著者
高永 茂 小川 哲次 木尾 哲朗 田口 則宏 永松 浩 鬼塚 千絵 西 裕美
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究ではまず医療現場において画像資料を収集した。収集した画像データをRIAS、社会言語学、語用論の3つの方法を用いて分析した。さらに質的研究法と量的研究法に関して、多方面から検討した。RIASは基本的に量的研究法に立脚する分析手法である。もう一方の言語学分野の分析手法は、質的な研究を基本にすることが多い。この両者を融合させるためにマルチモーダルな研究法に注目して新たな分析手法を模索した。また、「医療コミュニケーション教育研究セミナー」を開催して多職種間の学術的交流を図った。なお、データの収集は各研究機関の倫理委員会の審査を経て行った。
著者
笹原 妃佐子 島津 篤 河村 誠 田口 則宏 小川 哲次
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.53-60, 2012-01-30
被引用文献数
1

中学生という時期は,身体的,精神的に大きな変動を遂げる時期である.そのため,歯科保健指導を行うにしても,中学生という年齢に特化した方法を検討する必要がある.本研究では,研修歯科医による歯科保健指導の1か月後,指導を受けた中学生に健康や身体に関わる身の回りに対する考え方と,歯科保健指導後の変化を尋ねる質問紙調査を行い,その回答から,歯科保健指導の効果に影響する要因を分析した.その結果,[自分で健康を守るべきだ]と考える中学生に歯科保健指導後に[以前よりよく歯をみがくようになった]と回答した者が多かった(オッズ比1.96).それに対して,[ファッション]に興味のある中学生には歯科保健指導内容の多くの項目が印象の薄いものであった.この結果から,中学生には,個々の疾病に対する健康教育を行うだけでなく,健康は保護者任せではなく,自分で守るものであるという意識を植え付けるための教育が必要と考えられた.また,歯口清掃は,[ファッショナブルである]と思わせるような指導方法を行えば,[ファッション]に興味のある中学生にも興味を抱かせることができるのではないかと思われた.
著者
高永 茂 小川 哲次 田口 則宏 田中 良治
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

医療面接について社会言語学的・語用論的な分析を行なった結果、相互行為空間の形成の仕方や発話内容の修復などが明らかになった。言語学の分野から社会言語学とポライトネス理論、発話行為論の知見を導入し、歯科医とSP(模擬患者)の意見を総合しながらコミュニケーションモデルを構築した。2006年度から3回にわたって「医療コミュニケーション教育研究セミナー」を開催し、医療とコミュニケーションに関わる各々の研究者が研究成果を持ち寄って知識と経験を共有することができた。