著者
島崎 敦
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.128, no.4, pp.250-254, 2006 (Released:2006-10-13)
参考文献数
33
被引用文献数
1 1

視神経障害を伴い視野が欠損していく緑内障の治療は,眼圧下降点眼薬または手術によって危険因子となる眼圧を長期に渡りコントロールすることが基本となっている.そのため,眼圧下降点眼薬は緑内障治療において非常に重要な役割を担っている.既存の眼圧下降点眼薬は作用機序により,副交感神経作動薬,交感神経作動薬,交感神経遮断薬,プロスタグランジン系薬および炭酸脱水酵素阻害薬に分類され,複数の薬剤を併用する場合は,それぞれの薬理作用が相殺されないような組み合わせで用いられる.現在,これまでとは異なる新規な作用機序を有する眼圧下降点眼薬として線維柱帯作用薬が開発されている.また,米国では薬物治療の新しいアプローチとして,障害を受ける視神経を直接保護する視神経保護薬が開発されている.今後,緑内障患者のQOLをこれまで以上に高める薬剤の開発が望まれるが,そのためには多因子疾患である緑内障の病態を解明し,緑内障病態をより反映した動物モデルを確立するとともに,そこで得られた知見から新しい薬剤ターゲットを見出すことが課題となっている.近年の遺伝子解析技術の発展に伴い,緑内障病態が更に解明されていくことを期待したい.
著者
続 栄治 島崎 敦 ナイバルレブ ロサバティ ウルカラ 富山 一男
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.195-200, 1995-06-05
被引用文献数
1

サトイモは宮崎県における主要な作物であり, 需要の増加と共に生産量も増えている. これに伴い栽培農家ではサトイモの連作障害の発現が問題となってきている. 本研究ではサトイモの連作障害の実態を調査すると共に, 連作土壌の理化学性, 土壌線虫, およびサトイモ由来の生長抑制物質について分析・調査した. サトイモを5年連作すると地上部の乾物重および塊茎収量は著しく低下し, 初年度作に比べ地上部乾物重において50%, 塊茎収量においで59%それぞれ低下した. サトイモ連作区と輪作区における土壌について分析した結果, 両者間に土壌の理化学性および線虫数について明瞭な差異は認められなかった. サトイモ地上部(茎葉)およびその連作土壌を水ならびにメタノールで抽出し, その抽出液について生理活性を検討した結果, これらの抽出液はダイコンならびにカブの初期生育を著しく抑制することが認められた. 以上の結果から, サトイモの連作障害はサ卜イモ由来の生長抑制物質と密接に関連しているものと推察した.
著者
島崎 敦
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.128, no.4, pp.250-254, 2006-10-01
参考文献数
33
被引用文献数
1

視神経障害を伴い視野が欠損していく緑内障の治療は,眼圧下降点眼薬または手術によって危険因子となる眼圧を長期に渡りコントロールすることが基本となっている.そのため,眼圧下降点眼薬は緑内障治療において非常に重要な役割を担っている.既存の眼圧下降点眼薬は作用機序により,副交感神経作動薬,交感神経作動薬,交感神経遮断薬,プロスタグランジン系薬および炭酸脱水酵素阻害薬に分類され,複数の薬剤を併用する場合は,それぞれの薬理作用が相殺されないような組み合わせで用いられる.現在,これまでとは異なる新規な作用機序を有する眼圧下降点眼薬として線維柱帯作用薬が開発されている.また,米国では薬物治療の新しいアプローチとして,障害を受ける視神経を直接保護する視神経保護薬が開発されている.今後,緑内障患者のQOLをこれまで以上に高める薬剤の開発が望まれるが,そのためには多因子疾患である緑内障の病態を解明し,緑内障病態をより反映した動物モデルを確立するとともに,そこで得られた知見から新しい薬剤ターゲットを見出すことが課題となっている.近年の遺伝子解析技術の発展に伴い,緑内障病態が更に解明されていくことを期待したい.<br>
著者
続 栄治 島崎 敦 ナイバルレブ ロサバティ ウルカラ 富山 一男
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.195-200, 1995-06-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
14
被引用文献数
10 9

サトイモは宮崎県における主要な作物であり, 需要の増加と共に生産量も増えている. これに伴い栽培農家ではサトイモの連作障害の発現が問題となってきている. 本研究ではサトイモの連作障害の実態を調査すると共に, 連作土壌の理化学性, 土壌線虫, およびサトイモ由来の生長抑制物質について分析・調査した. サトイモを5年連作すると地上部の乾物重および塊茎収量は著しく低下し, 初年度作に比べ地上部乾物重において50%, 塊茎収量においで59%それぞれ低下した. サトイモ連作区と輪作区における土壌について分析した結果, 両者間に土壌の理化学性および線虫数について明瞭な差異は認められなかった. サトイモ地上部(茎葉)およびその連作土壌を水ならびにメタノールで抽出し, その抽出液について生理活性を検討した結果, これらの抽出液はダイコンならびにカブの初期生育を著しく抑制することが認められた. 以上の結果から, サトイモの連作障害はサ卜イモ由来の生長抑制物質と密接に関連しているものと推察した.