著者
崎間 敦 大屋 祐輔
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.2, pp.268-274, 2015-02-10 (Released:2016-02-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1

高血圧緊急症とは,単に血圧の異常高値だけでなく,直ちに降圧治療を開始しなければ標的臓器障害が急速に進展し,致命的になり得る病態である.緊急症が疑われる症例には,迅速な診察と検査によって病態の把握を行う.ICU,またはそれに準ずる施設へ入院とし,直ちに経静脈的に降圧治療を開始する.今回改訂された「高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)」では,緊急症に対する初期対応から疾患ごとの標準的治療および切迫症の取り扱いについて解説している.
著者
崎間 敦 白井 こころ 奥村 耕一郎 田名 毅
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.245-250, 2016 (Released:2016-11-30)
参考文献数
11

目的:沖縄では健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指して,大学,行政,教育委員会および地域が連携した健康づくりが展開されてきた.その取り組みに至った背景および現状についてまとめた.内容:沖縄の健康課題は,特に青壮年期における循環器疾患の危険因子である糖尿病などの生活習慣病,メタボリックシンドロームおよびその予備群の急増,肝疾患や高血圧性疾患の年齢調整死亡率が全国よりも高くなっていることである.沖縄の健康寿命延伸のためには,疾病を予防する環境づくりが大切である.その方策として,学校での食育のさらなる強化,地域でのソーシャル・キャピタルを活かした健康づくりの実践などがあげられる.これまで沖縄で展開されてきた健康づくりに加え,沖縄県保健医療部と沖縄県教育庁の横断的事業として次世代健康づくり副読本事業が開始されている.また,琉球大学ゆい健康プロジェクトでは食育とソーシャル・キャピタルを活用した健康づくり支援事業を展開している.参加者を好ましい食行動へ誘導し,肥満者の体重を減少させる成績を得ている.結論:次世代健康づくり副読本事業と琉球大学ゆい健康プロジェクトを紹介した.学校や地域を介した健康づくりは県民の生活習慣病予防とヘルスリテラシーの向上に寄与し,健康長寿の延伸と早世予防の足掛かりと成り得る.
著者
崎間 敦 等々力 英美
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

伝統的沖縄食介入試験の成果をもとに、高血圧の一次予防を目指した伝統的沖縄食による降圧効果についての無作為割付試験を行った。対象者は沖縄県在住の職域あるいは一般住民を対象とした。132 名を登録し、研究を継続しえた 110 名(平均年齢 51±14 歳、女性62 名)を解析対象とした。伝統的沖縄のパターン食の情報介入により血圧が低下し、推定ナトリウム摂取量の減少を伴った。さらに、塩味覚閾値が低い群では血圧が低値であった。これらより、パターン食の情報介入は高血圧の一次予防および非薬物療法に有用であることが示唆された。