著者
平川 一彦 川口 康 山中 宏治 小宮山 進
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.1027-1033, 1999

シリコンMOS反転層や繁導体ヘテロ構造界衛に蓄積ずる二次元電子系に強磁場を印加することに より発現する量子ホール効果は,その精密なホール抵抗の量子化のため,抵抗標準への応用が進められ てきた.しかし,最近,量子ホール効粟状態における特異な電子状態を積極的に利用することにより, 超高感度の遠赤外光検出が可能であることが明らかになってきた.しかも,その光検出感度は,市販の 遠赤外光検出器であるシソコンボロメーターの100~1000倍にも達する。本解説では,量子ホール効果 を用いた超高感度遠赤外光検出の物理機構とその応用に関するわれわれの最近の概究を紹介する.
著者
川口 康弘 奥村 誠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.909-915, 2010

近年の大学通学交通施策においてもステークホルダーの協働による交通システムの運営を促進するため,事業者の収益をこえた多角的な評価が必要になっている.本研究では学生の居住地と交通手段を割り当てる最適化モデルを提案した.東北大学に対して適用した結果,バス収入はフリーパス運賃を少し変えるだけで増減が不安定に変化していることから, フリーパス制度はバス収入の増加には直結しないことがわかった.一方で住宅費用はフリーパスの導入により安定的に減少することから,学生が居住地選択を合理的に行える効果が期待できることがわかった.この効果は,居住地選択が変化するような長期間において,初めて期待出来る効果であり,本モデルのように,居住地選択と交通手段選択を同時に分析することの必要性を示している.