著者
島谷 二郎 Palinko Oskar 吉川 雄一郎 陣内 寛大 小川 浩平 石黒 浩
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.369-380, 2020-11-25 (Released:2020-11-25)
参考文献数
24

During classroom-type lectures, some students feel difficulty in asking questions, although it is considered to improve the lecture quality and students’ understanding. We propose a system called Robot-Assisted Questioning System (RAQS) that can promote teacher-student communication in the lecture. It allows students to post questions and opinions on an online messaging interface. The messages were sent to a robot to be posed to the teacher, with or without the voting procedure. In this paper, we report a case study of the field experiment in a lecture which was assisted by RAQS. Students found RAQS efficient and useful for improving their communication with the teacher. For the practical use, the results suggest a future improvement of the system to add the function for controlling the number of robot utterance to avoid interference with the teaching process.
著者
高橋 英之 島谷 二郎 小山 虎 吉川 雄一郎 石黒 浩
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2018-HCI-176, no.21, pp.1-4, 2018-01-15

自分があらかじめ記述した考えをロボットが代わりに述べ,それを論破するという自己客観視システムを構築した.このシステムを用いた予備実験から,一定数の被験者がロボットを通じた自分自身との対話を通じて考え方や価値観を変化させることが示された.本研究ではこのようなシステムが持つ意義について考察したい.
著者
三宅 智仁 河合 祐司 朴 志勲 島谷 二郎 高橋 英之 浅田 稔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回 (2018)
巻号頁・発行日
pp.1F2OS5a02, 2018 (Released:2018-07-30)

ロボットと共同作業をし,それが失敗したとき,人間はその失敗を自分とロボット,どちらの責任だと感じるのだろうか.本研究では,共同で行ったゲームが失敗した際の相手エージェントの責任と心の知覚を評価することで,その関係を明らかにすることを目的とする.さらに,相手エージェントとして,人,ロボット,コンピュータの三種類について比較することで,人の場合と人工物の場合で,責任帰属に変化があるかを調査する.実験の結果,課題を成功させるために重要な心の知覚が高いほど,失敗に対する責任は小さくなることがわかった.「相手は課題の成功のために行動している」という印象が責任を低減させたと考えられる.また,課題による相手エージェントの心の知覚の減少量と責任の大きさに関係があることがわかった.このことから,課題前に相手に対して抱いていた期待が課題中に裏切られることが,相手への責任帰属につながる可能性がある.これは,人条件で顕著である一方で,人工物に対してはほとんど見られなかった.人に比べると,人工物が心を持っていることを期待していないことがこの原因であると考えられる.
著者
島谷 二郎 中村 泰
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2018-HCI-176, no.5, pp.1-6, 2018-01-15

空耳は,歌詞 ・ 言葉が別の言葉に聞こえる現象であり,日本ではユーモア,娯楽として親しまれている.人手による空耳文生成において使用する単語の種類を限定することでユーモアを向上させる手法がある.空耳の自動生成に関する研究は過去に行われてきたが,限定された単語のみを用いる状況は想定されてこなかった.使用できる単語の種類が限られる場合,日本語文を適当に区切り各パートに対する類音語を当てはめるという手法では,精度の高い空耳文の生成することが難しいという問題がある.そこで,動的計画法により文章の区切り方を含めて最適化することにより,音韻がより元の文章に近い空耳文を自動生成するシステムを開発した.Web アンケートを通じた評価により,文節で区切った場合よりも動的計画法を用いて最適化した場合において,音韻の類似性が主観的に向上することを示唆する結果を得た.