著者
新城 正紀 有泉 誠 等々力 英美 恩河 尚清 金城 英子
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.362-373, 1997-11-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
21

Analyzing the records kept in Koza Public Health Center, this study aimed to elucidate tuberculosis (TB) control in Okinwa after World War II. The records included each patient's registration year, name, sex, date of birth, address, occupation, disease classification, treatment classification, bacterial tests, type of chemotherapy, surgical history, length of chemotherapy and ambulatory treatment. Pulmonary TB cases, 5, 289 in total, were the subjects of the present analyses . Based on the date of registration, the patients were assigned to phase I(1952-1961) or phase II (1962-1971), since the treatments changed from the concomitant use of 2 medications (isoniazid and pyrazinamide) in the former to that of 3 medications (streptomycin in addition to the above 2) in the latter . From the viewpoint of public health, medical care for TB patients was markedly improved from phase I to phase II, as exemplified by the decrease in the mean medication period from 3.9 years to 3.1 years and the decrease in the mean control period from 4 .8 years to 4J years. It is concluded that the home therapy system which was introduced to TB contorl in Okinawa in the postwar period to cope with insufficient medical resources, particularly in health centers, functioned effectively.
著者
伊藤 早苗 朝倉 敬子 杉山 賢明 高倉 実 等々力 英美
出版者
日本健康学会
雑誌
日本健康学会誌 (ISSN:24326712)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.76-82, 2020
被引用文献数
1

<p>Salt and potassium intake were estimated from spot urine obtained from children and their mothers at public elementary schools in Okinawa Prefecture. Estimated salt intake was 7.8 ± 1.6 g / day for children and 8.9 ± 2.1 g / day for mothers. Estimated potassium intake was 1157 ± 273 mg / day for children and 1580 ± 322 mg / day for mothers. The proportion of those who meet the Dietary Goals of the dietary reference intakes for Japanese (2015 edition) was determined. Only 5.7% of the boys, 13.8% of the girls and 12.0% of the mothers met the Dietary Goals for salt. Only 3.3% of the boys, 0.7% of the girls, 2.0% of the mothers met the Dietary Goals for potassium. There was a significant positive correlation between salt intake of girls and their mothers. In boys, there was no significant correlation with mothers for both salt and potassium intake. It is expected to improve their diet for reducing salt and increasing potassium intake while taking this gender difference into consideration.</p>
著者
等々力 英美 大屋 祐輔 高倉 実 大角 玉樹 青木 一雄 佐々木 敏 勝亦 百合子
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

沖縄野菜を主体とした沖縄型食事介入による 1-2 年間の無作為割付比較試験を行った。 対象者は横浜東京在と沖縄在住の 40-60 歳代夫婦、合計 61 1 名であった。伝統的沖縄食事パターンによる短期の介入の後に、継続する情報介入を行うことで、血圧の減少が持続していた。薄味の食事摂取による集中的な教育効果と、情報介入による長期の働きかけの組み合わせは、減塩を含めた食事指導の有効なツールの1つになりうると考えられた。
著者
等々力 英美 鄭 奎城 大屋 祐輔 佐々木 敏 ウィルコックス クレイグ 鄭 奎城 大屋 祐輔 佐々木 敏 ウィルコックス クレイグ
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

沖縄野菜を主体とした沖縄型食事介入による無作為割付比較試験を行った。対象者は沖縄在住20-60歳代の女性、夫婦、米国人男女、横浜東京在住40-60歳代夫婦、合計700名であった。1)沖縄野菜を豊富に取り入れた伝統的沖縄型食事は、血圧予防に有効である可能性と、2)欧米型DASH食と異なる沖縄の伝統的食事が、同様の効果を示した。3)生活習慣病の予防や治療において、食事パターンへの介入が有効な戦略となりうる。
著者
小川 寿美子 等々力 英美 有泉 誠 吉田 朝啓 糸数 公 鄭 奎城 崎原 盛造
出版者
琉球大学
雑誌
地域連携推進研究費
巻号頁・発行日
2000

本研究は過去3年間の研究成果として、論文9本、学会発表17演題、図書3冊、視聴覚教材ビデオ8本、データベース(CD)8枚が産出された。特に最終年度には以下のような具体的な研究実績の収束に努めた。(1)第2回ケース・メソッド研修の実施(平成14年6月30日) 昨年度の第1回同研修に引き続き問題解決型開発教育モデル制作の研修を実施した。受講者は本研究協力者で、この研修後、6本のケース教材が完成した。同教材は、(5)のビデオ教材のジャケットに納める小冊子に添付され、国際協力用の教材として広く活用されている。(2)保健人材班ワークショップ開催(平成14年7月6/7日) 過去3年間でまとめた沖縄の保健人材に関する量的データを用い、システムダイナミックス・シミュレーションモデル策定のワークショップを開催した。結果は(7)で発表した。(3)国際協力への実用化-途上国の保健医療人に対する研修への応用(平成14年4月15/16日,平成15年1月17.23-25日) JICA(国際協力事業団)の研修へと多岐にわたり応用された。4月は九州・久留米市の聖マリア病院での地域保健指導者研修コースで、1月には沖縄国際センターでの島嶼保健医療政策研修コースにて、本研究にて作成された視聴覚教材とケース教材を用いた授業が展開され、受講生(途上国の医師・看護師・助産師)から好評を得た。(4)論文、学会発表、図書 今年度は本研究に関する論文が8本、学会抄録は8本、図書は1冊が産出された。これらは、初年度からの業績も含め、広く世界の研究者と共有すべく、英語に翻訳して、報告書並びに本研究のwebページで情報を開示する作業を進めている。(同年5月末完成予定)(5)視聴覚教材の制作 前年度の2本のビデオ制作に引き続き、今年度は6本のビデオを制作。ビデオ検討会議(各6本分のビデオに関する内容検討会議を、年3回、各6本分のビデオ開催)を経て、平成15年1月に日本語版と英語版が完成。JICA研修((3))をはじめ、日本や諸外国の大学・研究機関にて活用されつつある。(6)データベース(CD) 米国民政府の公衆衛生関連資料をまとめたDB、沖縄県復帰前の保健医療関連新聞記事をまとめたDB、昭和35年から現在までの衛生統計データをまとめたDB、今まで制作した計8本分のビデオ教材をパワーポイント化したDB、の計4種のCDに関して本科研費を用いて作成した。(7)国際シンポジウムの開催(平成15年1月24-26日) 過去3年間の集大成として、国際シンポジウム「沖縄における保健医療人材確保の経験から〜過去50年の検証」を開催。内外からシンポジストを迎え、ビデオ会議、同時通訳付で活発なる意見交換が行われた。同シンポジウムの本番記録は、本研究Webページで公開されている。また、現在、CDにまとめる作集を行っている。(8)最終報告書(英語版)の作成 計418ページにわたる報告書を英語版で作成し、3年間の研究・実践の成果を広く世界の研究教育機関にアピールする。
著者
崎間 敦 等々力 英美
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

伝統的沖縄食介入試験の成果をもとに、高血圧の一次予防を目指した伝統的沖縄食による降圧効果についての無作為割付試験を行った。対象者は沖縄県在住の職域あるいは一般住民を対象とした。132 名を登録し、研究を継続しえた 110 名(平均年齢 51±14 歳、女性62 名)を解析対象とした。伝統的沖縄のパターン食の情報介入により血圧が低下し、推定ナトリウム摂取量の減少を伴った。さらに、塩味覚閾値が低い群では血圧が低値であった。これらより、パターン食の情報介入は高血圧の一次予防および非薬物療法に有用であることが示唆された。