著者
笹原 妃佐子 島津 篤 河村 誠 田口 則宏 小川 哲次
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.53-60, 2012-01-30
被引用文献数
1

中学生という時期は,身体的,精神的に大きな変動を遂げる時期である.そのため,歯科保健指導を行うにしても,中学生という年齢に特化した方法を検討する必要がある.本研究では,研修歯科医による歯科保健指導の1か月後,指導を受けた中学生に健康や身体に関わる身の回りに対する考え方と,歯科保健指導後の変化を尋ねる質問紙調査を行い,その回答から,歯科保健指導の効果に影響する要因を分析した.その結果,[自分で健康を守るべきだ]と考える中学生に歯科保健指導後に[以前よりよく歯をみがくようになった]と回答した者が多かった(オッズ比1.96).それに対して,[ファッション]に興味のある中学生には歯科保健指導内容の多くの項目が印象の薄いものであった.この結果から,中学生には,個々の疾病に対する健康教育を行うだけでなく,健康は保護者任せではなく,自分で守るものであるという意識を植え付けるための教育が必要と考えられた.また,歯口清掃は,[ファッショナブルである]と思わせるような指導方法を行えば,[ファッション]に興味のある中学生にも興味を抱かせることができるのではないかと思われた.
著者
島津 篤 吉村 理湖 藤本 千晴 高橋 綾華
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究において、軸索伸長のガイダンス因子として知られていたセマフォリン(Semaphorin; Sema) 3Aは、歯髄組織内および歯槽骨において広く分布していることが判明した。また歯髄細胞自身がSema3Aとその受容体を発現し、その周辺に局在するマクロファージはSema3A受容体のみを発現することが明らかとなり、歯髄細胞が分泌したSema3Aは、自身に対してオートクライン的に、マクロファージに対してはSema3Aを介して直接的あるいは間接的に制御している可能性が明らかとなり、Sema3A発現細胞を制御することによって、マクロファージの作用を制御できる可能性が示唆された。