア教育研究者、および本研究の研究参加者など30名余である。以上の成果をもとに、成果報告書を作成した。さらに、この成果は、2005年6月の比較教育学会にて共同発表される。
著者
福田 誠
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.943, pp.32-43, 2011-01-10

スペインのサグラダ・ファミリアで2010年11月7日、ローマ法王が出席した献堂式が行われた。工事は今後も続くが、教会は正式な祈りの場となった。バルセロナ在住の建築家、福田誠氏が現況をリポートする。(本誌) ローマ法王がつかさどる献堂式によって、サグラダ・ファミリア(聖家族贖罪教会)は正式にバシリカ教会となった。
著者
日吉 辰夫 宮崎 誠 福田 誠
出版者
日本膜学会
雑誌
(ISSN:03851036)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.74-80, 1997-03-01 (Released:2011-03-04)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

Most of requirements for hemodialysis hollow fiber membranes depend on their micro pore structure and distribution. Therefore, not only the averaged pore radius but also the pore radius distribution should be noted in the optimal design of hollow fiber hemodialysis membranes. Herein some advantageous characteristics of newly developed cellulose hemodialysis membrane, pore radius distribution pattern of which may be so called “symmetricall gradient structure”, are presented with those of the conventional and well known homogeneous, gradient, and reverse gradient structure membranes.
著者
嶺井 明子 関 啓子 遠藤 忠 岩崎 正吾 川野辺 敏 水谷 邦子 森岡 修一 福田 誠治 松永 裕二 澤野 由紀子 大谷 実 高瀬 淳 木之下 健一 タスタンベコワ クアニシ デメジャン アドレット ミソチコ グリゴリー アスカルベック クサイーノフ セリック オミルバエフ 菅野 怜子 サイダ マフカモワ 伊藤 宏典 アブドゥジャボル ラフモノフ ズバイドゥッロ ウバイドゥロエフ
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

中央アジア4カ国は独立国家樹立後、国連やユネスコ加盟を果たし、脱・社会主義、民主的法治国家の樹立をめざし教育改革に着手した。国外からの協力と援助(ユネスコ、国際援助機関、ロシアなど)、及び国内事情(多民族国家、イスラム的伝統、都市と農村の格差、経済の人材需要など)の葛藤の中で教育政策が推進されている。初等中等教育の高い就学率、教育の世俗制、多民族への配慮などソ連時代からの正の遺産を多く継承しているが、教育へ市場原理が導入され競争的環境が強化されている。高等教育ではボローニャ・プロセスに対応した改革が進んでおり、無償制は後退している。